ナウマンゾウと童謡「静かな湖畔」のふる里 野尻湖へ

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ナウマンゾウと童謡「静かな湖畔」のふる里 野尻湖へ

ナウマンゾウと童謡「静かな湖畔」のふる里 野尻湖へ

更新日:2014/06/18 14:47

長野県の信濃町にある黒姫山と野尻湖。軽井沢のような賑やかな避暑地ではないが、自然がいっぱい。ナウマンゾウたちにまつわる野尻湖人のロマンや、「静かな湖畔」という、あの輪唱の歌詞が生まれた里。残された「癒しの森」で、親しい仲間と、ゆったりとした休日を過ごしてみては──。まずは野尻湖を目指そう。

野尻湖人たちのロマン。ナウマンゾウと湖の歴史を博物館で

野尻湖人たちのロマン。ナウマンゾウと湖の歴史を博物館で
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信濃町の野尻湖が一躍、脚光を浴び、小学校の教科書にも登場したのは、1948年(昭和23年)に湖から出た動物の骨の発掘からだった。発掘されたのは、ナウマンゾウの臼歯の化石。大きなゾウが、この地にノシノシと歩き回り、そのゾウを氷河期の”野尻湖人”たちが狩りをしていた。ここ野尻湖が、その狩場だった。

1962年(昭和37年)に始まった湖での発掘は第19次に及び、全国から発掘のロマンを求めて、参加した人たちの数は延べにすると2万人を超えるという。湖水の水位が下がる3月下旬の10日程度の日数で行われてきた発掘は、現在も3年に1度の割で、営々として続けられ、次回は2016年の予定。各地で発掘に参加する人たちによる日頃からの会合や仲間同士の連絡が発掘を支えている。

そのナウマンゾウ発掘で分かったことを、湖の歴史とあわせて5万年前から現在に至るまでの自然環境の変化を展示しているのが、「ナウマンゾウ博物館」だ。マンモスとナウマンゾウの違いから、オオツノジカなどの大型動物の骨格標本もあって、ちょっとした校外学習の気分に浸れる。

野尻湖ナウマンゾウ博物館
開館期間  通常営業:3月20日〜11月30日
      冬期営業:12月4日〜3月19日(年末年始を除き見学可能)
開館時間  午前9時 〜 午後5時(通常営業)
      冬季の土.日.祝日は午前9:30〜午後3:45まで
休館日   5・6・9・10・11月の末日(その日が日曜、祝祭日の場合はその翌日)
入館料   一般 500円 / 小・中学生 300円

沖に琵琶島。湖周遊なら大型遊覧船。手漕ぎボートも

沖に琵琶島。湖周遊なら大型遊覧船。手漕ぎボートも
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野尻湖は、古くは「信濃尻湖(しなのじりこ)」と呼ばれ、やがて「野尻湖」と略されて呼ばれるようになった。また、湖岸の岬の多さと形が、フヨウ(芙蓉)の葉に似ている、として「芙蓉湖」とも呼ばれてきた。面積は4.56平方キロメートル。
遊覧船乗場には、手漕ぎボートやアヒルを象ったペダルボート、エンジンつきの「らくーだ」や大型の遊覧船が待っている。湖を周遊する遊覧船は、500人乗りの「雅」から23人乗りまで3隻。予約すれば団体の貸切もできる。ペットも料金が必要だが乗せられる。

乗り場のすぐ沖には、島の形から「琵琶島」とも、宇賀神社の弁財天から「弁天島」とも言われている小さな島がある。
730年(天平2年)に土地の産土神として創建されたという宇賀神社は、越後の上杉謙信をはじめ、江戸時代には高田藩主らが篤く尊崇された、と社伝は伝える。近代では、夏目漱石に絶賛された小説「銀の匙」で知られる中勘助が、この島の社務所に籠って執筆に励んだともいう。明治初年には、木造の橋が架けられ、お金を払って島に渡ったというが、朽ちて久しく、今はその面影もない。遊覧船や手漕ぎボートでも渡ることができる。島に渡った若者に聞くと、どうやら流行りの「パワー・スポット」なのだとか。

南西湖岸には大正時代からの「国際村」 カヌーの体験も

南西湖岸には大正時代からの「国際村」 カヌーの体験も
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船着場から南へ湖岸を行くと、「国際村」がある。大正時代に、カナダ人の宣教師・ダニエル・ノルマンが、軽井沢の喧騒を離れ、ふるさとの景観に似たこの地に別荘を拓いたのがはじめらしい。外国人が避暑地として集まり、1921年(大正10年)に設立された野尻湖協会(NLA)が管理をする専用の桟橋やプール、ピクニック広場などがある。日本人には寒い季節でも、水に入る美人の姿が見られたり、国際色が感じられるゾーンだ。ただ、この国際村の湖岸道路は細く、7月から8月いっぱいの期間、車は東からの一方通行になるので、通行には注意がいる。
また、国際村への入口には、初心者でも体験できるカヌー教室を実施しているサンデープラニングというアウトドアスクールがある。

サンデープラニング
カヌーをはじめとする各種アウトドアアクティビティの指導、ガイドや宿泊施設の運営をしている。カヌーは、リバーカヤックから、ツーリングカヤック、カナディアンカヌーなど、バラエティ豊富。それぞれインストラクターが指導に当たる。半日から2日間などのコースも。
このほか、春は山菜撮り、冬はスキーハイキングなど、各種のアウトドアスクールなども。参加するにはいずれも事前の予約が必要。
電話 026-258-2978

「癒しの森」 象の小径にカッコウが鳴くかもしれない

「癒しの森」 象の小径にカッコウが鳴くかもしれない
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皆さん、修学旅行や夏のキャンプ・ファイヤーなどで、「静かな湖畔の森の影から…」という輪唱を歌った経験のある人も少なくないだろう。「カッコウ、カッコウ」と、一節ずつズレながら、ともに歌うハーモニーが楽しい。この歌も、実は野尻湖の岬で作られた。

野尻湖の周辺には戦前から、大学などの研修施設やキャンプが戦前から多い。
船着場の反対側、東岸の桐久保地区にある東京YMCAのサマー・キャンプ場が、その”生誕の地”なのだ。
1932年(昭和7年)から戦後の混乱期を除いて一貫して、この地で毎年、年少青年を対象とした組織キャンプが続けられている。開設3年後、ここに北山多喜彦というリーダーが参加していた。慶応大学を卒業し、紡績会社への就職を断って牧師の道を選んだという北山は、その春、やはりクリスチャンで6歳年下の女性と婚約したばかりだった。5週間のキャンプ中、東京の婚約者が恋しくてならず、夜ごとランプの下で手紙を書いた。その手紙の中に、あの歌詞があったのだという。手紙の存在が1982年(昭和57年)に明らかになり、長年の「作詞者不詳」が北山の作であることが確定したという。

そのような感興を催す湖岸を歩く「癒しの森」のコースの1つ、「象の小径コース」の入口が、「国際村」の先にある。「癒しの森」は、信濃町が「森の癒し効果」に注目し、力を入れている「森林セラピー」事業で、なんと「商標登録」が認められた。他に黒姫山の山麓に2箇所の健脚向きのコースがあるが、このコースは、湖の風を受けながらコナラやミズナラやヤマボウシなど圧倒的に多い広葉樹の森林浴を楽しめる約2.5Kmのショートコース。青山学院の用地やYWCAのキャンプ場をかすめる比較的平坦な道だ。森の息吹が、全身をリフレッシュしてくれる感じがする。コースの入口には、この町のシンボルであるナウマンゾウのモニュメントが迎えている。

このほか、湖岸では2014年で25回目を迎えるトライアスロンの大会が7月5、6日に、また91回目を迎える「燈籠流し花火大会」が7月26日(毎年7月最後の土曜日)に開かれる。

おわりに

信濃町の野尻湖周辺を案内した。信濃町には、このほかに「やせ蛙 負けるな一茶 これにあり」などで親しまれる小林一茶の里としての記念館・旧跡をはじめ、黒姫山の山麓・黒姫高原のスキー場や黒姫童話館などのスポットもある。

掲載内容は執筆時点のものです。 2014/05/28−2014/06/02 訪問

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