12月中旬に最盛期!?三重・四日市「水沢もみじ谷」で晩秋に耽る

12月中旬に最盛期!?三重・四日市「水沢もみじ谷」で晩秋に耽る

更新日:2020/09/28 13:35

土庄 雄平のプロフィール写真 土庄 雄平 山岳自転車旅ライター・フォトグラファー
日本で一番遅い紅葉としては、12月上旬に最盛期を迎える「静岡県熱海梅園」が有名ですが、実は他にもそれと並ぶ、もしくはその名前を譲り受けても良いのではないか?という紅葉スポットが幾つか存在しています。今回紹介する三重県「水沢もみじ谷」もその一つ。12月上旬から中旬にかけて、モミジが谷底を染め上げ、深紅のトンネルを作る絶景は圧巻!晩秋の色彩へ癒されに、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか?

三重県の鈴鹿山脈 その東山麓に佇む密かな景勝地

三重県の鈴鹿山脈 その東山麓に佇む密かな景勝地

写真:土庄 雄平

滋賀県と三重県の県境に当たり、標高1000m前後という手頃な高さながら、南北に55kmという長大な山脈を形成している鈴鹿山地。各山々から湧水が流れ、石灰岩や花崗岩の岩盤、苔むした森など、バリエーションに富んだ豊かな自然から、数多くの景勝地が山麓に点在しています。

三重県の鈴鹿山脈 その東山麓に佇む密かな景勝地

写真:土庄 雄平

地図を見る

今回紹介する「水沢もみじ谷」もその一つ。鈴鹿の雲母峰・水沢岳・鎌ヶ岳・入道ヶ岳の四つの峰に囲われた宮妻峡(内部川上流)の愛称で、紅葉の名所としてマニアの間で密かに有名です。

歴史的にも有名?秋色の空間に心洗われる「水沢もみじ谷」

歴史的にも有名?秋色の空間に心洗われる「水沢もみじ谷」

写真:土庄 雄平

地図を見る

鈴鹿の主峰・御在所岳から少し南下した四日市水沢地区。そこから宮妻峡ヒュッテへ向かう道の入り口に、今回紹介する「水沢もみじ谷」は位置しています。小さな紅葉スポットなのですが、その一角だけ鮮烈な紅葉を見せてくれるため、すぐどこか分かるでしょう。

歴史的にも有名?秋色の空間に心洗われる「水沢もみじ谷」

写真:土庄 雄平

地図を見る

付近の無料駐車場に車を停めて、谷底へ至る階段を下れば、そこには紅葉に包まれた美しい広場が!頭上にはモミジの天井、下には落ち葉の絨毯。まるで秋色の家へ足を踏み入れたような、そんな唯一無二の空間になっています。

歴史的にも有名?秋色の空間に心洗われる「水沢もみじ谷」

写真:土庄 雄平

地図を見る

実は、この「もみじ谷」、かつて江戸時代に伊勢国菰野藩主だった土方義苗が、もみじ以外の木々を伐採し、もみじだけを育ててきた景勝地。だからこそ、今でもここまで密度の高い紅葉を観賞することができるのです。

「水沢もみじ谷」の紅葉が"12月に最盛期を迎える訳"

「水沢もみじ谷」の紅葉が"12月に最盛期を迎える訳"

写真:土庄 雄平

地図を見る

さてこの「水沢もみじ谷」ですが、紅葉のピークがかなり遅いことで知られています。例年、11月末から色づきが始まり、12月上旬に最盛期。場合によっては12月中旬に最盛期を迎えることもあるくらいです。その理由は、このスポットの特殊な条件が重なっているため。

まず第一に、モミジがかなり高密度で、しかも谷底に植わっているということ。谷底は日陰となり光が届きにくく、しかも隣り合っているモミジ同士の葉と葉が重なっているので、太陽光が十分に照射されません。これが紅葉を遅くしている主たる要因です。

「水沢もみじ谷」の紅葉が"12月に最盛期を迎える訳"

写真:土庄 雄平

地図を見る

そして第二に、12月でも温かい気温ということ。通常、渓流沿い、特に今回のような谷底は気温が下がりがちなのですが、「水沢もみじ谷」は標高が低いからか、大きく冷え込むことがありません。そのため、紅葉が早まることなく、第一の条件がそのまま紅葉のタイミングへ表れています。

秋色の撮影を楽しもう!構図探しでお気に入りの一枚を

秋色の撮影を楽しもう!構図探しでお気に入りの一枚を

写真:土庄 雄平

地図を見る

それでは最後に、「水沢もみじ谷」の楽しみ方について。紅葉しているスポット自体は広くはないのですが、紅葉が密集していることがこの場所の醍醐味!そのため様々な構図を探しながら、写真撮影を楽しめるのがポイントです。

例えば、ボケを活かした構図。あえて空間全体にピントを合わせるのではなく、前ボケや後ろボケを作ると、味のある写真になります。

秋色の撮影を楽しもう!構図探しでお気に入りの一枚を

写真:土庄 雄平

地図を見る

また所々、青紅葉も見られるので、敢えて色同士の対比を狙ってみるなど、自分の感性のまま心の琴線に触れるシーンを探してみて下さいね。

鈴鹿東山麓で美しい晩秋に出会う!

鈴鹿東山麓で美しい晩秋に出会う!

写真:土庄 雄平

地図を見る

いかがでしたでしょうか?紅葉と言えば、北海道の日本一早い紅葉が有名ですが、それとは対照的に、日本一遅い紅葉も見応え抜群です。

まだまだ有名とは言えませんが、ポテンシャルの高い三重県「水沢もみじ谷」。紅葉に包まれる空間は筆舌に尽くしがたい美しさなので、ぜひお出掛けをして、晩秋の趣に触れてみてはいかがでしょうか?

水沢もみじ谷の基本情報

住所:三重県四日市市水沢町169
アクセス:四日市市街から車で約50分

2020年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2019/12/14 訪問

条件を指定して検索

- PR -

新幹線特集
この記事に関するお問い合わせ

- 広告 -