滋賀県と三重県の県境に当たり、標高1000m前後という手頃な高さながら、南北に55kmという長大な山脈を形成している鈴鹿山地。各山々から湧水が流れ、石灰岩や花崗岩の岩盤、苔むした森など、バリエーションに富んだ豊かな自然から、数多くの景勝地が山麓に点在しています。
写真:土庄 雄平
地図を見る今回紹介する「水沢もみじ谷」もその一つ。鈴鹿の雲母峰・水沢岳・鎌ヶ岳・入道ヶ岳の四つの峰に囲われた宮妻峡(内部川上流)の愛称で、紅葉の名所としてマニアの間で密かに有名です。
写真:土庄 雄平
地図を見る鈴鹿の主峰・御在所岳から少し南下した四日市水沢地区。そこから宮妻峡ヒュッテへ向かう道の入り口に、今回紹介する「水沢もみじ谷」は位置しています。小さな紅葉スポットなのですが、その一角だけ鮮烈な紅葉を見せてくれるため、すぐどこか分かるでしょう。
写真:土庄 雄平
地図を見る付近の無料駐車場に車を停めて、谷底へ至る階段を下れば、そこには紅葉に包まれた美しい広場が!頭上にはモミジの天井、下には落ち葉の絨毯。まるで秋色の家へ足を踏み入れたような、そんな唯一無二の空間になっています。
写真:土庄 雄平
地図を見る実は、この「もみじ谷」、かつて江戸時代に伊勢国菰野藩主だった土方義苗が、もみじ以外の木々を伐採し、もみじだけを育ててきた景勝地。だからこそ、今でもここまで密度の高い紅葉を観賞することができるのです。
写真:土庄 雄平
地図を見るさてこの「水沢もみじ谷」ですが、紅葉のピークがかなり遅いことで知られています。例年、11月末から色づきが始まり、12月上旬に最盛期。場合によっては12月中旬に最盛期を迎えることもあるくらいです。その理由は、このスポットの特殊な条件が重なっているため。
まず第一に、モミジがかなり高密度で、しかも谷底に植わっているということ。谷底は日陰となり光が届きにくく、しかも隣り合っているモミジ同士の葉と葉が重なっているので、太陽光が十分に照射されません。これが紅葉を遅くしている主たる要因です。
写真:土庄 雄平
地図を見るそして第二に、12月でも温かい気温ということ。通常、渓流沿い、特に今回のような谷底は気温が下がりがちなのですが、「水沢もみじ谷」は標高が低いからか、大きく冷え込むことがありません。そのため、紅葉が早まることなく、第一の条件がそのまま紅葉のタイミングへ表れています。
写真:土庄 雄平
地図を見るそれでは最後に、「水沢もみじ谷」の楽しみ方について。紅葉しているスポット自体は広くはないのですが、紅葉が密集していることがこの場所の醍醐味!そのため様々な構図を探しながら、写真撮影を楽しめるのがポイントです。
例えば、ボケを活かした構図。あえて空間全体にピントを合わせるのではなく、前ボケや後ろボケを作ると、味のある写真になります。
写真:土庄 雄平
地図を見るまた所々、青紅葉も見られるので、敢えて色同士の対比を狙ってみるなど、自分の感性のまま心の琴線に触れるシーンを探してみて下さいね。
写真:土庄 雄平
地図を見るいかがでしたでしょうか?紅葉と言えば、北海道の日本一早い紅葉が有名ですが、それとは対照的に、日本一遅い紅葉も見応え抜群です。
まだまだ有名とは言えませんが、ポテンシャルの高い三重県「水沢もみじ谷」。紅葉に包まれる空間は筆舌に尽くしがたい美しさなので、ぜひお出掛けをして、晩秋の趣に触れてみてはいかがでしょうか?
住所:三重県四日市市水沢町169
アクセス:四日市市街から車で約50分
2020年9月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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この記事を書いたナビゲーター
土庄 雄平
1993年生まれ、愛知県豊田市出身、同志社大学文学部卒。第二新卒を経験後、メーカー営業職とトラベルライターを両立。現在は、IT企業に勤務しながら、自然や暮らしに一歩踏み込む、情報発信に精を出す。山岳雑…
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(2025/2/17更新)
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