写真:ふるかわ かずみ
地図を見る磐船(いわふね)神社は奈良県との県境にほど近く、天野川に沿った168号線から少し入った金剛生駒国定公園域内に位置します。
周辺は紅葉の景観で有名な「星のぶらんこ展望台」をはじめ、ハイキングや登山者にも人気のエリアです。
写真:ふるかわ かずみ
地図を見る磐船神社の創建は不明ですがその歴史はかなり古く、日本書記には神武天皇以前に物部(もののべ)氏や尾張氏の祖とされる饒速日命(にぎはやひのみこと)が、天の磐船に乗り天降ったとされた場所とあり、境内にはその乗り物とされるご神体も拝観することができます。そしてその饒速日命は、神社のご祭神として祀られています。
かつて枚方から東大阪一帯は古くは内海となっており、大陸から船で上陸したと考えられ、それが磐船神話に繋がったという説もありますが、いずれにしてもこのあたり一帯が物部氏族が治めていた痕跡は色濃く残っているようです。
写真:ふるかわ かずみ
地図を見るさて、境内に一歩入ると、左手にただならぬ威圧感漂う気配を感じます。目線の先にあるのはまさに船の形をした巨岩!そうそれこそご神体である「天の磐船」です。その大きさは高さ12メートル、幅12メートルと間近で見ると圧巻です。
そのほか大日如来や観音菩薩などの石仏や不動明王が彫られた岩など、磐座信仰が色濃く残り、神仏習合の場として篤く崇敬されていたことも伺えます。
写真:ふるかわ かずみ
地図を見る天の磐船の前には拝殿が設置されています。通常は拝殿の奥は本殿となりますが、ここでは岩がご神体ということもあり、そのまま祀られています。
このあとご紹介する「岩窟巡り」をされる際は、まずは安全祈願でこちらで参拝して向かいましょう。
では早速「岩窟巡り」についてですが、まず先に申し込みをします。受付は境内入って右手の社務所になります(拝観料1人500円)。
そこで洞窟内の進み方の説明を受けますが、聞いただけではその場では理解しづらいので、とにかく「白い矢印に沿ってその通りに進む」という手順だけは必ず遵守しましょう。
※その他参拝条件がありますが、詳細については事前に必ずHPでチェックを!
写真:ふるかわ かずみ
地図を見る扉を開けると、下に続く階段があります。以前はこの階段がなく、縄で降りていたようです。
この岩窟は平安時代以来、修験道生駒北峰の霊場として、僧侶たちが籠もって修行が行われており、昭和8年に京阪電車の交野線の開通に伴い、観光や集客のため、一般の人も入れるようになりました。現代で古来の修験の場をリアルに体験できる、まさに希少な場です。
ではいざ降りていきましょう!
写真:ふるかわ かずみ
地図を見る下までおりるとゴロゴロとした岩が折り重なるような空間が広がっています。進路は岩に白い矢印がペイントされているので、その通りに進めばOK。以前違う進路にいってしまい事故が起こったケースもあるので、必ず矢印通りに進みましょう。
ちなみに写真の橋は階段を降りて最初の橋になりますが、この橋を渡るともう引き返せませんので、覚悟を決めるならここまでです。
写真:ふるかわ かずみ
地図を見る岩窟内は基本岩の上に足をかけることが多いので、歩きやすかったり滑りにくい靴は言うまでもありませんが、とにかく足もとに細心の注意と集中力で進みましょう。場所によっては、暗くて狭い空間で足を岩にかけて登ったり・・という場所もあります。
写真:ふるかわ かずみ
地図を見るようやく半分くらい進んだあたりでしょうか、この岩窟の一番の難所ともいえる、こちらの超激せま空間!目の前には「足から」の文字。そう、この隙間は足から滑り台のように体を滑らせて通り抜ける入口。
ここ通れるの?と一瞬ひるみますが、よほど巨漢の人でない限り大丈夫!
ここを無事抜けると生まれ変わることができるとも言われています。狭くて暗いこの隙間から通り抜けることと母親の産道が重なり、まさに生まれ変わるということかもしれません。
ぜひ頑張ってクリアしましょう!
写真:ふるかわ かずみ
地図を見るその後もかがんだり登ったりと修行は続き、目の前のことで進むことばかりに意識が集中しますが、途中天井を見上げると太陽の光が差し込むスポットも……。しばし息抜きタイムでホッと安心できる瞬間です。
写真:ふるかわ かずみ
地図を見る無事岩窟から抜けると、地上に戻ってきた安堵感にしばし浸りながら、さらにゴール地点に向かいます。
帰り道の途中「天の岩戸」と書かれた案内板と上に続く階段があります。その名の通り、神話に記述された天照大御神が岩戸に隠れたというリアル天戸とされる岩があります。
写真:ふるかわ かずみ
地図を見る全国に天の岩戸と呼ばれる場所はいくつかありますが、そのどれも洞窟だったりしますが、ここはまさに岩の戸。上の大きな巨岩を支える2体の大きな岩が、まるで扉のようになっていることから、ここがそうではないかとの説もあるようです。
他にも饒速日命が降り立ったときに、この土地の豪族でもあった長髓彦(ナガスネヒコ)の石碑も祀られています。
太古のロマンを感じられる場所で大阪の景色も望める場所ですので、ここにもぜひ立ち寄ってみてくださいね。
写真:ふるかわ かずみ
地図を見る無事ゴールしたら社務所に声をかけます。すると写真の「修行終了」のお札がいただけます。
家に神棚がなくても、室内の壁や柱などに貼ってお祭りできるようになっていますので、生まれ変わった新たな気持ちでパワーをいただけそうです。
そして行かれる際はくれぐれもきちんとした準備や注意事項を守り、天気によっても左右しますので事前に問い合わせなど確認して行かれてみてくださいね。
住所:大阪府交野市私市9丁目19-1
電話番号:072-891-2125
拝観時間:10時〜15時まで受付(正午〜13時までは休止)
拝観休業日:毎週水・木曜日 ※雨天時、雨後など岩が濡れている場合は中止
拝観料:500円/1名(お申し込みは2名様より)
※拝観は10才以上、75才以下の方に限る
2020年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/3/28更新)
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