写真:Mayumi Kawai
地図を見る807年、弘法大師(空海)の開基より1200年以上続く佐渡の古刹・長谷寺(ちょうこくじ)。奈良大和路の古刹・長谷寺(はせでら)に地形が似ていることから寺号を長谷寺と命名し、真言宗豊山派の流れをくむ由緒正しきお寺です。
弘法大師作と伝えられるご本尊の十一面観音像三体は国の重要文化財に指定されているほか、県指定文化財の十一面観音像、不動明王像、五智堂など数々の貴重な宝物を有しています。
春には桜や水芭蕉、レンギョウにつつじ、初夏にはあじさいやサツキ、夏にはむくげや百日紅(さるすべり)、秋にはコスモスに紅葉と、境内は四季折々の花に彩られ、長谷寺は別名「花の寺」とも呼ばれています。
特に1200年前、弘法大師が漢方薬として持ち帰ったと伝えられる5月の花・牡丹は、現在約30種類1000株が栽培され観賞用となるほか、地元酒造メーカー「北雪酒造」の協力により、花弁を使用したお酒のリキュールが製造販売されています。
写真:Mayumi Kawai
地図を見るそんな弘法大師ゆかりの古刹かつ花咲ける長谷寺で今もっともホットな話題は「親子ウサギ観音」!佐渡観光の新たな目玉として、また佐渡のニューシンボルとしてじわじわと人気を集めています。
写真:Mayumi Kawai
地図を見る本堂お隣の庫裏(くり、寺務所兼住職の住居)前の広場に鎮座するのは、高さ6mもの巨大ウサギ観音像と子ウサギ観音像。
マーライオンがシンガポールを象徴するように、このウサギ観音で低迷する佐渡観光を盛り上げたい、その一方で、老朽化する当寺の各種文化財等への修理保全費用も捻出したい、これらの切実な願いと目的によってウサギ観音建立計画が始動します。そして、まずは2018年11月に親ウサギ観音像が、続いて2020年3月に子ウサギ観音像が完成しました。
写真:Mayumi Kawai
地図を見る境内の至るところに身を潜め、ぴょんぴょん飛び跳ねてまわる自由なウサギたち。なぜ、これだけ長谷寺にウサギが多いのかというと、実は境内には牡丹をはじめ、薬膳料理に使用するたんぽぽやシソ、ヨモギ、どくだみ、シソセンジなどが自生しており、また参拝者の健康にも配慮して、雑草取りに除草剤を使えないといった悩ましい事情がありました。
そこで、薬剤を使わず人手不足も解消できる一挙両得な除草手段として思いついたのがウサギを使うといった名案。境内から逃げ出さずに雑草を食べてくれるよう、ちびウサギの頃から修行(訓練)を行い、今では「草取りウサギ」として立派にお務めを果たすとともに当寺の愛すべきマスコットキャラとなっています。
写真:Mayumi Kawai
地図を見る「境内の雑草を食べてくれている草取りウサギさんを守って欲しい」、そんな願いを込めて、ウサギ観音の胴体には当山の十一面観音様のご尊顔が彫られています。また夜にはLEDで目が赤く光るシュールで遊び心ある仕掛けも取り入れています。
何より、ウサギはその愛らしい姿はもとより、ぴょんぴょん前へ飛び跳ねる姿から「飛躍」や「前進」を、大きな耳は良質な情報(福)をキャッチし、多産は子孫繁栄を象徴しています。さらに、「月の使い」と考えられたウサギは「月=ツキ=運」をもたらし、かつ古事記に登場する「因幡の白うさぎ」のように男女の良縁をとりもつ生き物として、実に縁起の良い動物なんです。これらのご利益にあやかりたい方は、ぜひ親子ウサギ観音を参拝してみてくださいね。
写真:Mayumi Kawai
地図を見るウサギ観音像の向かいには、草取りウサギたちの小屋と修行中のウサギのケージが設置されています。修行中のウサギたちはケージの中で3〜6ヶ月間訓練されたのち、境内に放たれます。
写真:Mayumi Kawai
地図を見る運が良ければ、生まれたてほやほやのこんな愛らしい赤ちゃんウサギに出会えるかも!通常、小さいうちは餌代がかかるため、里親にある程度まで保育してもらいます。
写真:Mayumi Kawai
地図を見るこちらは2020年8月にやってきた副住職見習いのちびコロくん。キュートな眼差しで参拝者にご挨拶してくれます。先輩犬の副住職コロじいは境内を巡回中。キュートなわんこにもふもふウサギ、動物好きなら絶対外せないスポットですね。
写真:Mayumi Kawai
地図を見る境内の庭園では季節に応じた花々が楽しめるほか、本堂や第1〜第6まである寺宝展示室にて県指定文化財の十一面観音像や不動明王像、伝弘法大師御筆による絵図や軸物など寺の宝物を見学することができます。これらは住職自らによる案内のもと、拝観者の時間的余裕に応じて観光コースが設定されています。
また、写経や座禅、仏教法話のほか、お棺に入って死と向き合うなどユニークな暗闇体験や、切り絵、手作りローソク、万華鏡作りなどお子様でも楽しめる工作コースも用意されています。いずれも予約制のため、詳しい内容は本ページ末尾の「関連MEMO」にある公式サイトをチェックしてみてください。
写真:Mayumi Kawai
地図を見るこちらは本堂前庭の築山にそびえ立つ、幹周り約4.6m、樹高40m以上、推定樹齢500年以上の高野槇(こうやまき)。和歌山県高野山に多く自生する種類であることからこの名が付けられ、県の天然記念物にも指定されています。
高野槇の御神木の根元には300年前から地蔵尊が鎮座しており、この幹に触れることで二重のご利益を授かれる「ダブルパワースポット」として人気スポットとなっています。
写真:Mayumi Kawai
地図を見る石段の最上段にある観音堂。その横には幹周り6.4m以上、樹高約50m、推定樹齢1000年を超える巨大な「長谷の三本杉」がそびえ立っています。こちらも県指定天然記念物で、高野槇に匹敵する風格とただならぬパワーを感じさせます。
観音堂奥には地蔵院や仏教の経典を収める経蔵倉、県指定文化財の五智堂がひっそりたたずみ、鬱蒼とした森と静寂に包まれ、実に神秘的な空間です。
写真:Mayumi Kawai
地図を見るウサギの島といえば瀬戸内海に浮かぶ大久野島が有名ですが、佐渡のウサギ寺はもふもふウサギとふれあえるほか、ご利益まであやかれる一挙両得なありがたいスポットです。ぜひ今度、佐渡を訪れた際には、佐渡期待のニューシンボル・ウサギ観音と草取りウサギに会いに長谷寺を訪れてみませんか?
住所:新潟県佐渡市長谷13
電話番号:0259-66-2052
アクセス:両津港から車・タクシーで約30分。公共交通機関はありません。
拝観料:無料(体験コースのみ一部有料)
2020年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/9/15更新)
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