今回紹介する「天人峡」が位置するのは、大雪山旭岳の南山麓。美瑛の町から、道道213号(旭川旭岳温泉線)を進み、その終点に当たる場所です。途中には、雄大な大雪の山々を見渡せる忠別ダムを経由し、観光や登山基地である旭岳ロープウェイへと向かう道道1160号線との分岐を通ります。
北海道らしいひたすらに自然と向き合うストレートな道が続き、純粋にドライブを楽しむことができるはず!
写真:土庄 雄平
地図を見るそして最後の区間、2つのトンネルを越えたら、「天人峡」へ辿り着きますが、車を降りると、トンネルの前とは全く景観が異なっていることに気づくでしょう。見上げれば、渓谷を覆うような迫力のある柱状節理!まるで仙人でも住んでいるかのような、荘厳な世界観を見せてくれます。
写真:土庄 雄平
地図を見る実はこの「天人峡」には天然の温泉が湧き、かつて「天人峡温泉」として多くの人に親しまれました。しかしながら、立地と時代の流れで相次いでホテルが廃業。今は一軒のお宿がほそぼそと営業しています。この「天人峡」にある建物の多くは、かつての時代の名残で、ほとんどが廃墟。
しかしながら、その朽ちてしまった繁栄の歴史が、周囲の荒々しく美しい自然と溶け込み、共存している点も見逃せません。
写真:土庄 雄平
地図を見るさて今回、天人峡とともに取り上げる「羽衣の滝」は、この廃墟の間を通り、忠別川を少し上流へ向かったところにあります。具体的には、駐車場から徒歩約5分、天人閣の裏手にハイキングコースの入り口が設けられており、そこから整備された遊歩道を歩いて約15分で到着です。
写真:土庄 雄平
地図を見る途中、美しい緑に囲まれながら、清流のせせらぎを感じながら歩いていきます。近くに人工物はなく、ただただ広がる自然。また忠別川も深い紺碧色。ここまで来ると、さすがは大雪山麓の秘境といった様相です。
ヒグマが出る心配はほとんどないものの、ハイキングのお客さんが少ない時には、手を叩いたり、時折声を出して進んで行きましょう!
写真:土庄 雄平
地図を見るハイキング開始から徒歩15分程で、少し開けた場所へ出てきます。一度川の支流を渡りますが、綺麗にスロープが整備されているので安心です。そして、そのスロープを渡りきったころに、突如優美に流れ落ちる滝が現れます。
写真:土庄 雄平
地図を見る周囲の溢れるような緑の間を、まるで絹の糸のように繊細で滑らかな、白い水流が数段にわたって流れ落ちます。落差270mとかなり大規模でありながら、滝が奏でる音は優しく、包容力さえ感じさせる佇まいは、なるほど「羽衣の滝」という名称がぴったりです。
写真:土庄 雄平
地図を見るなおこの滝は近くに立ち寄ることが難しいため、可能なら双眼鏡やカメラの望遠レンズを持参すると良いでしょう。柱状節理の渓谷から、コンコンと零れる水流はずっと眺めていても飽きないほど、本当に美しいです。
また夏の緑以外にも、秋の紅葉も素晴らしいことで知られ、一年どこで訪れても違った景観を楽しむことができます。まさに日本の四季の始まりを告げる大雪山を象徴するにふさわしい景勝地と言えるでしょう。
写真:土庄 雄平
地図を見るなお最後に「羽衣の滝&天人峡ハイキング」の+αの楽しみ方をご紹介!実は、この天人峡の駐車場には、無料の足湯が設けられています。薄い赤褐色でポカポカのお湯が特徴的で、忠別川のせせらぎを感じながら、癒しの時間に耽ることが可能です。
ぜひハイキングで軽く体を動かした後、次の目的地に移動する前に立ち寄ってみて下さいね。
写真:土庄 雄平
地図を見る数々の峰を有し、ロープウェイを経由して登頂できる旭岳や黒岳をはじめとして、北海道の登山のメッカである「大雪山系」ですが、実はその山頂部だけでなく、山麓部にも数々のハイキングスポットがあるのも隠れた魅力。登山は体力的に厳しいという人でも、軽い散策程度であれば気軽に、北海道ならではの大自然や造形美の中に、どっぷりと浸かることができます。
北海道有数の観光地である富良野や美瑛とも近い距離にあるので、ぜひまとめて旅程を組んでみてはいかがでしょうか?
住所:北海道上川郡東川町松山温泉
アクセス:美瑛市街・旭川空港から天人峡駐車場まで車で40分、駐車場から羽衣の滝まで徒歩往復40分
2020年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/3/19更新)
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