写真:土庄 雄平
地図を見る一概に雪山と言っても、登る山によって格段にレベル差があります。最初から本格的な雪山は危険があるためお勧めしません。
「比較的標高が低く、積雪量が適度、人気」の三拍子が揃った山から登り始めるのがベターです。こうした山であれば、他の登山者の足跡で登山道がならされ、体力的な負荷も少なく、安心して登ることができます。
今回紹介する福井「取立山(標高1307m)」は、まさにそんな雪山初心者が挑戦するにはもってこいの山。
登山口から往復約5.5km、歩行時間3〜4時間という簡単な内容でありながら、山頂周辺では、日本三大霊山・白山(標高2702m)の大パノラマを楽しむことができる名山です。
写真:土庄 雄平
地図を見るまずアクセスについてですが、ここが取立山の難易度を下げてくれているポイント!
勝山市街から国道157号線を車で約25分、キャンプ場・東山いこいの村へと向かう林道へ右折したら、そこから15分程で広い駐車場へと辿り着きます。駐車場の標高は約900m。登頂まで標高差400mまでに抑えられるのがとても大きいアドバンテージです。
※積雪が多い場合、ここまで入れない可能性があります。その際は、東山いこいの村か、国道にある駐車場を利用してください。
写真:土庄 雄平
地図を見るそれでは登山開始ですが、前半は雪の林道歩き。斜面は緩やかで道は明瞭なので、サクサクと進むことができます。
ここまでは登山というよりハイキングという感覚ですが、雪山という非日常の世界を歩いている冒険感覚、どこか寂しげながらしっとりとした雪山の情緒を満喫できます。
写真:土庄 雄平
地図を見るそして中腹、ようやく林道から登山道へ切り替わります。ここまで来ると雪が完全に地面を覆う積雪量。そして周囲に連なる両白山地の山並みが望めます。さぁ、いよいよ本格的な雪景色の中に突入です。
写真:土庄 雄平
地図を見る林道から先は、少し傾斜が上がり、山頂までひたすら登りを進んで行きます。積雪量によって負荷は変わりますが、土日であれば前に歩いた登山者の足跡で、あまり足が埋まらず歩けるはず。
雪質によっては少し滑るかもしれないので、必要に応じてアイゼン(靴のソールに取り付ける爪状の固定具)を使用しましょう。
写真:土庄 雄平
地図を見る枯れた木々の中、真っ白な斜面を切り開いていく感覚は、まさに非日常。登山者が比較的多いとはいえ、それでも閉ざされた雪山ならではの孤高の雰囲気が感じられます。
スタートの時は辛かった寒さも体が温まるにつれ段々と涼しさへと変わり、一歩一歩雪を踏みしめて進んでいく感覚も一興です。
写真:土庄 雄平
地図を見るそして林道が終わってから20分程、いよいよラストの稜線へ突入!最初は少し狭いので注意が必要ですが、山頂に近づくにつれて道幅が出てきます。そして行く手に白銀の山を望めば山頂に到着です。
写真:土庄 雄平
地図を見る山頂に辿り着けば、そこにはどどーんと日本三大霊山の白山の大迫力の山容が!その名の通り、雪の時期には、山全体が一面真っ白に染まり、思わず息を呑む壮麗な佇まいへと変わります。日本屈指の高峰の雪化粧は、見惚れるほど美しく、そしてダイナミックです。
写真:土庄 雄平
地図を見るなお白山を眺められる山は数多くありますが、これほど間近に眺められる山は中々ありません。またそれら他の山は、行程的に初心者が行くにはレベルが高いところも多いのが現状。そのため「取立山」の存在は、きわめて稀有。
写真:土庄 雄平
地図を見る山頂は広々としているので、休憩にはもってこい。カスバーナーなどを持参してコーヒーを飲めば、非日常の至福のひとときです。持っていない方は魔法瓶に入れてお湯を持ち運ぶと良いでしょう。
おすすめは、近くの越前大野にあるモモンガコーヒーの荒島ブレンド。深いコクと鮮やかな渋みが、心洗われる白銀の絶景をより一層味わい深いものにしてくれます。
写真:土庄 雄平
地図を見る一見ハードルの高い雪山登山というアクティビティ。確かに、装備や計画、体力などあらゆる点で、無雪期の登山よりレベルが上がります。しかしながら、それを乗り越えてでも見たい美しい世界があり、一度その虜になると中々抜け出せません。
今回紹介した福井「取立山」は、雪山入門としてとてもオススメしたい山。距離・標高差ともに初心者向けで安全、そして山頂からは雪山に登らないと見られない圧倒的な絶景が待っています。
ぜひ一度挑戦してみてはいかがでしょうか?きっと美しい衣を纏った霊峰の山容は、一度見たら忘れられないはず!
住所:福井県勝山市北谷町
アクセス:勝山市街から取立山登山口まで車で約40分、登山口から山頂まで往復3時間〜5時間(積雪量による)
※備考
・登山届を登山口で必ず提出すること。
・防水ウェア(上下)、防水グローブ、防水トレッキングシューズ、アイゼン(4本爪)を持参しましょう。
・天候不良の場合、無理に登らないようにしてください。
・初心者の方は登山者が多い土日に登るのがベターです。
2020年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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この記事を書いたナビゲーター
土庄 雄平
1993年生まれ、愛知県豊田市出身、同志社大学文学部卒。第二新卒を経験後、メーカー営業職とトラベルライターを両立。現在は、IT企業に勤務しながら、自然や暮らしに一歩踏み込む、情報発信に精を出す。山岳雑…
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