写真:土庄 雄平
地図を見る鈴鹿山地の中でも一番西側に位置している「イブネクラシ」。近くまで舗装路が通っておらず、必然的に歩く距離が増えてしまいます。コースによっては往復15km以上にもなり、初心者が気軽に挑戦しにくいのが少し難点。
そんなイブネクラシに辿り着くには、以下の4つの登山コースを使ってアクセス可能です。
・朝明ヒュッテ→根の平峠→杉峠→イブネクラシ
・岩ヶ谷林道→ツルベ谷出合→杉峠→イブネクラシ
・武平峠→雨乞岳→杉峠→イブネクラシ
・御在所岳ロープウェイ→山上公園駅→コクイ谷出合・上水晶谷→杉峠→イブネクラシ
どのコースも鈴鹿ならではの世界観を楽しめる内容になっており優劣付けがたいのですが、自分の体力を照らし合わせて選択してみて下さい。今回は一番負荷が低く面白い4つ目のルートで紹介したいと思います。
道は明瞭ですが分岐も多いため、参考MEMO「イブネクラシ登山マップ」であらかじめマップを印刷しておきましょう!
写真:土庄 雄平
地図を見るまず今回登山のスタートとしたいのは、鈴鹿山地南側に位置する「御在所岳」。標高は1200mを超え、鈴鹿の主峰の一つですが、山頂近くまで御在所岳ロープウェイが開通しており、楽にアプローチできます。
湯の山温泉駅に車を停め、ロープウェイで山上公園駅に到着したら、まず国見峠に向かって歩いていきましょう!
体力に自信がある方は、武平峠に車を停めて、御在所岳経由でイブネクラシへの登山道へアクセスするのも手です。
写真:土庄 雄平
地図を見るイブネクラシまでの往路はほとんど下り。各地点の標高は以下の通りです。
山上公園駅(標高1180m)→国見峠(標高1090m)→コクイ谷出合・上水晶谷(標高1000m〜760m)→杉峠(標高1042m)→イブネクラシ(標高1150m前後)
このコースであれば、ロープウェイの料金は掛かってしまいますが、距離を約12km、標高差を900m程に抑えることができ、イブネクラシまで最も手軽なルートとなっています。また渓流を沿う登山道のため、マイナスイオンと緑に癒されるボーナス付きです!
写真:土庄 雄平
地図を見る上水晶谷は、その名の通り水晶の原石が採れる鈴鹿の秘境渓谷。美しい景観のなか、時折石を伝って渡渉しながら登山道を進んで行きます。道は分かりやすいので大丈夫だと思いますが、ピンクリボンをしっかり目印にして進むよう心がけて下さい。
写真:土庄 雄平
地図を見る上水晶谷を下り切り、そのまま緩やかに上がっていけば、イブネクラシの玄関口と言える「杉峠」へ到着します。標準タイムで2時間半〜3時間ほど。
ここまで来ると、登山者はイブネクラシを目指す登山者だけになるため、行き交う人はグッと減ります。まさに鈴鹿山地の奥座敷に相応しい秘境の雰囲気です。
写真:土庄 雄平
地図を見るそれでは杉峠を越えると、一つ目のピーク「イブネ(標高1160m)」を目指します。実は、ここまでイブネクラシと一括りにしてきましたが、実は「イブネ」と「クラシ」の二峰。一続きの山として認識されており、”イブネクラシ”という呼称が定着しています。
写真:土庄 雄平
地図を見るさてイブネへの道ですが、途中から雰囲気がガラリと変わるのがポイント!鈴鹿らしい笹原と樹林が織りなす風景の中に、突如苔の絨毯が広がっていきます。山の稜線に苔がびっしり生えている景観は何だかミステリアス。展望も次第に開けてきて、山頂へのクライマックスを迎えます。
写真:土庄 雄平
地図を見るそしてスタートから約3時間半で「イブネ」へゴール!するとそこには一面、苔がびっしりと群生した台地が広がります。
晴れているときも良いですが、霧が出ているとより一層神秘的!水滴がしたたる苔は鮮やかさを増し、潤いを纏った佇まいは、なぜか生命力を感じさせてくれます。
写真:土庄 雄平
地図を見る山頂に到着したら、苔の鑑賞を楽しみながら、ぜひ少し寝転んでみて下さい。フワッとした感触が優しく身体を支えてくれ、極上の寝心地です。
空に浮かぶ雲を眺めたり、稜線に吹く風に清々しさを感じたり。"山ならではの世界"をボーっと味わうにはもってこいのスポットです。
他の鈴鹿に比べると、やや地味ではありますが、密かにファンが多いのは、こうした野趣あふれる癒しの時間が過ごせるからでしょう。
なお「クラシ(1145m)」は、イブネから徒歩10分〜15分ほどにある最奥のピーク。イブネに比べて開けていませんが、樹林と苔が織りなす不思議な景観を見せてくれます。また5月〜6月はシャクナゲも彩りを加えるため、特に人気が高いです。
写真:土庄 雄平
地図を見る日本百名山に選定されている山が一つもない「鈴鹿山地」。しかしながら、そのポテンシャルは本当に高いです。鈴鹿セブンマウンテンズを見ても、どれも個性に富んでおり、唯一無二の名峰ばかり。加えて、それ以外の山々も独自の世界観を有しています。
特に今回紹介した「イブネクラシ」は、その代表格。山上に苔の台地が広がる景観は、多くの登山者の心を魅了しています。アプローチは少し大変ですが、ぜひ一度挑戦してみて下さい!
住所:滋賀県東近江市甲津畑町
アクセス:国見峠から徒歩往復7時間、岩ヶ谷林道から徒歩往復7時間
※ロープウェイの営業時間が4月1日〜11月30日は9時〜17時20分、12月1日〜3月31日は9時〜16時20分なので注意しましょう。冬季に挑戦する場合は、コースタイムが厳しく積雪の可能性もあります。装備を入念にして岩ヶ谷林道(滋賀側)から登るのがオススメです。
2020年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/10/10更新)
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