チュニジアの首都「チュニス」魅力溢れる歴史ある古都

チュニジアの首都「チュニス」魅力溢れる歴史ある古都

更新日:2020/10/03 17:49

大竹 進のプロフィール写真 大竹 進 元旅行会社勤務、元旅行専門学校講師
アラビア語で日が没する地という意味のマグレブ、その北アフリカ諸国の一角を占めるチュニジアの首都チュニス。紀元前9世紀頃にフェニキア人が建設した古い歴史を持ち、ローマ帝国を苦しめたカルタゴの英雄ハンニバルでも有名です。その後ローマ、ビザンチン、アラブ、トルコ、そして近代ではフランスが統治し、様々な王朝や民族の興亡が繰り広げられました。
今回はその様な魅力に溢れた町チュニスについてご紹介します。

カスバ広場とメディナ(旧市街)のモスク

カスバ広場とメディナ(旧市街)のモスク

写真:大竹 進

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沢山のチュニジア国旗がはためくチュニスのカスバ広場。カスバとは砦という意味で、アラブの国々の古都には多く見られます。広場周辺は首相官邸や国防省などの主要な建物が集まる官庁街ですが、チュニジアではこれらの政府の建物や警察官などは撮影禁止ですからご注意下さい。

カスバ広場はメディナの西側の出入口にあり、ここからメディナへと入って行きます。

カスバ広場とメディナ(旧市街)のモスク

写真:大竹 進

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チュニスのメディナは世界遺産に登録されていて、カスバ広場からメディナ内に入ると直ぐにシディ・ユセフ・モスクが現れます。トルコスタイルのミナレット(尖塔)が印象的なモスクです。

カスバ広場とメディナ(旧市街)のモスク

写真:大竹 進

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メディナの中を進んで行くと、その中心部にグランド・モスクがあります。7世紀末に建設が始まり、9世紀半ばに完成したチュニジアで2番目に古いモスクで、5000平方メートルもの広さを持つ堂々たるモスクです。別名オリーブのモスクとも呼ばれていますが、これはこのモスクがオリーブがあった古代の礼拝所に建てられたためとも言われています。

中央のホールに使用されている184本の柱の殆どはカルタゴの遺跡から流用されたものですが、残念ながらモスク内にはイスラム教徒しか入る事は出来ません。

メディナのスーク(市場)

メディナのスーク(市場)

写真:大竹 進

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メディナ内には貴金属、伝統的なフェルト帽、香辛料などそれぞれの商品ごとに店が並ぶスークがあり、眺め歩いているだけでも楽しいものです。写真は絨毯の店ですが、お土産に手頃な物も売られています。

グランド・モスクの周囲は聖域とされ、特別に定められた物しか販売出来ませんでしたが、高貴な物とされていた香水を扱うスークがあり、現在でも香水店が軒を並べています。

メディナのスーク(市場)

写真:大竹 進

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陶器を扱うスークにはチュニジアやモロッコで良く使われているタジン鍋も売られています。カラフルな容器はインテリアにも良さそうですね。

メディナのスーク(市場)

写真:大竹 進

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服飾を扱うスークには民族衣装等の他、イスラム女性には欠かせないスカーフの店もあり、様々なスカーフを被ったマネキンが並んでいます。スカ―フの巻き方の参考にもなりそうですね。

アラブ風レストラン、ダール・エッサラヤ

アラブ風レストラン、ダール・エッサラヤ

写真:大竹 進

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折角チュニスを訪れたのであれば、食事もアラブの香りが溢れたレストランで楽しんでみたいですね。そんな方にお薦めなのが、メディナにある豪華な邸宅を改装したレストラン、ダール・エッサラヤです。

メディナの小道を入った所にあるレストランの入口は風格のあるドアですが、目立つ看板などは無く、知らないと通り過ぎてしまいそうです。しかし一歩中に入ると、思わず「ワーッ」と声を上げてしまいそうになる、豪華な部屋に驚かされます。

アラブ風レストラン、ダール・エッサラヤ

写真:大竹 進

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アラベスク模様のタイルと化粧漆喰の透かし彫りが美しい店内は、将にアラビアンナイトの世界に踏み込んだ様な雰囲気に溢れています。また個室も用意されていますから、小人数だけで落ち着いて会食するのも可能です。

アラブ風レストラン、ダール・エッサラヤ

写真:大竹 進

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アラブの香り漂う店内では民族楽器ウードの調べが流れ、より一層雰囲気を盛り上げてくれます。

<ダール・エッサラヤの基本情報>
電話番号:+216-71-560-310
営業時間:11:30〜23:00
休業日:日曜日

フランス門とハビブ・ブルギバ通り

フランス門とハビブ・ブルギバ通り

写真:大竹 進

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メディナを抜けて東側のビクトワール広場に出ると、そこにはバブ・ブハル(海の門)と言われる門がありますが、一般的にはフランス門と呼ばれています。

かつてはこの両側に城壁があり、メディナを取り囲んでいました。メディナ内がアラブ人地区、門の向こう側がフランス人地区で、全く異なった様相を呈しており、通りもフランス通りと名付けられています。

フランス門とハビブ・ブルギバ通り

写真:大竹 進

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フランス通りを暫く進むと独立広場に出ます。広場の北側にはフランス統治時代の19世紀末に建造されたチュニス大聖堂が聳え、広場の中央には14世紀にチュニジアが生んだ偉大な歴史家であり哲学者であるイブン・ハルドゥーンの像が置かれています。

この広場からフランス通りは初代大統領の名前をとったハビブ・ブルギバ通りになりますが、新市街を東西に走る道幅が50m近いこの通りは、中央に広い遊歩道を備え両側に街路樹と車道が並ぶチュニスのメインストリートです。

フランス門とハビブ・ブルギバ通り

写真:大竹 進

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チュニス大聖堂の斜め向かいには市民劇場があります。この劇場はアールヌーボー様式で建てられ、正面のファサードには詩とドラマのミューズに囲まれたアポロの浮彫があります。

通りを更に東へ向かうと時計塔がある1月14日広場に出ますが、これはジャスミン革命でベンアリ大統領が亡命した日に因んで名付けられたものです。

バルドー博物館

バルドー博物館

写真:大竹 進

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チュニスにある世界最大規模のモザイクコレクションを誇るのがバルドー博物館です。博物館の建物の一部はオスマン帝国時代にチュニジアを統治していたベイ(地方長官)の宮殿で、展示室はイスラムの化粧漆喰や天井装飾が残され、当時の名残を垣間見る事が出来ます。

バルドー博物館

写真:大竹 進

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このモザイクは「ネプチューンの勝利」と名付けられたもので、ローマ神話の海洋神であるネプチューンが、4頭の一見馬に見えるものの身体の後半はイルカの様な架空の動物に引かせた戦車に乗っている、躍動感溢れる勇壮なシーンが鮮やかに描かれています。

この様なモザイクは大浴場などの公共建築物や大邸宅の床などに描かれていたものですが、何れも細やかなグラデーションをつけた質の高いモザイクで見応えがあります。

バルドー博物館

写真:大竹 進

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モザイクのテーマはギリシャ・ローマ神話、或いは狩猟・漁労風景などが多く見られますが、ボクシングでパンチを受け血を流す人や、侍女の持つ鏡を見て髪を整える女性など、普段の生活風景を描いたものなど多岐にわたっています。

<バルドー博物館の基本情報>
営業時間:(5/1〜9/15)9:00〜17:00、(9/16〜4/30)9:30〜16:30
休業日:月曜日
入場料:13チュニジア・ディナール(約500円)

北アフリカを代表する大都市チュニス

チュニスはエジプトのカイロやモロッコのカサブランカに次ぐ北アフリカの大都市ですが、カルタゴやローマ、ビザンチン時代は郊外にあるカルタゴ地区が北アフリカの中心地でした。7世紀以降イスラムの時代に入ると、メディナにモスクが建設されたためこちらが中心地になり、フランス統治時代に新市街が建設され更に拡大し、現在も尚年々広がっています。

アラブの濃密な世界が楽しめるメディナの迷路の様な小道、フランスの香りが漂う新市街、そしてチュニジアのルーブルと言われ、世界最大規模のモザイクコレクションが楽しめるバルドー博物館、これらの様々な魅力溢れる町チュニスにあなたも訪れてみませんか。

2020年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2020/03/05−2020/03/06 訪問

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