標高2000m前後の峰々で構成され、厳しくも美しい北海道の自然を物語っている「大雪山」。南北63km、東西59kmという広大なスケールを誇っており、その火山活動により、山麓には数々の温泉が湧き出ています。
有名どころは、黒岳へのロープウェイが運航している層雲峡温泉や、旭岳直下の旭岳温泉など。大雪山の火山群に近い場所に発達している温泉街です。
写真:土庄 雄平
地図を見るその一方、愛山渓温泉や天人峡温泉のように、大雪の山々から離れているものの、道の外れにポツンと佇む秘湯もいくつか点在しています。今回紹介する「幌加温泉 湯元鹿の谷」もその一つです。
アイスバブルで知られる糠平湖や、廃線跡のタウシュベツ橋梁がある上士幌町から、北海道で一番高い標高を誇る三国峠の間に、ポツンと佇んでいます。道しるべは、国道273号線沿いに出てくる一つの標識だけ。道中、こんなところに温泉なんてあるのだろうか?とさえ思ってしまう、秘境と言える場所にあります。
写真:土庄 雄平
地図を見る一見したところ、見た目は何の変哲もない外観の「湯元 鹿の谷」。しかしながら、実はここの温泉が激シブで、知る人ぞ知る名湯。わざわざここの温泉に入るためだけに北海道を訪れる人もいるほど!その理由は、三色の内湯と、極上の露天風呂です。
まず内湯なのですが、なんとこの幌加温泉!泉質の違う三種のお湯が湧いています。左から「ナトリューム泉」「鉄鉱泉」「カルシューム泉」とそれぞれ色が微妙に異なっており、それぞれのお湯の肌触りや温まり方を比較しながら、心ゆくまで温泉に浸かれます。
写真:土庄 雄平
地図を見る中でも分かりやすいのは、ナトリューム泉と鉄鉱泉の差。前者は、青灰色を呈し、ぬるめで長湯に適しているのに対して、後者は赤褐色で熱めとなっています。ぬくぬくのんびり入りたい人はナトリューム泉、少し刺激が欲しい方は鉄鉱泉がオススメです。
写真:土庄 雄平
地図を見るなお、この内湯ですが辺りを自然に囲まれ、窓がいくつも設けられているため、お湯につかると緑が湯面に映り込みます。この点も秘湯らしい情趣を感じるポイント!
広々とした浴槽で、ポカポカ温まりながら、美しい色彩に癒される。素朴なのですが、まさに最高の休日の過ごし方ではないのでしょうか?
写真:土庄 雄平
地図を見る続いて「幌加温泉 湯元鹿の谷」のもう一つの魅力が、極上の露天風呂。裸のまま扉を出て、お風呂の奥へと歩いていくと、谷に囲まれた浴槽が現れます!なんとも開放感抜群なのですが、周囲には他に宿はなく、ただただあるのは自然。秘湯の一軒宿だからこそ味わえる野趣あふれる温泉です。
写真:土庄 雄平
地図を見るそんな露天風呂は"硫黄泉"。つまり内湯と合わせれば、なんと4種の泉質を楽しむことができます。ここまで幅広く泉質が揃う、源泉かけ流しの温泉はかなりレアでしょう!
こんこんと溢れんばかりに湧いてくるお湯は本当に気持ちよく、まさに極楽のひととき。時折吹く谷風も、火照った身体を適度に冷ましてくれます。
写真:土庄 雄平
地図を見るなおそんな露天風呂ですが、実は高確率でエゾシカに会える点も隠れたポイント!よくよく振り返れば「湯元 鹿の谷」という宿名にも、表れています(笑)。谷の草を一心不乱に食べるエゾシカを眺めながら、お湯に入るという経験は中々できないのでは?
写真:土庄 雄平
地図を見る大雪山という北海道屈指の火山が作り上げた4つのお湯を楽しめる「幌加温泉 湯元鹿の谷」。小綺麗さはないものの、泉質の素晴らしさと満足度においては、肩を並べる温泉は中々ありません。
しかしながら基本的に混浴で、女性用には一つ専用の内風呂があるのみ。なので、混浴が気になるという人は、ぜひ宿泊をしてみてください。日帰りの方が利用できない早朝や夜20時以降であれば、周りの目をあまり気にすることなく、お湯を全て満喫することができますよ。
住所:北海道河東郡上士幌町字幌加
電話番号:01564-4-2163
入湯料:500円
日帰り入浴時間:8時〜20時
宿泊料金:冬季:5000円、夏季:3500円(素泊まり)
アクセス:帯広市街から車で約1時間40分
※備考
脱衣所は男女別、浴室は基本混浴。一つだけ女性専用の露天風呂あり。
2020年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/12/4更新)
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