太古の地球パワーを体感!秋田県男鹿半島で日本列島創生の痕跡を巡る

太古の地球パワーを体感!秋田県男鹿半島で日本列島創生の痕跡を巡る

更新日:2020/10/25 11:32

野口 まさゆきのプロフィール写真 野口 まさゆき 里山フォトグラファー
日本海に突き出た男鹿半島は変化に富んだダイナミックな景観が魅力的です。そして約7000万年前から2万年前までの火山活動の痕跡である地層や地形が各所に残っていて、「太古の昔に日本列島は大陸から分離、移動して今の位置に至った」という大地の成り立ちを知ることができるんです。半島を一日でぐるっと巡りながら、美しい景観とそれを創り出した地球のパワフルな活動を体感する旅にご案内しましょう!

男鹿半島を360度見渡す寒風山山頂が旅のスタート!

男鹿半島を360度見渡す寒風山山頂が旅のスタート!

写真:野口 まさゆき

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男鹿半島の付け根に位置する寒風山は標高354.8メートルで、約2万年前から数回にわたる噴火活動を繰り返して形成された複成火山地形です。車で行ける頂上の展望施設からは360度の大パノラマ!男鹿半島の全容はもちろん、遠くに日本海や白神山地、鳥海山を望み、眼下には旧八郎潟の干拓でできた大潟村の田園風景が広がる絶景です!

<寒風山山頂の基本情報>
住所:秋田県男鹿市脇本富永字寒風山62番地内
アクセス:JR脇本駅から車で10分
駐車場:有

男鹿半島を360度見渡す寒風山山頂が旅のスタート!

写真:野口 まさゆき

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山頂の西側には、右に直径700メートルでゆるやかな第一火口、左には深くくぼんだ第二火口が見下ろせます。流れ出て固まった溶岩の上が緑の草で覆われて、今では美しい景観となっています。

車で快適に回れますが、トレッキングコースも整備されていて、「板場の台」「鬼の隠れ里」「風穴」などの過去の火山活動の痕跡を体感するスポットを歩いて巡ることもできます。

男鹿半島を360度見渡す寒風山山頂が旅のスタート!

写真:野口 まさゆき

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東側には、日本で二番目に大きい湖だった「八郎潟」を干拓してできた広大な田んぼが一望できます。1957年から7年かけて、自然の地形を活用した干拓事業の壮大さがわかりますね。

水蒸気爆発で湖ができた!八望台から火口湖を望む

水蒸気爆発で湖ができた!八望台から火口湖を望む

写真:野口 まさゆき

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寒風山から車で「なまはげライン」を西に走って約30分、「八望台」に行ってみましょう。ここから展望できる「一ノ目潟」「二ノ目潟」「戸賀湾」は、「男鹿目潟火山群」と呼ばれ、約40万年前に始まったマグマ上昇による地下水の水蒸気爆発によってできた火口湖(マール)なんです。

写真は二ノ目潟と戸賀湾で、戸賀湾は湖ができた後にその一部が海とつながったものです。西方に開けたこの景観は夕日の絶景スポットとしても人気なんですよ!

水蒸気爆発で湖ができた!八望台から火口湖を望む

写真:野口 まさゆき

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八望台から少し下った道路上から東側に見えるのが「一ノ目潟」です。直径600m、水深44.6mで、湖底に堆積された「年縞地層」は貴重なもので国指定天然記念物となっています。

<八望台の基本情報>
住所:秋田県男鹿市戸賀浜塩谷
駐車場:有

半島の突端 入道崎には7000万年前の岩石が露出!

半島の突端 入道崎には7000万年前の岩石が露出!

写真:野口 まさゆき

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八望台からさらに半島の突端を目指して約15分、入道崎灯台に到着です。高さ28mの灯台は上に登ることが可能ですので、日本海を望む360度の景色を満喫できます。

<入道崎の基本情報>
住所:秋田県男鹿市北浦入道崎
駐車場:有

半島の突端 入道崎には7000万年前の岩石が露出!

写真:野口 まさゆき

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灯台の足元にある断崖「鹿(しし)落とし」は約7000万年前の火山活動の噴出物が熱いうちに積み重なって固まった「溶結凝灰岩」でできています。かつて男鹿半島で繁殖しすぎた鹿をこの崖から追い落としたことから名づけられたものです。足元に十分に気をつけて見学してくださいね。

半島の突端 入道崎には7000万年前の岩石が露出!

写真:野口 まさゆき

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「鹿落とし」の溶結凝灰岩は非常に緻密で硬く熱すると高温になるため、男鹿の名物「石焼料理」に使われています。灯台の駐車場の周りには飲食店が並んでいて、どのお店でも石焼料理が味わえます。新鮮な魚介を約1000度の石で熱した漁師由来の料理をぜひ味わってみてください。

マグマのエネルギーを感じる二色の溶岩

マグマのエネルギーを感じる二色の溶岩

写真:野口 まさゆき

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入道崎から南下していく海岸沿いにもたくさんの見所があります。

「男鹿水族館GAO」前の海岸には、約3000万年前の火山噴火によって流れ出た薄いピンク色の溶岩の割れ目から、その後に地下深いマグマが上昇して固まった灰色の岩石が突き出ています。このように後からの岩石が表れているものを岩脈といいますが、そのパワフルな姿は地球内部のエネルギーの強大さを感じますね。

半島の南端「潮瀬崎」海岸にゴジラ出現!

半島の南端「潮瀬崎」海岸にゴジラ出現!

写真:野口 まさゆき

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男鹿半島の南西端に位置する潮瀬崎海岸は、約3000万年前の火山噴出物でできた岩石が、その後の長年の風化や波の浸食で独特な形に削られています。まるで自然のアート作品のような奇岩が点在しているんです。なかでも一番人気は「ゴジラ岩」。海に向かって大きく吠えるシルエットは迫力満点!他にもカメ岩、双子岩、ポットホールなどがあるので、ゆっくり時間をかけて探してみるのもよいでしょう。

「男鹿半島ジオパーク」で地球のパワーを感じよう!

男鹿半島は日本で43あるジオパークの一つです。今回ご紹介したスポットの他に、「安田海岸」、「鵜ノ崎海岸」など、半島の成り立ちが体感できる地層や岩石がたくさんあります。ホームページ等で事前に調べてから旅のプランを立てましょう。

風光明媚な自然や名物料理を楽しみながら、地球内部のパワフルな活動や日本列島創生の歴史を体感してみませんか!?

2020年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2020/09/29 訪問

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