北海道の尾瀬!燃える草紅葉「雨竜沼湿原」で天空トレッキング

北海道の尾瀬!燃える草紅葉「雨竜沼湿原」で天空トレッキング

更新日:2020/09/25 12:55

Mayumi Kawaiのプロフィール写真 Mayumi Kawai 絶景ハンター、トラベルライター、自称ミステリーハンター
北海道の北空知地方、札幌と旭川の間に位置する雨竜町に日本でも有数の山岳型高層湿原があるのをご存知ですか?群馬の尾瀬同様、6月には水芭蕉が、夏から秋にかけてはエゾカンゾウ、サワギキョウ、エゾリンドウなど多くの高山植物で登山客を楽しませてくれます。

特に雨竜沼湿原の秋の燃える草紅葉は神秘的で圧巻!標高850mで楽しむ天空の絶景トレッキングについてご紹介します。

北海道の尾瀬!日本有数の高層湿原「雨竜沼湿原」とは

北海道の尾瀬!日本有数の高層湿原「雨竜沼湿原」とは

写真:Mayumi Kawai

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北海道の北空知(そらち)地方、雨竜町南部に位置する雨竜沼(うりゅうぬま)湿原は、南暑寒岳(みなみしょかんだけ、標高1,296m)と暑寒別岳(しょかんべつだけ、標高1,492m)の中腹に当たる標高850m、東西4km・南北2kmの溶岩台地に広がる日本屈指の山岳型高層湿原です。

湿原内には大小約850もの池塘(湿原の泥炭層にできる池沼)が点在し、雪解けを迎える6月からはミズバショウが、夏から秋にかけてはエゾカンゾウやワタスゲ、固有種のウリュウコウホネ、サワギキョウやエゾリンドウなど200種類以上もの高山植物が咲き誇り登山客を楽しませてくれます。この光景から別名「北海道の尾瀬」とも呼ばれています。

北海道の尾瀬!日本有数の高層湿原「雨竜沼湿原」とは

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学術的に貴重な湿原植生を有する雨竜沼湿原は、1964年に北海道の天然記念物として、1990年には暑寒別天売焼尻(しょかんべつてうりやぎしり)国定公園に指定され、さらに2004年には北海道遺産に選定、2005年11月にラムサール条約登録湿地として登録されました。

雨竜沼湿原のシーズンは6月中旬から10月上旬で、シーズン中は道内外から多くの登山客で賑わいます。とはいえ、本家“尾瀬”に比べれば全国的な知名度はそれほど。そのため、密過ぎず比較的ゆったりと湿原散策を楽しめます。

北海道の尾瀬!日本有数の高層湿原「雨竜沼湿原」とは

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特筆すべきは、秋の燃えるような草紅葉の湿原。青空を落としたような池塘の姿とオレンジの草紅葉のコントラストは実に神秘的。その美しさは、かつて大手新聞社主催の専門家らが格付けする草紅葉が美しい名所ランキングにも選ばれたほど。標高850mの天空の絶景トレッキングが楽しめます。

湿原テラスから眺望を楽しもう

湿原テラスから眺望を楽しもう

写真:Mayumi Kawai

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雨竜沼湿原では湿原入口から1周約3.5kmの木道が整備され、その途中に2ヶ所湿原テラスが設置されています。ちなみに、湿原内には休憩ポイントがないため、ランチなどはここで済ませましょう。

湿原テラスから眺望を楽しもう

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さらに、湿原内から続く南暑寒岳への登山道の途中には、分岐から500mほど進んだところに湿原を一望できる展望台が設置されています。

湿原テラスから眺望を楽しもう

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展望台から眺める雨竜沼湿原もまた圧巻です。大小の池塘と草紅葉に埋め尽くされる湿原、それを囲む緑と秋の空のコントラストはまさに絵画的な美しさです。

登山途中の見どころポイント

登山途中の見どころポイント

写真:Mayumi Kawai

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雨竜沼湿原登山入口から湿原入口まではおよそ3.5km。湿原までには紅葉に染まる森林や沢、高山植物も楽しめますが、ここでは主な鑑賞ポイントをご紹介します。

登山口からも見えるデビルスタワーのような台形状の岩峰は標高853mの丸山。あのてっぺんがちょうど雨竜沼湿原の標高とほぼ同じ高さとなります。

登山途中の見どころポイント

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途中、渓谷には2つの吊橋が架かっています。吊橋からの紅葉の眺めも素晴らしいですが、鋼鉄の頑丈な橋とはいえ透け透けの足元からのぞく渓流はなかなかスリリング。高所恐怖症の方は心してください。

登山途中の見どころポイント

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登山口から約1.3kmの地点にあるのは高さ約25m、幅約5mの白竜の滝。その豊富な水量で迫力のある美しい滝です。滝は上からの眺めと滝壺からも鑑賞可能ですが、滝壺近くへ降りる際には急斜面をロープで降りる箇所があるため、足元には十分お気をつけください。

登山の際の注意点

登山の際の注意点

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登山の際には入山届を提出する必要があります。登山口の雨竜沼湿原ゲートパークに隣接した管理棟の営業時間(9時から16時半)内では管理人に直接提出しましょう。もし、営業時間外に入山あるいは管理人が不在の場合は、管理棟前に設置された管理人不在時入山届出所にて入山届を提出する必要があります。忘れないようにしましょう。

登山の際の注意点

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登山に際し、環境美化や登山道など施設整備の目的で「環境美化整備協力金」一人500円が求められています。管理人不在の際は、下山時に忘れずに支払いましょう。協力金を支払うと雨竜町の各施設で使用できる割引クーポンなどがいただけます。

登山の際の注意点

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雨竜沼湿原ゲートパークでは令和元年(2019年)から宿泊施設(南暑寒荘・キャンプ場)の利用料が無料となっています(予約不要)。利用の際は、管理棟にて受付を済ませます。なお、山小屋の南暑寒荘は水洗トイレやシャワー等給湯設備が完備されていますが、寝具やキッチンはありません。寝袋や防寒具、食料は要持参です。隣接のキャンプ場も同様となっています。

湿原トレッキングを楽しんだ後は道の駅でご当地グルメ

湿原トレッキングを楽しんだ後は道の駅でご当地グルメ

写真:Mayumi Kawai

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雨竜沼湿原ゲートパークから雨竜町に戻る途中に「道の駅田園の里うりゅう」があります。雨竜町の特産やご当地グルメ、資料館やギャラリーなど魅力が詰まった道の駅です。ぜひ一度お立ち寄りください。

<道の駅田園の里うりゅうの基本情報>
住所:北海道雨竜郡雨竜町字満寿28番地3
電話番号:0125-79-2100
営業時間:9:00〜17:00(3〜9月)、9:00〜18:00(5月のGW、7月1日〜9月30日)、10:00〜16:00(11月〜2月)

湿原トレッキングを楽しんだ後は道の駅でご当地グルメ

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雨竜町はお米の産地。雨竜米を使ったご当地グルメの中でも一番人気はお米の食感を残した「雨竜米アイス」。また雨竜米と揚げかまぼこを絶妙に組み合わせた「雨竜米揚げ」も人気です。また、地産地消をコンセプトに地元の採れたて野菜や食材にこだわった「ほッと一息レストラン 穂」の「雨竜沼石焼カレー」は絶品ですよ。

北海道の観光スポットとしては馴染みの薄い雨竜沼湿原ですが、だからこそ人混み避けて訪れる価値のある素晴らしい絶景スポットです。ぜひ今度、「北海道の尾瀬」の異名を持つ雨竜沼湿原を訪れてみませんか。

雨竜沼湿原の基本情報

住所:北海道雨竜郡雨竜町338-2
電話番号:0125-77-2673(雨竜町観光協会)
アクセス:旭川市内から車で約1時間40分、滝川市内から車で約1時間、雨竜町市内からは車で約50分。公共交通機関なし。雨竜沼湿原ゲートパークの駐車場までは道幅が狭く未舗装の砂利道で凹凸が激しいため、大型車や車高の低い車の乗り入れは要注意
※台風や大雨が続いた翌日は通行止め規制も発生するため、道路規制など詳しくは「関連MEMO」にある雨竜町公式サイトをご確認ください。

2020年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2019/10/06 訪問

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