フォトジェニックに大変身!南海・高野線「極楽橋駅」へ行こう

フォトジェニックに大変身!南海・高野線「極楽橋駅」へ行こう

更新日:2020/09/12 14:05

モノホシ ダンのプロフィール写真 モノホシ ダン 総合旅行業務取扱管理者、総合旅程管理主任者
和歌山県の世界遺産「高野山」の玄関口にあたる、南海電鉄の「極楽橋駅」が、2020年7月20日にリニューアルオープンしました。高野山へは、極楽橋駅を降りて高野山ケーブルを乗り継いで向かいます。そのため、南海電鉄は駅を“高野山の入口”と位置づけ、駅舎内に天井装飾や手水舎、願掛羽などを設け、高野山参りの際に必ず訪れたい場所へと生まれ変わらせました。乗換駅から滞在型駅となった極楽橋駅を訪れてみませんか?

リニューアルのコンセプトは「はじまりの聖地、極楽橋。」

リニューアルのコンセプトは「はじまりの聖地、極楽橋。」

写真:モノホシ ダン

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極楽橋駅は、南海高野線の終着駅です。駅名の由来となっている「極楽橋」は、高野山の聖域と俗世を区切る結界とされています。そのため、「はじまりの聖地、極楽橋。」をコンセプトに、電車側コンコースを「俗世」、ケーブルカー側コンコースを「聖域」に見立てリニューアルしました。

リニューアルのコンセプトは「はじまりの聖地、極楽橋。」

写真:モノホシ ダン

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極楽橋駅電車側コンコースは黒を基調とし、「いのちのはじまり」をテーマに、高野山にゆかりのある動植物など約50種類が、生命力を感じられるフォトジェニックな天井画になっています。

極楽鳥をはじめ、高野山にかかわりのある黒犬・白犬、しゃくなげ、睡蓮や、縁起物の梅や鶴などを散りばめることで、一つ一つのイラストをゆっくりと楽しめる空間を演出しています。

リニューアルのコンセプトは「はじまりの聖地、極楽橋。」

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また、極楽橋駅窓口では天井絵巻などのデザインを活用し、御朱印帳や文具に日常雑貨など、様々なはじまりの聖地限定グッズを販売。この機会に、お気に入りのグッズを探してみてはいかがでしょうか。

途中下車して駅名の由来となった「極楽橋」へ行ってみよう

途中下車して駅名の由来となった「極楽橋」へ行ってみよう

写真:モノホシ ダン

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極楽橋駅の開業は、1929年(昭和4年)2月で、さらにケーブルカーの開通は、翌年の6月です。洋風の木造駅舎は、開業時からほとんど手が加えられておらず、まるで秘境駅のような雰囲気が漂います。

今回のリニューアルでは、極楽橋駅を区間内に含む乗車券を所持している乗客は、極楽橋駅での途中下車が可能になりました。

極楽橋駅の名前の由来となった極楽橋までは、駅から徒歩約5分ほどで行くことができます。電車やケーブルカーの時間待ちなどにぜひ訪れてみましょう。

途中下車して駅名の由来となった「極楽橋」へ行ってみよう

写真:モノホシ ダン

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極楽橋へは、電車のホームとケーブルカー乗り場を結ぶ構内通路の下をくぐります。外から眺めると構内通路は、直下を流れる「不動谷川」に架かる橋の役割も果たしていることが分かります。

途中下車して駅名の由来となった「極楽橋」へ行ってみよう

写真:モノホシ ダン

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駅から川沿いに下ったところにある朱色の極楽橋は、1954年(昭和29年)に架け替えられたもの。橋のたもとには、地蔵尊がお祀りされています。この橋を渡って「不動坂」を登り、高野山上の「女人堂」まで歩くことによって、昔の高野詣りの風情を楽しむこともできます。

電車とケーブルカーのコンコースの境界部「はじまりのみち」

電車とケーブルカーのコンコースの境界部「はじまりのみち」

写真:モノホシ ダン

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電車のホームとケーブルカー乗り場を結ぶ構内通路は、両方のコンコースの境界部「はじまりのみち」とされています。

天井には、「俗世=黒」の世界から「聖域=赤」の世界へ渡っていることを6枚のフラッグのグラデーションで表現しています。フラッグを眺めながら、一歩進むごとに聖域への気持ちが高まることでしょう。

電車とケーブルカーのコンコースの境界部「はじまりのみち」

写真:モノホシ ダン

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ケーブルカー側コンコースには、「極楽鳥の願掛羽」が設置されています。極楽鳥の羽をイメージした紅白のペーパーフェザーに、はじまりの聖地で誓う決意や願いを綴って、専用のスタンドに飾りましょう。

ペーパーフェザーは全4色で、1枚100円(赤、白色=常時販売、薄紅色=5と9のつく日のみ販売、金色=天空車内販売のみ)。毎年3月の「高野の火祭り」でお焚き上げされます。

電車とケーブルカーのコンコースの境界部「はじまりのみち」

写真:モノホシ ダン

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そのほか、高野山への入口として、手を清める意味を込めガラスアートを用いた手水舎にも注目です。水槽の底には、極楽鳥が描かれていて、下からライトアップされ、インスタ映えするフォトスポットとしてもおすすめ。

ケーブルカー側のコンコースの天井画「宝来天井絵」

ケーブルカー側のコンコースの天井画「宝来天井絵」

写真:モノホシ ダン

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ケーブルカー側のコンコースの天井画は、紅白で統一された「宝来天井絵」。高野山で、しめ縄の代わりに用いられる縁起物の切り絵「宝来」をモチーフにしたもので、訪れる人々は、聖域に足を踏み入れたことを実感できます。

ケーブルカー側のコンコースの天井画「宝来天井絵」

写真:モノホシ ダン

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高野山ケーブルは、全長800m、高低差328mで、東京タワーとほぼ同じ高さを約5分で一気に登ります。

ケーブルカーの車両は、2両連結の車両2編成で、2019年3月1日からは、4代目の車両となるN11・N21とN12・N22で運行されています。

55年ぶりに新しくなった車両は、スイス製。朱色がベースで、先頭部分は流線形のデザイン。大型の窓ガラスを採用し、斜面を登り降りするような臨場感を味わえます。

ケーブルカー側のコンコースの天井画「宝来天井絵」

写真:モノホシ ダン

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ケーブルカーに乗車したら、車内の天井装飾にも注目です。2両連結の1号車のデザインは、宝来天井絵(写真)。2号車のデザインは、極楽鳥です。

いざ!4代目のケーブルカーに乗って天空の聖地・高野山へ

いざ!4代目のケーブルカーに乗って天空の聖地・高野山へ

写真:モノホシ ダン

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ケーブルカー楽しみのひとつは、途中での行き違い。ケーブルカーの行き違いでは、電車のようにポイントを切り換えて進路を構成している訳ではありません。

ケーブルカーの車輪は、左右で異なる形をしており、レールを挟んでいるフランジタイヤ(溝型車輪)が、山上まで1本でつながっている外側のレールに沿って進みます。

行き違うケーブルカーは、それぞれフランジタイヤの位置が逆になっているため、常に同じ方向に進路を取り、行き違いが可能になっているのです。

いざ!4代目のケーブルカーに乗って天空の聖地・高野山へ

写真:モノホシ ダン

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高野山ケーブルの勾配は、最急勾配562.8パーミル。これは、1000m水平に進んだ時の高低差をメートルで表したもので、鉄道の場合、パーミルという単位を使います。通常の鉄道は、25〜50パーミルまでなので、ケーブルカーの勾配がいかにきついかが分かりますね。

いざ!4代目のケーブルカーに乗って天空の聖地・高野山へ

写真:モノホシ ダン

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ケーブルカーの終点の、高野山駅は、標高867m。駅舎は、1928年(昭和3年)完成の木造2階建て。高野山の玄関駅らしく、頂上に宝珠を載せるなど寺院風の宝形造の屋根を持っています。

内部は、1階がコンコース、2階が待合室です。待合室には、高野線の歴代車両の写真などが飾られ、展望室もあります。 高野山駅舎は、国の登録有形文化財に登録され、「近畿の駅百選」にも選定されています。

駅前には、奥の院など高野町中心部へ向かう南海りんかんバスのバス停とタクシー乗り場があります。

なお、南海りんかんバスで高野山の観光を考えておられる方は、「1日フリー乗車券」が便利です。おとな840円、こども420円で、山内での飲食店や土産物屋で使える割引券などもついていてとてもお得。

“現在の参詣道”南海高野線を使って、聖地・高野山の旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。

<高野山駅の基本情報>
住所:和歌山県伊都郡高野町高野山国有林
アクセス:極楽橋駅から高野山ケーブルで約5分

極楽橋駅の基本情報

住所:和歌山県伊都郡高野町高野山国有林
電話番号:06-6643-1005(南海テレホンセンター 8:30〜18:30)
アクセス:なんば駅から特急こうや利用で約1時間20分、橋本駅から天空利用で約40分

2020年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2020/08/31 訪問

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