写真:沢原 馨
地図を見る三連轟があるのは鹿児島県曽於市の北端部近く。人里から離れた山の中、鬱蒼と茂る木々に包まれて水音を轟かせています。
三連轟は、崖上から豪快に水が流れ落ちるような一般的な滝とは少し違う姿です。河床の岩盤を抉って、川の流れがあちこちで小さな滝を形作り、独特の景観を見せてくれます。その様相から“三連轟”の名で呼ばれるのです。
“観光名所”としてはそれほど有名ではありませんが、滝の好きな方なら一度は訪ねてみて欲しいところです。ジオツーリズム的にも興味深い景観を楽しむことができますよ。曽於市の三連轟、訪ねてみませんか。
写真:沢原 馨
地図を見るこの滝は、34万年ほど前に起きた加久藤カルデラの大噴火の火砕流によって生じた溶結凝灰岩の岩盤層を、川の流れが長い年月をかけて浸食してできたもの。火砕流堆積物が自らの熱と圧力によって、溶結凝灰岩と呼ばれる堅い岩石になることがありますが、この辺りにはそうした溶結凝灰岩の地層が広がっているのです。
写真:沢原 馨
地図を見る滝そのものはもちろんですが、岩盤の河床を水の流れが抉ってできた奇観群も三連轟の見所。滝のすぐ下流側に川を渡る人道橋があり、橋の上から滝の端の部分を見下ろすことができます。浸食などによって複雑な形になった崖と、そこを流れ落ちてゆく水の景観に見入ってしまいますよ。
写真:沢原 馨
地図を見る人道橋の下流側の河原に降りていくことができます。河原は溶結凝灰岩の岩畳。川の水は澄んでいて、深みとなったところでは美しいエメラルドグリーンを見せてくれます。なかなか素晴らしい渓流美ですよ。
写真:沢原 馨
地図を見る人道橋に近い辺りでは浸食された岩畳が見事な“大自然の造形”を見せてくれます。ゆっくりと時間をかけて見学しておきたいですね。
写真:沢原 馨
地図を見る岩畳を丹念に見ていくと、円形の窪みを見つけることができます。丸い窪みの中で水が渦を巻いています。これは甌穴。すでに“穴”の形状を失って流路の一部になってしまっています。こうしたものを間近に見学できるのも三連轟の魅力です。
写真:沢原 馨
地図を見る三連轟はすぐ近くに駐車場が設けられていて、車があればアクセスは比較的容易です。しかし、あまり有名な観光名所ではないためか、訪れる人は多くありません。周囲は山々に囲まれ、人家から離れていますので、訪れたときに“自分たち以外には人の気配が無い”ということも。それだけに“秘境感”も味わえて楽しいですよ。
岩畳は滑ります。滑りにくい靴を履いていきましょう。河原を散策する際には、足を滑らせたりしないよう、くれぐれもお気をつけください。万が一のとき、誰かに助けを求めようとしても、周りに誰もいないということも少なくありません。特に一人旅の際はご注意くださいね。
写真:沢原 馨
地図を見る三連轟から西へ、溝ノ口川の上流側へと2kmほど辿ると桐原の滝という滝もあります。桐原の滝も三連轟と同じ地層にできた滝ですが、こちらは幅40m、高さ12mという堂々としたもの。ぜひ三連轟と併せて訪ねてみてくださいね。
写真:沢原 馨
地図を見る桐原の滝のすぐ上流部には「清流の森 大川原峡キャンプ場」という施設が設けられています。溝ノ口川がうまく河原を形作っていて、夏の行楽シーズンには川遊びの人たちで賑わっています。ひととき地元の人たちと一緒に川遊びというのも楽しそうですね。
写真:沢原 馨
地図を見る三連轟から、今度は溝ノ口川の下流側へと2kmほど進み、北側の山間へと分け入っていくと、「溝ノ口洞穴」がぽっかりと口を開けています。真っ暗な洞穴内から、入口近くに建つ鳥居を見ると、何とも幻想的で神秘的な景観が楽しめますよ。お勧めのところです。
三連轟と周辺の見所を巡って、自然の造形を楽しむ曽於市の旅、楽しんでくださいね。
住所:鹿児島県曽於市財部町下財部
電話番号:0986-76-8282(曽於市役所商工観光課)
アクセス:
JR日豊本線大隅大川原駅から3〜4km(徒歩50分)
宮崎自動車道都城ICから約19km
九州自動車道溝辺鹿児島空港ICから約29km
無料駐車場有り
2020年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/3/28更新)
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