写真:沢原 馨
地図を見る遠野市の中心市街から数キロ離れた田園地帯の中、「伝承園」が設けられています。「伝承園」は遠野地域の昔の農家の生活様式を再現し、後世に語り継ぐための施設。園内には国指定重要文化財の「旧菊池家住宅」や板倉(納屋)、水車小屋などが移築保存され、かつての遠野の農村を思い浮かべることができます。
それぞれの建物を丹念に見学しながら遠野の歴史に思いを馳せるのは興味深く、楽しいひとときです。遠野観光の際には欠かせないスポットのひとつ「伝承園」、訪ねてみませんか。
写真:沢原 馨
地図を見る「伝承園」のメインとも言えるのが「旧菊池家住宅」。人が暮らす母屋に厩(馬屋)をL字形に一体化した、「曲り家」と呼ばれる形式の伝統家屋です。「旧菊池家住宅」は直家(すごや、L字形ではない真っ直ぐの家屋)から曲り家への発展経過が見られる貴重な建物で、国の重要文化財に指定されています。
写真:沢原 馨
地図を見る「旧菊池家住宅」は内部も見学可能。ぜひ中に上がって見学していきましょう。建物内部には囲炉裏(いろり)が残されている他、さまざまな昔の生活用具が展示されています。昔の農家の暮らしを想像しながら、じっくりと見学していきたいですね。
写真:沢原 馨
地図を見る「旧菊池家住宅」から“オシラサマ”を祀るお堂、「御蚕神(おしら)堂」へ廊下が繋がっています。御蚕神堂もぜひ見学していきましょう。
“オシラサマ”は30cmほどの桑の木の棒の先に人の顔や馬の顔を彫り、布片の着物を幾重にも着せたもので、蚕の神、農業の神、家の守り神として各家々で祀られているものです。御蚕神堂には、その“オシラサマ”が千体、祀られています。
写真:沢原 馨
地図を見る御蚕神堂の中はまさに幽玄の空気に満たされています。中に入ると千体の“オシラサマ” に見下ろされ、何とも身の引き締まる思いがします。人々の信仰から生まれた“オシラサマ”、謙虚な気持ちで見学しましょう。
この“オシラサマ”、飼い馬に恋して、殺された馬と共に天に昇っていった娘が起源と伝えられています。そうした伝説を知って“オシラサマ”の姿を見ると、その表情に哀しみを湛えているようにも見えてしまいますね。
写真:沢原 馨
地図を見る「伝承園」には食事処や売店が附属しています。食事処では各種定食や麺類、郷土料理などを楽しむことができますよ。売店も充実していて、遠野土産を調達するにも便利です。有名な「カッパ淵」も近いので、カッパ関連のグッズもたくさん。お友だちへの“ばらまき”用のお土産によさそうです。
写真:沢原 馨
地図を見る売店では「カッパ捕獲許可証」を販売しています。「伝承園」の後でカッパ淵に行こうと思っている方、“何としてもカッパを捕まえてやるぞ!”と意気込んでいる方は「カッパ捕獲許可証」の購入をお忘れなく。許可証がないと“密漁”になってしまいますよ。カッパを捕まえられなくても、遠野観光の記念にいいですね。
※価格は写真と異なる場合があります。現地でご確認ください。
写真:沢原 馨
地図を見る「カッパ捕獲許可証」を入手したら、カッパ淵へ足を延ばしましょう。せっかくの遠野観光、カッパ淵を訪ねないわけにはいきませんね。「伝承園」から数百メートル、常堅寺というお寺の脇を流れる小川がカッパ淵です。
小川の岸辺には草木が茂って幽寂とした趣。流れの淵からカッパが顔を覗かせていそうです。岸辺の小径を辿ってのんびりと散策し、カッパの伝承に思いを馳せるのは楽しいひとときです。
写真:沢原 馨
地図を見る「伝承園」とカッパ淵、遠野観光の際にはまず訪ねておきたいスポットです。本記事では「伝承園」を見学してからカッパ淵へ足を延ばす順番でご紹介しましたが、先にカッパ淵散策を楽しんでもいいでしょう。周辺は長閑な田園地帯、都会暮らしの人には心安らぐ風景が広がっていますよ。
住所:岩手県遠野市土淵町土淵6地割5番地1
電話番号:0198-62-8655
アクセス:JR釜石線遠野駅からバス、足洗川バス停下車、徒歩3分/無料駐車場有り
2020年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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この記事を書いたナビゲーター
沢原 馨
旅行好きと言うより、散歩好き。旅先の町でもカメラ片手に散歩を楽しんでいます。特にマニアックにこだわっているものがあるわけではありません。さまざまなものに興味を持って目を向けつつ、気の向くままに足を運ん…
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