写真:井伊 たびを
地図を見る通称「あじさい寺」と親しまれている本土寺は、もと源氏の名門平賀家の屋敷跡で、日蓮聖人より長谷山本土寺(ちょうこくさんほんどじ)の寺号を授かったとされます。この本土寺は、池上の「長栄山本門寺」や、鎌倉の「長興山妙本寺」とともに「朗門の三長三本の本山」と称される屈指の名刹で、ここ松戸地方の日蓮宗の教団活動の中心になっています。
本堂は間口八間、奥行十間の木造銅板葺で、御本尊は一尊四士が祀られています。慶安四年(1651年)に小金城主一族の恵了院日修が息女の菩提を祈って造立したと記録されています。
もともとは祖師堂であったようですが、明治十五年宗祖六百遠忌に、場所を移し本堂とし、昭和五十二年宗祖七百遠忌の時に、五間四面の拡大改造がなされ今日に至っています。
写真:井伊 たびを
地図を見るかつて、山内は四院六坊がとりまく十四間四面の本堂を中心に、七堂伽藍がその山容を誇っていましたが、度重なる不受不施の法難と、明治維新の廃仏毀釈運動のため衰退し、現在ではその偉容はありません。
しかし、近年は五重の塔新築や庭園の造営など境内設備が充実し、初夏には花菖蒲や紫陽花。また春にはサクラ、秋には紅葉と賑わいを見せています。
写真:井伊 たびを
地図を見る本土寺は、四季花の寺として多くの人に親しまれています。ところで、「本土」とは「我此土」(わがこのど)つまりお釈迦様が本当の佛、本佛となって住む国土「本土」に由来しています。また「花」は本佛に捧げる花、宝樹のことなのです。
お釈迦様の「本佛」のお姿は草木国土を成佛させようという慈悲の光に輝いています。あなたの心にも永遠の安らぎが与えられますように、という願いが込められています。
写真:井伊 たびを
地図を見る山内の一番奥にある「菖蒲池」は、必見です。特に、六月上旬から下旬に向けては、五千本の花菖蒲と、およそ十種類五万本以上の紫陽花の競演が愉しめます。
ところで、紫陽花と花菖蒲の花言葉をご存じでしょうか?
「紫陽花」の花言葉は、一般的に「移り気」「高慢」「浮気」が有名。さらに「あなたは美しいが冷淡だ」というのもあります。一方「花菖蒲」は、「うれしい知らせ」「優しさ」「伝言」などが有名ですが「あなたを信じる」という花言葉もあります。そんな対比を思いながら、両者を愛でるのもひとつの愉しみ方でしょう。
写真:井伊 たびを
地図を見るこの五重の塔は、平成三年(1991年)に日像菩薩六百五十遠忌記念として建立されました。高さ18mあり、中にはインドのネール首相より贈られた真仏舎利の一粒を納められ、千体佛と共に祀られています。
ここ長谷山本土寺は、三聖人ご出生の聖跡としても名高く、開運、安産、乳出子育、学業増進、所願成就のご霊験で知られる名刹です。
この「三聖人」とは平賀家の三兄弟で、師孝第一と讃えられる「日朗聖人」、日蓮大聖人に次ぐ偉聖と崇められる「日像聖人」、そして池上本門寺、比企ヶ谷妙本寺の大成者「日輪聖人」です。
また日像聖人を祀る像師堂側らのご誕生水は乳出のご霊水といわれ、七百年の昔よりご利益は不思議な程であり、近年までは祈願者が続いていました。
ところで、本土寺の無料駐車場は、収容台数が少ないため、参道両脇にある有料駐車場を利用することになります。周辺地域には、一時預かりの駐車場が複数ありますが、道幅も狭く大型車は進行に苦労します。また、シーズン盛りの土日や祝日には混雑の可能性もあります。できれば公共交通機関やタクシーなどで、訪れることをお勧めします。
上野駅から松戸駅まで常磐線快速で行き、松戸駅で千代田線にのりかえれば、北小金駅。都心から1時間弱で訪れることができます。都内観光のオプショナルツアー感覚で、四季それぞれの花を愛でることができます。
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(2023/12/5更新)
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