写真:土庄 雄平
地図を見る今回紹介する「雌阿寒岳」があるのは、阿寒摩周国立公園。知床半島と並ぶ、道東のメインエリアの一つであり、かつての火山活動に伴い、巨大なカルデラ湖が点在するのが特徴です。各湖の湖畔には、活火山が林立しており、このうち「雌阿寒岳」はオンネトー湖の裏手に位置しています。
なおオンネトー湖は、四季折々水面の色を変える湖として知られており、その佇まいから秘湖と呼ばれています。雌阿寒岳の登山は、このオンネトー湖畔を車で走り、オンネトー野営場から登るのが一般的です。
写真:土庄 雄平
地図を見るそれでは野営場へ到着したら、登山口の標識にしたがって入山していきましょう!雌阿寒岳・オンネトーコースの第一の特徴は、6合目付近まで深い樹林帯に覆われており、緩やかに標高を上げていくこと。景観変化には乏しいものの、道東らしい大自然と対話をするかのように、山歩きに没入できるのが魅力です。
写真:土庄 雄平
地図を見る途中、木の根や軽い岩場も有り、危険を感じずにアスレチック感覚で楽しめる点も、初心者にオススメできるポイント!また進むごとに、3合目、4合目と標識が立てられており、残りの距離の目安にもなります。また基本的に日陰のため、暑さに体力を削られることなく、前半を終えられるのも大きいでしょう。
写真:土庄 雄平
地図を見るそして登山開始から約1時間〜1時間半で6合目を迎え、樹林帯から砂礫の山肌へと変わっていきます。この景観変化がドラマティックで、思わず「おぉ〜!」と声を上げてしまうでしょう。なおこの変化点付近では、急に現れた砂礫にバランスを崩しやすくなるので、足元には特にご注意ください。
そして高山を特徴づけるハイマツ帯へと入ります。本州で言えば、ハイマツ帯が見られるのは標高2000m以上が一般的!しかしながら、この時点では標高1200〜1300mほどであり、いかに道東の気象条件が厳しいかを物語っています。
写真:土庄 雄平
地図を見るそれでは「雌阿寒岳」の山頂稜線へアプローチしていきましょう。この雌阿寒岳は山頂が陥没して、それを囲むように稜線が発達しています。そして、陥没部からは今でも火山ガスが噴出し、辺りに硫黄の香りが立ち込めます。まさに北海道の自然の鼓動を感じる瞬間です。
なおこの稜線に至るまでの区間が一番滑りやすいので注意が必要です。足元を確実に登っていくように意識してください。また登山道に沿ってロープがあるので、必要に応じて活用すると良いでしょう。
写真:土庄 雄平
地図を見るなお、これは運次第ですが、ここは手付かずの自然が残る道東の山。野生動物にしばしば出会うことも!特に、日本に生息する鹿の中でも一番大型の「エゾシカ」に遭遇する可能性も高いです。
安易に近寄りすぎてはいけませんが、適度な距離を保ちつつ観察するのも、北海道の山ならではの楽しみ方と言えます。
写真:土庄 雄平
地図を見る登山開始から1時間半〜2時間程で、ようやく「雌阿寒岳」の稜線へと到着です。ここまで来ると、下から見上げてきたこの山の全貌が明らかに!
見下ろせば、まるで吸い込まれてしまうほどダイナミックなクレーターが見られ、大きな噴煙が所々吹き上がり、そして振り返れば、天を衝くような「阿寒富士」が林立。独特の火山世界がただひたすら展開しています。
写真:土庄 雄平
地図を見る一方、進行方向には、赤褐色と白色の台地が「阿寒湖」まで大スケールで広がっており、思わず立ち尽くしてしまう圧倒的な光景。道東の自然が作り上げた造形美を堪能できる内容になっています。
山頂は、そんな唯一無二のパノラマの中に位置しており、このラストシーンは雌阿寒岳登山の最大の魅力と言えるでしょう!
写真:土庄 雄平
地図を見るまた標高1499mと、本州ではそれほど高い山ではないのですが、荒涼たるこの景観と、周囲に漂う雲、山の向こうに垣間見える樹林帯が相まって、日本屈指の高山と遜色ない高度感を楽しめます。
しかしながら、登山の内容としては片道2時間〜2時間半と手軽!この山が初心者におすすめというのも納得ではないでしょうか?
写真:土庄 雄平
地図を見る最後に雌阿寒岳に隣接する「阿寒富士」についても少しご紹介。
この山も同じく阿寒の火山活動で形成された山で、先に触れたルートの6合目近くの分岐からアプローチできます。特に斜面を登っている途中、まるで別の惑星へ来たかのように錯覚させる大迫力の絶景が魅力です。
斜面がきつく少し困難な内容ではあるのですが、体力に余力のある方はぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
写真:土庄 雄平
地図を見る気象条件が厳しくなり、コースタイムも長いため玄人向きといえる北海道における日本百名山への登山。その中で今回紹介した「雌阿寒岳」は、一番標高差が少なく、内容が最も手軽でありながら、北海道ならではの大自然へ思いっきり身を投じることが可能です。
樹林帯を越え、ハイマツから雌阿寒岳の稜線へのアプローチは圧巻!そして山頂では、確かに道東の鼓動を感じることができるでしょう。見たことないスケールの北海道を、ぜひ「雌阿寒岳」登山で体感してみてはいかがでしょうか?
住所:北海道足寄郡足寄町茂足寄
アクセス:オンネトー野営場まで女満別空港から車で1時間20分、釧路市街から車で1時間40分、オンネトー野営場から山頂まで往復約4時間〜5時間
※備考
・あらかじめ記載した登山届を登山口のポストに投函してください。
・熊鈴は持っておいたほうがベターです。
・雨天時は滑りやすいので注意が必要です。
2020年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/10/15更新)
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