佐渡のラピュタをどこから眺める?おすすめ絶景撮影スポット

佐渡のラピュタをどこから眺める?おすすめ絶景撮影スポット

更新日:2020/11/02 17:15

Mayumi Kawaiのプロフィール写真 Mayumi Kawai 絶景ハンター、トラベルライター、自称ミステリーハンター
崩れかかった廃墟、はびこる苔や蔦、歴史に取り残されたようなノスタルジー漂う世界…。あのジブリの名作『ラピュタ』の世界観に似た風景が、実は新潟県沖合に浮かぶ佐渡島にも存在することをご存知ですか?

佐渡金銀山の繁栄を支えた近代産業遺産の一つ、「北沢浮遊選鉱場」。これが「佐渡のラピュタ」として近年人気を集めています。今回はそのベストショットを収めるべく、絶景撮影スポットをご紹介します。

「佐渡のラピュタ」といわれる「北沢浮遊選鉱場」とは

「佐渡のラピュタ」といわれる「北沢浮遊選鉱場」とは

写真:Mayumi Kawai

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日本、あるいは世界中に「ラピュタっぽい」と呼ばれるスポットは存在しますが、実は新潟県沖合に浮かぶ佐渡島にもそんな隠れスポットが存在します。それが、「佐渡のラピュタ」として人気を集める「北沢浮遊選鉱場(きたざわふゆうせんこうば)」です。

佐渡といえば、日本最大級の鉱山として歴史に名を刻んだ佐渡金銀山が有名。古くは平安時代の『今昔物語集』にも砂金の島として登場し、開発が本格化した江戸時代には徳川幕府の直轄地として世界有数の産出量を誇りました。明治期以降は諸外国の最新技術を積極的に導入、昭和の戦時下では国策としてさらなる増産体制を構築すべく、次々に当時最新鋭の関連施設が建造されました。その一つが、粉砕した鉱石と浮遊剤を混ぜて金銀を抽出する施設「北沢浮遊選鉱場」です。

「佐渡のラピュタ」といわれる「北沢浮遊選鉱場」とは

写真:Mayumi Kawai

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鉱脈の枯渇と金価格の下落によって1989年(平成元年)に終焉を迎えた佐渡金銀山。廃墟と化したこの工場跡地はやがて、ゴルフの打ちっぱなしの施設や地元高校のプールが作られたりと、その存在は生い茂る草木とともに埋もれていきました。

しかし、近年その価値が見直され、日本の鉱業の近代化を支えた貴重な文化遺産として保存活動が本格化。そして今、ユネスコの世界遺産登録に向けて推進されています。

「佐渡のラピュタ」といわれる「北沢浮遊選鉱場」とは

写真:Mayumi Kawai

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「ラピュタ」を想起させる苔むした北沢浮遊選鉱場跡に、古代の円形劇場を思わせるシックナー(泥状の鉱石を水分と分離する装置)。これらは佐渡の新たな絶景スポットとして近年注目を集めています。

そんな北沢浮遊選鉱場のベストショットを収めるべく、ガイドブックなどではあまり語られない撮影スポットについて今回ご紹介します。

その1:佐渡奉行所跡前の展望台

その1:佐渡奉行所跡前の展望台

写真:Mayumi Kawai

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まず1つ目は、北沢浮遊選鉱場跡からもっとも近いところにある佐渡奉行所跡前の展望台。選鉱場から道路沿いに坂を登ること約500m、佐渡奉行所跡の向かいに少し開けた展望台が設置されています。目印はこの時計塔。時計台の向こうには佐渡市立相川病院が建っています。

その1:佐渡奉行所跡前の展望台

写真:Mayumi Kawai

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この展望台からは、全体を大きく俯瞰し、シックナーがよく見えます。ただし、北沢浮遊選鉱場自体は生い茂る草木に隠れてよく見えませんね。

北沢浮遊選鉱場を俯瞰したい場合は、シックナーの真上に少し顔をのぞかせるお寺のあるところまで移動します。

その2:総源寺前の展望台

その2:総源寺前の展望台

写真:Mayumi Kawai

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2つ目の撮影スポットは、北沢浮遊選鉱場から250mほど来た道を戻り、新潟県立佐渡高等学校相川分校方面への分岐を左へ坂を登ること約600m、住宅街のさらに奥に佐渡の禅寺「総源寺」が建っています。場所はシックナーのちょうど真上にあたり、お寺の目の前には小さな展望スペースが用意されています。

その2:総源寺前の展望台

写真:Mayumi Kawai

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シックナーを真下に見下ろしながら、北沢浮遊選鉱場全体を俯瞰できるベストポジションです。日が傾くと逆光になるため、午前、午後早めの撮影がおすすめです。

その3:佐渡市立相川病院の駐車場

その3:佐渡市立相川病院の駐車場

写真:Mayumi Kawai

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3つ目の撮影スポットは、佐渡奉行所跡前の斜め前に建つ佐渡市立相川病院敷地内の駐車場です。場所は、佐渡金銀山方面に進んだ道路沿いに立つ「弥十郎町(やじゅうろうまち)」と書かれたこの案内板が目印です。

その3:佐渡市立相川病院の駐車場

写真:Mayumi Kawai

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案内板近くに設置された相川病院従業員用駐車場から見下ろす眺望がこちら。北沢浮遊選鉱場の真上に位置するため選鉱場自体は写りませんが、ガイドブックやパンフレットによく起用される美しい円形シックナーが眺められます。

なお、あくまでも病院の敷地内ですのでマナーを守って撮影しましょうね。

最後は世界遺産登録や佐渡への想いを込めたライトアップ

最後は世界遺産登録や佐渡への想いを込めたライトアップ

写真:Mayumi Kawai

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北沢浮遊選鉱場跡では、日没頃から22時までの夜間、プロジェクションマッピングを利用したライトアップが開催されています。赤、青、紫、ピンク、緑、レインボーなど、色とりどりのライトで照らし出された廃墟は、独特の音楽演出とともにそこだけ異次元な幻想空間が広がっています。観光客も少なめなのでじっくり楽しめます。
※イベントの詳細、期間等は、本ページ末尾の「関連MEMO」にある「にいがた観光ナビ」をご参照ください。

最後は世界遺産登録や佐渡への想いを込めたライトアップ

写真:Mayumi Kawai

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川を挟んだ対面に位置するシックナーもまたライトアップされていますが、こちらはカラフルな演出はなく、ただひっそりと暗闇に浮かびあがっています。あたりに漂う異様な静けさと相まって、ちょっとゾクッとする美しさです。

ぜひ今度佐渡を訪れた際には、下からただ見上げて鑑賞するだけでなく、上から下から、昼夜と、さまざまな角度で「佐渡のラピュタ」を楽しんで、ベストショットをまわりに自慢してみてくださいね。

北沢浮遊選鉱場跡の基本情報

住所:新潟県佐渡市相川北沢町3-2
電話:0259-27-5000(佐渡観光情報案内所)
アクセス:車の場合、両津港から車で約50分
バスの場合、両津港から路線バスの本線に乗り、土日の場合は「相川博物館前」バス停直行便有り、バス停から徒歩2分。平日の場合は両津港からバスで「佐渡病院」バス停下車、七浦海岸線に乗り換え「相川博物館前」にて下車。所要約1時間半

2020年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2020/09/16−2020/09/19 訪問

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