豊かな自然の湖に噴火の痕跡!東京都三宅島南部の名所4選

豊かな自然の湖に噴火の痕跡!東京都三宅島南部の名所4選

更新日:2020/09/26 14:18

東京都三宅島は火山島ですが、現在は噴火警戒レベル1に下がっています。釣りやダイビングで訪れる旅行者が多い島ですが、近年の噴火の影響を受けなかった豊かな自然や噴火の痕跡、人が住んだ跡の名所が島内に存在。中でも島の南部には原生林の中にある湖や噴火の跡が揃っています。三宅島南部にある自然が造った名所へ足を運んでみませんか。

伊豆諸島最大の淡水湖!名木もある野鳥の楽園「大路池」

伊豆諸島最大の淡水湖!名木もある野鳥の楽園「大路池」
地図を見る

大路池(たいろいけ・写真)は島の南にある森の中にある湖。二千年以上前に水蒸気爆発で出来た火口湖で、現在は村の簡易水道の水源にもなっています。湖や周囲は野鳥の保護区で、国の天然記念物で村の鳥であるアカコッコなどが生息。大路池への入口に近い場所には三宅島の自然について展示している「アカコッコ館」があります。

車道は三宅島一周道路から湖の南側を通り、西側を通過して湖の北側までです。なお車道の内側には湖を1周出来る遊歩道が約1.5kmほど整備。晴れた穏やかな日は写真の様に湖の表面に景色が映し出されるほど。かつては文豪・太宰治が訪問したことがあります。

伊豆諸島最大の淡水湖!名木もある野鳥の楽園「大路池」
地図を見る

大路池には2か所桟橋があります。車道の終点であり、トイレ、休憩所、駐車場が整備されている北側桟橋と三宅島1周道路にある入口に近い南側の桟橋(写真)。北側桟橋も良いですが、車道から遊歩道の階段を降りていける南側の桟橋からの景色もおすすめです。

伊豆諸島最大の淡水湖!名木もある野鳥の楽園「大路池」

提供元:三宅島観光協会

https://www.miyakejima.gr.jp/地図を見る

車道を北側桟橋に向けて進む途中にあるのが、樹齢が数百年とも言われ、幹回りが7.5mもある大木が迷子椎(まいごじい・写真)。三宅村指定文化財に指定され、人が周辺の密林に迷い込んでも、この木を目印にすれば助かるといわれたのが名前の由来。また噴火を司る神が宿るともいわれる木です。

<大路池の基本情報>
住所:東京都三宅村坪田

噴火後の仮橋を展望台に!御蔵島がきれい「立根橋公園」

噴火後の仮橋を展望台に!御蔵島がきれい「立根橋公園」
地図を見る

大路池から島の西に三宅島1周道路を進むと、橋の一部を使った展望台が見えてきて、周辺が展望公園(写真)になっています。使われた橋の一部は、噴火によって道路が寸断され、復興したシンボル。2000年の噴火では立根(たつね)地区で泥流が発生し、新たな沢が出現したためです。応急的に通行できるようにするため、翌2001年4月に立根に仮橋が設置されました。後に現在の橋が完成し、現地で展示の後撤去されています。

写真中央奥に写っている三角の出鼻は、1983年の噴火で出来た新鼻新山(にっぱなしんざん)。火口から噴出物が積もって出来た丘で、海側が削られています。公園から更に三宅島1周道路を西に進むと新山に行く事が出来ますが、道路から歩かなくてはいけません。あまり歩けない旅行者が新鼻新山を眺めるのに良い場所ですが、カメラやスマホでは望遠を使用した方がいいです。

噴火後の仮橋を展望台に!御蔵島がきれい「立根橋公園」
地図を見る

立根橋公園からの景色といえば隣の御蔵島(写真)。南へ約18km離れた円形の島で、見通しが良い時の眺めがきれいです。また時間帯によっては東海汽船の貨客船が御蔵島と三宅島の間を運航している姿やその他の船も見えます。

<立根橋公園の基本情報>
住所:東京都三宅村坪田

奇岩・メガネ岩に島の最西端・今崎海岸は溶岩流の跡!

奇岩・メガネ岩に島の最西端・今崎海岸は溶岩流の跡!
地図を見る

現在三宅村役場臨時庁舎がある島南西部の阿古(あこ)地区。阿古で最も知られた景勝地が奇岩・メガネ岩(写真)です。1643年の噴火で流れた溶岩流によって出来たと言われています。長年の波による侵食でメガネの形状に出来上がりましたが、1959年の伊勢湾台風で片方のメガネ縁が壊れてしまい、現在は片メガネ状態。写真のように、メガネ岩で阿古の沖約8kmにある三本岳(大野原群島)が間に見える場所を探してみましょう。なお落下防止柵は付近にないので、足元には十分注意して下さい。

奇岩・メガネ岩に島の最西端・今崎海岸は溶岩流の跡!
地図を見る

メガネ岩が見える場所から錆ヶ浜(阿古)港の方向に目を向けると、ビーチダイビングポイントである土方海岸、更には東海汽船の貨客船が入出港する錆ヶ浜港の船客待合所が見えます。

奇岩・メガネ岩に島の最西端・今崎海岸は溶岩流の跡!
地図を見る

メガネ岩から更に北へ進む途中も溶岩流で出来た海岸・今崎海岸が続きます。三宅島の最西端にも片メガネ状の奇岩(写真)があります。本家メガネ岩とメガネレンズの大きさやフレームを比べてみてはいかがでしょうか。

<メガネ岩の基本情報>
住所:東京都三宅村阿古

集落が溶岩流で埋まった跡!校舎が生々しい「火山体験遊歩道」

集落が溶岩流で埋まった跡!校舎が生々しい「火山体験遊歩道」
地図を見る

今崎海岸を更に北へ進むと、学校の校舎が溶岩に埋もれた衝撃的な光景(写真)が現れます。1987年に雄山の南西山腹に発生した噴火により、溶岩流が当時あった阿古集落を飲み込んでしまいました。溶岩流が阿古小学校・中学校の校舎で止まった状態でそのまま保存され、後世に伝えています。

集落が溶岩流で埋まった跡!校舎が生々しい「火山体験遊歩道」
地図を見る

溶岩流は小学校校舎の3階を残して埋没(写真)。3階にあった教室、ピアノや図書は無事だったのですが、サッシや窓ガラスは破損しています。隣の中学校は2階建てだったため、ほとんどが埋まってしまいました。体育館は骨組が見えています。そんな溶岩流の痕跡を伝えるため、埋まった阿古地区に2007年、「火山体験遊歩道」として木道と解説看板が整備されました。

<火山体験遊歩道の基本情報>
住所:東京都三宅村阿古

東京都三宅島南部の名所へ出かけよう!

三宅島南部には原生林の中にある野鳥が生息する湖に、噴火の影響を受けた痕跡の名所が揃っています。大路池は近年噴火した火山島にあるのかと錯覚する自然があり、立根橋公園は噴火からの復興への行動力と景色の美が合わさった場所。またメガネ岩や火山体験遊歩道は噴火や波浪による自然の力を感じます。釣りやダイビング以外にも見所がある三宅島への旅はいかがでしょうか。

2020年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2020/08/29 訪問

- PR -

条件を指定して検索

- PR -

この記事に関するお問い合わせ

- 広告 -