写真:モノホシ ダン
地図を見るならまち格子の家は、江戸時代末期から明治時代にかけて、奈良町に点在した町家をモデルに建てられた市の施設です。館内は、主屋・中庭・離れ・蔵と分かれて、かつての町家の暮らしぶりを実感できるようになっています。
さらに、敷地内の中心となる主屋には、みせの間、中の間、奥の間、つし、通り庭が再現されています。
写真:モノホシ ダン
地図を見るならまち格子の家には、休憩所も設けられています。休憩所には、綺麗なトイレや腰掛けベンチがあります。
休憩所のエントランスには、コンクリート打ちっぱなしの壁と、天候次第で陰影が楽しめる「月日の彫刻」と呼ばれる現代彫刻作品があります。
受付窓口では、スタッフの方がおられ、町家のみどころの紹介や、ならまちの散策マップなどをいただくことができます。
写真:モノホシ ダン
地図を見る町家の表側正面には、大戸(突き上げ戸)があります。大戸は、普段は跳ね上げたままにして開けておくことが多く、中が見えてしまうことから、大戸の奥に目隠しのために格子戸等の中戸が多く用いられました。
写真:モノホシ ダン
地図を見る大戸は、敷居のない跳ね上げ形式で、突き上げた状態では間口を広く取ることができます。また、大戸には小戸が付いているので、大戸を閉めた状態でも、小戸を開ければ、容易に出入りができるようになっています。
突き上げられた大戸を入ってすぐのところには、格子戸のついた中戸があり、その先に、通り庭の美しい土間が続きます。
写真:モノホシ ダン
地図を見る奈良町の町家は、ウナギの寝床とも表現される、間口が狭く奥行きの長いところが特徴です。これは、かつて税金が奥行きに関係なく、間口の広さに応じてかけられたためです。
中戸を入ると「通り庭」と呼ばれる土間空間があり、奥への連絡通路があります。通り庭は、台所土間という機能も兼ねています。土間にはかまどがあり、このかまどで煮炊きするため、天井は高めで、頭上には「煙抜き」があります。
高い位置には、採光と通風のための「明りとり」があり、通り庭が暗くなったり、湿気がこもったりしないような工夫がみられます。
写真:モノホシ ダン
地図を見る玄関や道路沿いに最も近い位置にあるのが「みせの間」です。みせの間では、商品を並べて商売したり、応接スペースとしても使われ、格子越しに外の風景を望むことが出来るようになっています。
「格子」は、中から外は良く見えますが、外から中は見えにくいため、プライバシーの確保ができ、通風も確保できるため、多くの町家に採用された優れた建築技術です。
写真:モノホシ ダン
地図を見るみせの間から奥に続く「中の間」には、2階へ上がることのできる「箱階段」があります。箱階段は、階段の下の空間を有効利用する目的で、引き出しや戸棚を取り付けた箪笥です。
写真:モノホシ ダン
地図を見る2階は「つし」と呼ばれ、道路に面し、高さを低く抑えた部分のことで、奈良町では比較的多く見ることができます。つしは、おもに物置として使用されていました。また、つしからは、通り庭を見下ろすこともでき、町家の構造がよく分かるようになっています。
写真:モノホシ ダン
地図を見る「中庭」は、渡り廊下によってつながれた主屋と離れの間に設けられ、敷地の奥の部屋に光と風をもたらします。写真の右手の渡り廊下に面して風呂やトイレが並んでいます。
写真:モノホシ ダン
地図を見るなお、中庭越しに道路側を振り返った風景はとても絵になります。この陰影が、奈良町の町家の魅力といえるでしょう。
写真:モノホシ ダン
地図を見る「離れ」は、主屋の背後に中庭をはさんで建てられて、渡り廊下によって主屋と結ばれています。さらに離れの奥の裏庭には「蔵」が建てられていますが、内部は公開されていません。
なお、離れには、奈良町や町家についてのパネルが展示してあり、奈良町の歴史や町家の基礎知識を学ぶことができます。
奈良町にやってきた際には、最初に、ならまち格子の家を訪れると、その後の町家めぐりの旅がいっそう楽しいものになりますよ。
住所:奈良県奈良市元興寺町44番地
電話番号:0742-23-4820
開館時間:9:00〜17:00
入館料:無料
休館日:月曜日(祝日または振替休日にあたる場合は、その翌日)
年末年始 祝日の翌日(土・日を除く)
アクセス:
近鉄奈良駅から徒歩約20分
JR京終駅から徒歩約10分
車利用の場合は、近隣有料駐車場利用
2020年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/3/29更新)
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