写真:Hiroko Oji
地図を見るイギリス西部に位置する世界遺産の町並みが美しい町「バース」。古代ローマ時代にローマ人が温泉施設を建設したことからイギリス唯一の温泉リゾート地として発展し、お風呂の「バス」・温泉の語源ともなっています。
バースの中心地は「アビー・チャーチ・ヤード」という石畳の広々とした広場。大道芸人があちらこちらでパフォーマンスを披露し観光客でにぎわう広場です。この広場に面して町の一番の見所ともいえる寺院「バース・アビー」と大浴場「ローマン・バス」が向かい合うように建っています。
写真:Hiroko Oji
地図を見る正面ファサードがまるで神殿のような造りの「ローマン・バス」は、紀元前1世紀ごろから温泉が湧きだしていたところに紀元65年にローマ人によって建てられた大浴場。イギリスで唯一天然温泉が出るところで、ローマ帝国の各地からたくさんの人々が訪れる古代の温泉保養地として人気を集めました。その後バースは一旦衰退し大浴場も地中に埋もれてしまったのですが、1880年に発掘され、現在みられる建物が建設されました。
写真:Hiroko Oji
地図を見る外観も素晴らしい装飾で飾られていますが、内装も素敵なエントランスの天井です。
写真:Hiroko Oji
地図を見るローマン・バスでメインとなるのが大浴場。当時は澄み切った水で満たされていましたが現在は緑の藻で覆われた薄緑色。その周りを列柱や上階の連続アーチがぐるりと取り囲み、優雅な眺めが広がります。
この大浴場は20世紀後半まで実際に温泉として利用されていましたが、ウイルスや病気等が問題になったため現在は入ることはもちろんのこと水に触れることはできません。
写真:Hiroko Oji
地図を見る上階のテラスには映画「テルマエ・ロマエ」さながらの石像がズラリ!カエサルなど歴代のローマ皇帝やブリタニア総督たちの石像が並ぶ様はなかなかのものです。
写真:Hiroko Oji
地図を見る現在でも天然温泉が湧き出ているのですが、残念ながら入浴はできません。スタッフが当時の服装で、当時の人々がここでどのように過ごしていたか再現して雰囲気を盛り上げてくれます。
またこの辺りではローマ人の服装のスタッフが歩いていることもあり、ローマ時代にタイムスリップしたかのような気持ちになれます。
写真:Hiroko Oji
地図を見る建物内の博物館には発掘時から今日までに見つかった出土品が所狭しと大量に展示されています。
先ずはミネルヴァ神殿へ。神殿のペディメントにはゴルゴーン(ギリシャ神話に出てくる醜女の怪物)のレリーフ。1727年に発見された金ぴかに光り輝くミネルヴァ(ギリシャ神話のアテナと同一視された知恵と工芸・戦いの女神)の胸像も見逃せません。さらに神殿を形成していたコリント式の柱と文字や動物などが彫り込まれた遺跡や装飾が施された発掘品などが並びます。
写真:Hiroko Oji
地図を見る床に残されているモザイクはヒッポカムポス。ギリシア神話に登場する半馬半魚の海馬で、ヒッポカンポスと言われることもあります。その他にも人骨や石棺、人々が思いを込めて聖泉に投げ入れたコインなど、数多く展示されています。
写真:Hiroko Oji
地図を見る博物館から大浴場へ移動する途中にブラドット王(※)の像が壁面から見下ろすキングス・スプリングがあります。ここでは微かな気泡の混じった温泉の源泉が湧き出している様子が見られます。
※架空の出来事を記した物語「ブリタニア列王史」の中で、最初に風呂を作ったブリトン王。紀元前836年に彼がこの泉を発見したと記述されています。
写真:Hiroko Oji
地図を見る屋内には温泉の熱を冷ます目的の円形プールがあり、通路から地下に埋もれていた遺跡の当時のセントラルヒーティングシステムが見られるスペースが広がっています。
写真:Hiroko Oji
地図を見るこちらはサウナやマッサージルームが備わっていたスペース。
当時サウナだった部屋では、薄く四角い石板が積み重なっていくつもの柱になっています。昔はこの上にサウナの床が張られていて地表面から熱が伝わって温められる仕組みでした。またマッサージルームでは古代人が登場する映像で当時の様子を再現。言葉がわからなくても小さなお子さんでも目で見て分かり楽しめます。
写真:Hiroko Oji
地図を見る温泉のお湯が流れ出て来るところも見ることができます。
地下に溜まった雨水が約46℃に温められてペニークイック断層を通じて一日に117万リットルの割合で地表に出てきます。お湯は現在でも出続け、水路を伝ってお湯が流れる様子が一目でわかるようになっています。
写真:Hiroko Oji
地図を見る隣接する建物は18世紀にブルジョアのリゾートとして栄えた温泉施設の一部。1706年に造られた社交場があり、現在「パンプ・ルーム」というレストランとなっています。
写真:Hiroko Oji
地図を見るこのレストランではピアノやバイオリンなどの生演奏と共に食事が楽しめ、14時30分からはフルセットのアフタヌーンティーも登場します。本場イギリスのアフタヌーンティーを味わえる絶好のチャンスです。
また、ここでは無料で「温泉を飲む」という体験もできます。
写真:Hiroko Oji
地図を見る通路の窓際にあるこのコーナーでは温泉のお湯が出ていますので、一度挑戦してみてください。塩や鉄の味がしてかなり苦い薬の様な味で、あまり美味しいとは言えないものですが。
住所:Abbey Church Yard, Bath BA1 1LZ
電話番号:+44-1225-477785
開館時間:
(3〜6・9・10月)の(月〜金)10:00〜18:00、(土・日)9:30〜18:00
(7・8月)9:00〜22:00
(11〜2月)9:30〜17:30
アクセス:鉄道駅のバース・スパ駅から徒歩10分
2020年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
この記事を書いたナビゲーター
Hiroko Oji
旅の計画を練り、現地でその土地ならではの経験を楽しみ、帰ってきたら写真の整理をして旅行記や記事を書くと、一つの旅で3〜4回楽しんでいます。アメリカで大自然の偉大さに圧倒され、人生観が大きく変わりました…
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