愛媛・海が広がる天空の鳥居「権現山」と奇岩滝群の「薬師谷渓谷」

愛媛・海が広がる天空の鳥居「権現山」と奇岩滝群の「薬師谷渓谷」

更新日:2020/10/29 12:16

春野 公比呂のプロフィール写真 春野 公比呂 歴史研究家、郷土文筆家、郷土登山家
愛媛県の宇和島市街地背後、鬼ヶ城山系の権現山(952m)の最短コースには、「となりのトトロ」のトトロのトンネルを彷彿させる樹木のトンネルがあります。山頂の山高神社の鳥居からは市街地から宇和海を一望でき、「天空の鳥居」たる景観を有しています。別の登山コースにある薬師谷渓谷は浸食による奇岩や甌穴の滝群がありますが、岩が門のようになった所の奥に滝が懸かる等、奇勝も楽しめます。

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まさしく「トトロのトンネル」権現山

まさしく「トトロのトンネル」権現山

写真:春野 公比呂

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権現山は鬼ヶ城山系随一のピラミダルな山容をしているため、登頂欲がそそられる山ですが、道標が完備しているコースの中で最短である黒尊スーパー林道コース登山口の標高は、山頂より高い約990mのため、帰路より往路が楽です。登頂に要する時間は30数分で、初心者でも登れます。

登山口から下って行き、尾根に乗ってからアザミ峠までの区間は、道の両側の中低木が頭上を覆い、トトロのトンネルと化しています。

まさしく「トトロのトンネル」権現山

写真:春野 公比呂

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アザミ峠からも緩やかな起伏の道が続きますが、本格的な「上り」に差し掛かった地点には、銀色の鳥居が設置されています。樹林の中に光る鳥居は神秘的でもありますが、ここからは神域になるため、山中でトイレ等はできません。

まさしく「トトロのトンネル」権現山

写真:春野 公比呂

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「本格的な上り」と言っても、高度に於いて僅か80mほど登るだけのため、造作ありません。道は山頂の山高神社の社殿背後に出ます。中に祀られているのは権現像です。表に回ると立派な石灯籠が建立されてあり、その前にはまたも銀色の鳥居が。日光がこの鳥居に当たると、神々しい眩さになることでしょう。

標高900m超故の高度感ある海の絶景

標高900m超故の高度感ある海の絶景

写真:春野 公比呂

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かつて鳥居奥に撮影の邪魔になる灌木はあまりなかったのですが、その頃「天空の鳥居」と呼ぶ者はいませんでした。鳥居と天空たる景色を一緒に撮るには、神社の石段から撮るといいでしょう。権現山は鬼ヶ城山系中、最も海に近く、且つ、全国一有名な天空の鳥居、香川県高屋神社の2倍以上の標高を誇るため、破格の高度感がある海の展望が広がります。

標高900m超故の高度感ある海の絶景

写真:春野 公比呂

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鳥居前からも宇和海の展望が広がりますが、本土に近い九島を鳥居の中に入れると、アクセントのついた「鳥居枠写真」になります。

標高900m超故の高度感ある海の絶景

写真:春野 公比呂

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権現様に遠慮したのか、三角点は鳥居の外側に設置されてあり、その斜め下には3人位しか立つことができない狭い展望岩があります。ここからは絶景が広がっており、宇和島城を擁す宇和島市街地から宇和海の彼方まで、胸のすく展望が得られます。

豪快な滝と美しい淵・薬師谷渓谷

豪快な滝と美しい淵・薬師谷渓谷

写真:春野 公比呂

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登山愛好家の中には下って登頂することを良しとしない方も多く、その方たちはよく、北西麓の薬師谷渓谷から登るコースを利用しています。また、12月下旬から2月は黒尊スーパー林道が積雪で通れないことも多いことから、そんな時、利用したいコースです。

薬師谷渓谷は宇和島市街地から車で僅か15分ほどの距離にあるものの、新生代第三紀の花崗岩を急流が浸食した幽谷の美は、一見の価値があります。遊歩道に入って最初に現れる滝がこの渓谷を象徴する「岩戸滝」です。その名の通り、両岸の巨岩が天岩戸のようになっており、その奥に滝が懸かっています。見る角度によっては、洞穴の中に滝があるようにも見えます。

豪快な滝と美しい淵・薬師谷渓谷

写真:春野 公比呂

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次の萬代(よろずよ)の滝は真上に橋が懸っており、飛瀑を間近に見下ろすことができます。その次に現れる雪輪の滝は渓谷最大の滝で落差約30m。滝壺も広く、長径は20mに及びます。

豪快な滝と美しい淵・薬師谷渓谷

写真:春野 公比呂

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名の付いた滝群が終わって以降も、滝を伴う瓢箪の形をした甌穴の渕「大瓢箪」や「小瓢箪」等が現れますが、水の色が鮮やかなエメラルドグリーンで、とにかくきれいです。

薬師谷川支流の隠れた滝・オタカ滝

薬師谷川支流の隠れた滝・オタカ滝

写真:春野 公比呂

薬師谷渓谷を形成する薬師谷川は遊歩道の終点から上流も岸が歩き易くなっており、支流には隠れた滝もあります。
薬師谷川は上流では涸れ沢になっているので、川床を歩き、「人工の天岩戸」たる外観をした円筒形の門のような砂防ダムを抜けると、沢が分かれますが、南に分岐するクマ谷(水無川)沿いを登っていきます。

しばらく登ると無名の滝が現れます。滝壺から見るとあまり落差は感じられませんが、川床が滑らかで傾斜が上部では緩くなっているため、実際は見た目より落差があります。

薬師谷川支流の隠れた滝・オタカ滝

写真:春野 公比呂

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その上流にも落差は小さいながらも、二条の瀑布がX字状に交差する無名の滝があります。そして岸が登れなくなった標高450m地点にも、本流の滝と支流の滝が一つの滝壺に落下する珍しい景観があります。

本流の滝(写真左側)は緩傾斜で滑らかな川床を滑るように落下しており、支流の滝(写真右側)も下部では同じような形状になっています。尚、グーグルマップの等高線標高は正しくありません。

薬師谷川支流の隠れた滝・オタカ滝

写真:春野 公比呂

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支流の滝は「オタカ滝」で、落差は20m以上あるように見受けられます。正面からの写真ではあまり落差が感じられないかも知れませんが、中ほどから下は岩肌に水膜が張られた程度の水量しかありません。しかし雨後は本流の滝をはるかに凌駕する迫力になります。

権現山と薬師谷渓谷の基本情報

所在地:愛媛県宇和島市川内
電話番号:0895-22-3934(宇和島市観光物産協会)
アクセス:
権現山・薬師谷コース(薬師谷渓谷) ・・・JR宇和島駅前から宇和島自動車の「薬師谷」か「薬師谷渓谷」行きの路線バスに乗車し、終点降車。「薬師谷」バス停から徒歩20分、「薬師谷渓谷」バス停からは徒歩5分で薬師谷渓谷入口。そこから徒歩2時間20分で権現山山頂

権現山・黒尊スーパー林道コース・・・JR宇和島駅から車にて40〜50分ほどで登山口。そこから30数分で山頂。帰路は40分少々。尚、高知県四万十市側からスーパー林道に入った場合、登山口の道標の文字が見えないため注意

2020年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2020/10/25 訪問

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