国宝のフレスコ画教会と郷土菓子誕生の地!南伊・ガラティーナ

国宝のフレスコ画教会と郷土菓子誕生の地!南伊・ガラティーナ

更新日:2020/09/18 11:25

ケイコ ソリーノのプロフィール写真 ケイコ ソリーノ イタリア政府公認ツアーコンダクター、郷土料理教室主宰
イタリアの“かかと”にあたる南伊・プーリア州。南部サレント半島の中央に位置する町が「ガラティーナ」です。

イタリアの国宝に指定されたフレスコ画に包まれた教会、州を代表する郷土菓子が誕生した老舗菓子店、映画のセットのような町並みなど、小さい町ながら、見どころが充実した穴場の観光地。

州南部最大の都市レッチェから南へ約20キロ。ちょっと足をのばして、また別のプーリアをのぞいてみませんか?

情緒たっぷりの町並み

情緒たっぷりの町並み

写真:ケイコ ソリーノ

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「ガラティーナ」は、南イタリア・プーリア州の南部に位置する人口約27,000人の小さな町。

町の歴史は紀元前にさかのぼり、基盤は9〜10世紀に東ローマ帝国支配下で築かれました。この地が最も輝いたのは、14世紀オルスィーニ伯爵領の時代。領土拡大と城壁の設置、そして、後に国宝となる偉大な教会の建造など、ガラティーナが隆盛を極めた時期です。

2018年には米国誌フォーブスで「次の旅にふさわしいイタリアの町3選」のひとつに選ばれ、近年、国内外から注目を集める観光地に。

情緒たっぷりの町並み

写真:ケイコ ソリーノ

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町の見どころは小さな旧市街に点在。まずは、カメラ片手に情緒たっぷりの町並みを味わいましょう。

青空に映える白い家々、たまに顔をのぞかせるカラフルな邸宅、手入れが行き届いたバルコニー。見ているだけでつい笑顔になる可愛らしい風景は、まるで映画のセットのよう。気分のおもむくまま、細い路地をどんどん進みましょう。

情緒たっぷりの町並み

写真:ケイコ ソリーノ

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お屋敷が建ち並ぶ旧市街のメインストリートには、ひと際目を引く「時計塔」があります。

これは1861年のイタリア統一直後、当時の国王ヴィットリオ・エマヌエーレ2世に捧げられた忠誠のシンボル。現在、建物は観光案内所として利用されています。

フレスコ画に包まれた大聖堂

フレスコ画に包まれた大聖堂

写真:ケイコ ソリーノ

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旧市街の南東に佇む、この町最大の見どころが「サンタ・カテリーナ・ダレッサンドリア大聖堂」です。

ライモンデッロ・オルスィーニ・デル・バルツォの命により、8年の歳月をかけて1391年に完成。彼は十字軍遠征から無事に帰還したことに感謝して教会建立を計画。同時に、現地から持ち帰った聖カテリーナの聖遺物(指の一部)をまつることにしました。

この大聖堂は1870年に国宝に指定され、ロマネスクとゴシックの二様式が混在する中世イタリアの珍しい建築のひとつです。

フレスコ画に包まれた大聖堂

写真:ケイコ ソリーノ

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レッチェ石を使ったシンプルな外観とは打って変わって、内部はブルーを基調にした色鮮やかなフレスコ画が無限に広がります。

圧巻のフレスコ画で有名なイタリア中部・アッシジの聖フランチェスコ教会としばしば比べられる、その美しい姿。地元では、遠方からも参拝客を呼び寄せる“神秘の美”と賞賛されています。

内部は5つの細長い空間に分かれ、中央の身廊の奥行きはなんと50メートルにも。アーチ型の屋根や柱頭の装飾もフレスコ画と調和して一体の美を奏でています。

フレスコ画に包まれた大聖堂

写真:ケイコ ソリーノ

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聖堂内の隅々に描かれたフレスコ画は、ジョットの影響を受けた15世紀前半のもの。これらのフレスコ画はライモンデッロの死後、夫の意思を引き継いだマリア夫人の尽力の賜物です。

テーマは聖書のヨハネの黙示録、創世記、キリストの生涯、聖カテリーナの物語、マリアの生涯など。尚、聖堂内は写真撮影禁止のため、訪れる際はご注意を。

教会には回廊式の中庭が併設され、ここにも壁面にずらりと描かれたフレスコ画があります。こちらも忘れずに鑑賞しましょう。

<大聖堂の基本情報>
住所:Via Raimondello Orsini 6,73013,Galatina
電話番号:+39-0836-56-8494
営業時間:8時〜12時30分/17時〜20時30分
定休日:なし

サレント菓子発祥の店「アスカローネ」

サレント菓子発祥の店「アスカローネ」

写真:ケイコ ソリーノ

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次は、スイーツ好きが喜ぶ伝統の名店「アスカローネ」。サレント名物の郷土菓子「パスティッチョット」が誕生した場所です。

パスティッチョットは、カスタードクリームをクッキー生地で包んで焼いたお菓子。そのはじまりは、1745年に初代店主のニコラ・アスカローネがケーキ作りで余った材料を楕円形の型に入れて焼いたことから。

瞬く間にその美味しさが評判となり、今では州内だけでなくイタリア全土に広がったプーリア銘菓です。

サレント菓子発祥の店「アスカローネ」

写真:ケイコ ソリーノ

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歴史の重みを感じるアンティークな店内で販売されるのは、看板商品のパスティッチョット。毎日、千個単位で売り上げるほどの人気ぶり。

店の奥のキッチンからは、次々と焼きたてがオーブンから取り出され山積みに。店内には食欲をそそる甘い香りが漂います。

サレント菓子発祥の店「アスカローネ」

写真:ケイコ ソリーノ

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ケースに並べても、次から次へと売れていく人気商品。週末は予約しないと買うことができないので、事前に電話で予約を。

ローマ法王もサレント訪問の際に気に入った、アスカローネの伝統の逸品。散策で疲れたときにふらっと立ち寄ってエネルギー補充を。ちなみに、パスティッチョットは焼きたて熱々をいただくのが流儀です。

<アスカローネの基本情報>
住所:Via Vittorio Emanuele II 17,73013,Galatina
電話番号:+39-0836-56-6009
営業時間:9時〜13時/16時30分〜20時
定休日:月曜と日曜日の午後

まだある!町の見どころ

まだある!町の見どころ

提供元:Comune di Galatina

https://www.comune.galatina.le.it/地図を見る

フレスコ画に包まれた大聖堂のとなりに建つ邸宅が「パラッツォ・オルスィーニ」。領主であったオルスィーニ家が所有した館です。

ライモンデッロの意思を引き継ぎ、16世紀後半に貧しい人を救うための病院として建造。現在は町役場となり、1階入口には観光案内所があります。

<パラッツォ・オルスィーニの基本情報>
住所:Via Umberto I 40,73013,Galatina
電話番号:+39-0836-63-3111

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そして、見逃せないもうひとつの教会が、町の守護聖人である聖ピエトロと聖パオロに捧げられた「聖母教会」です。

17世紀前半にギリシャ正教の教会跡に建立。その後、18世紀半ばに地震で一部崩壊しましたが、同世紀後半に再建が完了。正面ファザードはバロック様式で、3つの扉口はレッチェ出身のバロック建築の巨匠ジュゼッペ・ズィンバロによる作品(1633年)です。

<聖母教会の基本情報>
住所:Piazza S.Pietro,73013,Galatina
電話番号:+39-0836-56-6552
営業時間:7時〜12時30分/17時〜20時
定休日:なし

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ガラティーナの旧市街は小さいので、ぐるっと一周するのがおすすめです。その際、注目すべきは、町を囲む城壁に設けられた出入り口の門。

16世紀には9つありましたが、現存するのは「ポルタ・ヌオヴァ」(北側・写真)、「ポルタ・ルーチェ」(西側)、「ポルタ・カップチーニ」(東側)と「ポルタ・ディ・サンタ・カテリーナ」(南側)の4つだけ。中世の時代に想いを馳せて町歩きを楽しんでください。

ガラティーナへの行き方

ガラティーナへは、電車スゥド・エスト(南東)線が便利です。

レッチェ駅からは乗換えなしで所要時間約50分、料金は2.2ユーロ。
ただし、日曜日は電車が運休になるためバスが代替運転しています。

ガラティーナ駅から旧市街へは徒歩10分、アリギエーリ広場が見えたら到着です。

2020年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2020/07/22 訪問

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