写真:沢原 馨
地図を見る新潟県上越市の高田は「雁木の町」。雁木の総延長約は16km。日本一の規模です。通りに設けられた雁木は町の景観を特徴あるものにし、独特の風情を漂わせています。
雁木とは通り沿いに並ぶ家々の軒先を延ばし、あたかもアーケードを設けた歩道のような空間を作ったもの。上越は雪深い土地柄。この雁木によって、雪が深く積もっても人の往来が確保できるわけです。雪国の知恵ですね。
雁木の連なる高田の町には古い時代の建物も残り、風情ある景観が楽しめます。町散歩の好きな人、レトロな風情が好きな人などにはお勧めの町です。「雁木の町」高田、訪ねてみませんか。
※上越市には「高田」という住所表記は存在しません。高田城の城下町として栄えた旧中頚城郡高田市の中心市街、上越市の「地域自治区」に於ける「高田区」に相当する地域を、本記事では「高田」、あるいは「高田の町」と表記しています。
写真:沢原 馨
地図を見る“アーケードを設けた歩道のような”と前述しましたが、雁木の下は実は私有地。公道の一部ではないんです。通り沿いの家々が軒先を延ばし、私有地の一部を公共の往来の利便のために提供しているのです。雪国ならではの互助の工夫なんですね。
高田は江戸時代には高田城の城下町として栄えたところですが、1600年代に豪雪と地震に見舞われて城下は壊滅、その復興の際に城下の町に雁木が完備されたといいます。藩政主導で造られた町並みなのですね。
写真:沢原 馨
地図を見る雁木には「造り込み式」や「落とし式」といった構造の違いがあり、また雁木そのものがそれぞれの家々の一部ですから、建てられた時期によっても形状が違います。さまざまな構造、意匠の雁木が通りに沿って連なり、独特の興趣を生み出しています。そうした景観を楽しみながら歩いてみましょう。
写真:沢原 馨
地図を見る高田の町は、何しろ町散歩が楽しいですよ。江戸期の面影を残す景観から、昭和レトロな佇まいの建物まで、昔ながらの佇まいの通りを歩けばさまざまな発見があって飽きることがありません。のんびりと通りを歩いて町散策を堪能しましょう。
写真:沢原 馨
地図を見る赤い丸形ポストが立っていたり、雁木を支える柱にお店の看板が取り付けられていたりする光景も素敵ですね。レトロマニアの方にとっても魅力的な町歩きです。
写真:沢原 馨
地図を見る散策の楽しい町とは言っても、ただ歩き回るだけではつまらないですよね。高田の町にももちろんお勧めの立ち寄りスポットがあります。
「町家交流館高田小町」と名付けられた施設もそのひとつ。明治期に建てられた町家「旧小妻屋」を再生したもので、市民活動の場として使われる他、観光案内所や休憩所を兼ねています。入館無料で見学できますので、ぜひ立ち寄ってみましょう。
写真:沢原 馨
地図を見る「町家交流館高田小町」の斜向かいに立つ「高田世界館」も、ぜひ立ち寄っておきたいお勧めスポット。明治44年(1911年)に芝居小屋として建てられた建物で、現在も現役の映画館として使われています。映画の上映中でなければ内部を見学させていただけるので、お願いしてみましょう。
写真:沢原 馨
地図を見るその他にも高田の町には魅力的なスポットがいろいろと点在しています。高田城址公園や旧師団長官舎などを訪ねるのもお勧めです。自分の興味に応じて観光ルートに加えてみましょう。
写真:沢原 馨
地図を見る雪が積もっても人の往来が可能な雁木、当然のことながら雨が降っても濡れずに歩けます。せっかく高田の町に旅行に来たのに雨、というときでも、それほどストレスを感じずに散策が楽しめますよ(傘がまったく不要というわけではありません)。あるいは雪が降り積もる季節に訪ねてみれば、雪国の風情をより感じることができますね。
前述しましたが高田の町に連なる雁木は総延長約16km。“すべての雁木の下を歩いてみるぞ!”と野望を抱いて訪れるのもいいかも。ぜひ挑戦してみましょう。
住所:新潟県上越市仲町〜本町〜大町周辺
電話番号:025-526-8103(町家交流館高田小町)
アクセス:えちごトキめき鉄道妙高はねうまライン高田駅から徒歩すぐ
2020年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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この記事を書いたナビゲーター
沢原 馨
旅行好きと言うより、散歩好き。旅先の町でもカメラ片手に散歩を楽しんでいます。特にマニアックにこだわっているものがあるわけではありません。さまざまなものに興味を持って目を向けつつ、気の向くままに足を運ん…
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