写真:権丈 俊宏
地図を見る令和の現代でも昭和レトロな趣が残る三朝(みささ)温泉。木屋旅館(きやりょかん)は、温泉街中心部に位置し、この地を代表する木造三階建ての名宿です。
2010年には、全館が国の登録有形文化財に登録。明治・大正・昭和の3つの館からなり、貴重な建築遺産が現代まで大切に残されています。
写真:権丈 俊宏
地図を見る館内は幾度の増改築を重ね、まるで迷路のような複雑な佇まいです。全体に木のぬくもりを大切にした造りですが、モダンなセンスも随所に融合。今を生きる現代人にも快適な空間を提供しています。
写真:権丈 俊宏
地図を見るまた、館内いたる所に置かれた調度品にも独自のセンスが! 日本の伝統工芸品だけでなく、和洋折衷の様々な品々が随所に配置。館内をめぐる際は、調度品にも気を配って観て下さいね。
写真:権丈 俊宏
地図を見る客室は全14室で、全てが文化財。明治〜大正〜昭和にかけて造られた客室は、同じものは2つとありません。ここでは、厳選して3室をご紹介します。
上写真の客室は「あやめ」。「サライ SHOTOR TRAVEL木造3階建ての宿」でも紹介され、円月窓がとりわけ印象的な6帖+次の間の和室です。窓からは、風情ある温泉街を臨めます。
写真:権丈 俊宏
地図を見る上写真の客室は「山吹」。網代天井(あじろてんじょう)や床の間の曲がり木が特徴の6帖+次の間の客室。三朝温泉の中心を流れる三徳川(みとくがわ)に面した風流な趣です。
※網代天井とは、植物を細く加工したものを用いて平面状に編み、建物の天井材に使用したもの。
写真:権丈 俊宏
地図を見る上写真の客室は「撫子」。3階角部屋の客室で、こちらも6帖+次の間の和室です。こちらも川側に面し、三徳川を見下ろすように臨めます。なお、木屋旅館で使われている畳は通常サイズよりも長く、どの部屋も6畳とは思えないほどゆったりとした贅沢な造りです。
他にも8畳や10畳和室、1室限定ですが和洋室もあります。客室指定も可能なので、好みや予算でセレクトしましょう。
写真:権丈 俊宏
地図を見る夕食は部屋食もしくは別個室で頂きます。メニューは、契約農家の野菜や日本海の幸を中心とした創作会席料理。丁寧に盛り付けられた品々は、見た目も楽しませてくれます。
※旬の食材を使うため、夕食メニューは季節ごとに変わります。
また木屋旅館の夕食のご飯類は、旬の雑炊です。白米を希望する方は、事前に宿へ申し出ましょう。
写真:権丈 俊宏
地図を見る全体的には油控えめで、あっさりした上品な味わい。どの料理からも、手の込んだ繊細さと愛情が伝わってきます。湯治文化を重んじる宿だけあり、体の中から健康になれる食事と言えるでしょう。大型旅館の豪勢な会席料理が苦手という方には、特におすすめです。
またアレルギー対応も可能。要望があれば、事前に宿に連絡をとって確認すると良いでしょう。
写真:権丈 俊宏
地図を見る朝食も部屋食で提供。こちらも旬の野菜や漬物などが中心の和食。米は契約農家のコシヒカリが使用され、三朝温泉の伏流水で炊きあげられたもの。ふっくらと甘みのある味わいの美味です。
写真:権丈 俊宏
地図を見る世界屈指の高濃度ラドンを含む三朝温泉。ラドンが出す微弱な放射線によって体が刺激され、免疫機能が上がるという研究結果も!(これをホルミシス効果と言います。)
木屋旅館では三つの浴室があります。その代表的な浴場が、上写真にある「楽泉の湯」。源泉の真上に造られた足元湧出温泉で、貸し切り湯として利用します。
体感的な特徴を簡単に言えば、ホルミシス効果により猛烈に体が温まり、疲労回復に効果がある泉質。強い効能の泉質なのであまり無理をせず、熱すぎると感じたら、備え付けのホースで水を足しましょう。
写真:権丈 俊宏
地図を見るもう一つの貸切湯が「薬師の湯」。足元湧出温泉ではありませんが、湯船側面の亀裂からも一部、地下から湧き出る温泉が染み出しています。泉質や効能は「楽泉の湯」と同様です。
なお、2つの貸切湯は24時間利用可。時間制限も無く、空いている時に好きなだけ入浴できます。
写真:権丈 俊宏
地図を見る木屋旅館では、男女別の大浴場もあります。貸切湯は自然湧出する温泉にできるだけ手を加えないため、基本的にかなり熱めの温度設定。大浴場では適温やや熱めに調整され、ゆっくり浸かるには、むしろ大浴場がおすすめです。(上写真は男性浴場)
また各浴室の脱衣場には基礎化粧品が設置。木屋旅館の温泉は保湿効果が高い泉質ですが、敏感肌の方は入浴後に保湿剤を塗ると良いでしょう。
写真:権丈 俊宏
地図を見る木屋旅館では、温泉に浸かるだけではありません。その一つが、ラジウムミストセラピー(ラドン熱気浴)と呼ばれる入浴法。簡単に言えば、ミストサウナみたいなイメージです。
ここでは密室の下に木屋旅館の源泉を流し、床のスノコの隙間からラドンを含む蒸気が発生。その蒸気を吸うことにより呼吸が楽になり、肌の保湿を高める効果があります。美肌を求める女子にもおすすめです!
※25分貸切制。利用は別途1100円(税別)必要。
写真:権丈 俊宏
地図を見る木屋旅館では、飲泉も推奨しています。体の中に直接温泉を取り込むため、より免疫力を高める効果があります。
※飲泉の目安は、1日500mlです。
写真:権丈 俊宏
地図を見るまた、ラジウムオンドルと呼ばれる岩盤浴もあります。温泉が自然湧出する真上に造られ、着衣のまま寝っ転がります。すると、じんわりと体がポカポカに! 温泉熱と微量の放射線により、腰痛・肩こり・冷え性に効果があります。
このように温泉に浸かるだけでなく、吸う・飲む・寝ることにより、より一層心身を癒せます。木屋旅館では入浴アドバイザーが配置されており、入浴方法など不明な点があれば、遠慮なく聞くと良いでしょう。
※これらの入浴方法は木屋旅館独自の湯治文化に基づくものであり、一般的な温泉では当てはまらない点もあります。
このように「木屋旅館」は、建築・客室・料理・温泉…すべてが揃った鳥取屈指の名宿です。しかし、それらの根底に根付くのは“湯治文化”。湯治とは、温泉に入浴して病気を治療すること。それは単に病気の人だけでなく、むしろストレスにまみれた現代人にこそ、必要と言えます。
木屋旅館では、伝統的な湯治文化を引き継ぎながらも、現代人に求められる利便性も融合。単に歴史を守るだけでなく、新しい湯治スタイルを提唱しています。心身をリフレッシュしたい方とって、まさに究極の癒し宿といえるでしょう。
2020年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/10/16更新)
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