写真:乾口 達司
地図を見る「大阪府立近つ飛鳥博物館(おおさかふりつちかつあすかはくぶつかん)」は、大阪府南河内郡河南町にある考古学系の博物館。1994年(平成6)のオープン以来、考古学や古代史に関心を持つ観覧者がたくさん訪れています。
第26回日本芸術大賞を受賞した近つ飛鳥博物館の設計者は、建築家の安藤忠雄。ご覧のように、建物の上部には、コンクリートでかためられた階段が全面に敷かれており、その頂点には「黄泉の塔」と呼ばれる建造物が、空に向かって屹立しています。
写真:乾口 達司
地図を見るご覧のように、ゲートに向かう細い通路の両脇には高いコンクリートの壁が立てられており、一種独特の雰囲気をかもしだしています。地面を踏みしめる足音が両壁に反響し、不思議な音が聞こえてくるのも、お聞き逃しなく。
ちなみに「近つ飛鳥」という名称は『古事記』のなかの記述に由来します。『古事記』によると、墨江中王の乱の折、後に反正天皇となる水歯別命がみずからの移動径路にもとづいて現在の南河内一帯を「近つ飛鳥」、奈良県明日香村の地を「遠つ飛鳥」と呼んでいますが、当館の位置する河南町はまさしくその「近つ飛鳥」の真只中。その名称からも、当館が古墳時代と深い関わりを持つ博物館であることがおわかりいただけるでしょう。
写真:乾口 達司
地図を見る館内に足を踏み入れると、まず目をひくのが、中央部に設置された写真の巨大模型。これは、日本最大の前方後円墳として知られる大阪府堺市の仁徳天皇陵古墳(大仙陵古墳/大山古墳)を築造当時の姿に再現したものです。
模型のスケールは、実物の150分の1。かなり縮小されて作られているとはいえ、その大きさは模型の向こう側に見えている椅子がとても小さく見えるほど!その圧倒的な迫力をご堪能ください。
写真:乾口 達司
地図を見る写真はその仁徳天皇陵古墳を接写した一枚ですが、築造当時の仁徳天皇陵古墳が墳丘の表面に無数の葺石を敷き詰め、土砂の流出を防いでいたことがわかります。さらに、3段に構築された墳丘には、各段をぐるりととりかこむように、やはり無数の円筒埴輪が並べられています。
現在の仁徳天皇陵古墳には樹木がうっそうと生い茂り、墳丘の状態を直接的に確認することができないだけに、築造当初の古墳本来の形状を学ぶのにも貴重な模型です。
写真:乾口 達司
地図を見る仁徳天皇陵古墳の周囲には、被葬者の近親者や臣下、あるいは副葬品の数々を埋葬した数多くの「陪冢(ばいちょう)」や周濠でかこまれた首長の館、古墳の築造にかかわった人々や彼らの暮らす住居まで忠実に再現されており、その精密な造型によって、当時の巨大古墳の築造がどのようなプロジェクトとしてあったかがしのばれます。
なかには、写真のように、築造最中の古墳やその築造にたずさわっている人たちもいます。古代にタイムスリップしたかのようだと思いませんか?
写真:乾口 達司
地図を見る館内には、古墳の石室内を再現した区画もあります。実はこれ、誰もがよく知る、あの聖徳太子(厩戸皇子)のお墓の内部を再現した大型模型なのです。
写真:乾口 達司
地図を見る聖徳太子の陵墓「磯長墓」があるのは、近つ飛鳥博物館の近くにある叡福寺の境内。考古学上は「叡福寺北古墳」と呼ばれている巨大な円墳がそれに当たります。
切石加工がほどこされた石室内には3つの棺が安置されており、画面の左手に当たる石室の奥側には、聖徳太子の母・穴穂部間人皇女(あなほべのはしひとのひめみこ)、右手に太子自身と妃の膳部菩岐々美郎女(かしわでのほききみのいらつめ)のご遺体をおさめた棺がそれぞれ安置されているとされます。
石室内への立ち入りは、現在、禁止されているため、叡福寺を訪れても、石室の内部まではうかがうことができません。石室内がどのような状態であるかを知るのにも、館内に設置された再現模型はきわめて貴重であるといえるでしょう。
写真:乾口 達司
地図を見る館内をめぐると、写真の巨大な「修羅(しゅら)」もお目にかかれます。修羅とは、巨石や石棺などを運搬するために使われたソリのこと。こちらの修羅は近つ飛鳥博物館の近隣にある藤井寺市・三ツ塚古墳の周濠から発見されたもので、全長は8メートル以上あります。
写真:乾口 達司
地図を見る古墳から出土した石棺も多数陳列されています。手前から割竹形石棺、長持形石棺、刳り抜き式家形石棺などとなっており、一口に石棺といっても、その形状が異なっていることにお気づきになるでしょう。使われている石材の産地も讃岐・播磨・阿蘇とそれぞれ別。石棺一つを例にあげても、当時の地域間の交流の広がりがうかがえますね。
写真:乾口 達司
地図を見る近つ飛鳥博物館は、大阪府三大群集墳の一つ「一須賀古墳群」に隣接する地にあります。そのため、館内には、一須賀古墳群から出土した遺物も多数展示されています。たとえば、こちらは一須賀古墳群のうちの一つの古墳の石室内を再現したもの。ガラス張りの床の上は歩けるため、真上から発掘当時の石室内部の様子をうかがうことができますよ。
写真:乾口 達司
地図を見る館内の無料スペースには、ご覧のように、見上げるほど巨大な石塔も安置されています。これは太子町にある鹿谷寺跡十三重石塔を復元したもの。鹿谷寺は二上山のふもとにある我が国屈指の石窟寺院跡。現在は風化のいちじるしい十三重石塔などがわずかに残る程度ですが、こちらではその造営当時の姿をご覧いただけます。
大阪府立近つ飛鳥博物館がいかに重要な博物館であるか、おわかりいただけたでしょうか。近つ飛鳥飛鳥博物館で古代の息吹を実感してみてください。
住所:大阪府南河内郡河南町大字東山299番地
電話番号:0721-93-8321
開館時間:午前10時から午後5時
休館日:毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日が休館)/年末年始(12/28〜1/4)/その他、臨時休館日あり
入館料:大人310円/高校生・大学生・65歳以上:210円/中学生以下・障がい者手帳をお持ちの方(介助の方1名を含む)無料(特別展・企画展の開催中は入館料が異なる)
アクセス:近鉄長野線「喜志」駅より路線バス阪南線「近つ飛鳥博物館前」バス停よりすぐ
2025年7月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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