トルコ・イスタンブールの美しいモスク3選!設計はバルヤン一族

トルコ・イスタンブールの美しいモスク3選!設計はバルヤン一族

更新日:2020/11/08 17:48

山口 琴美のプロフィール写真 山口 琴美 モスクマニア
アルメニアに出自を持つバルヤン一族は、18世紀から19世紀にかけてオスマン帝国のスルタンに仕えた宮廷建築家として知られています。バルヤン一族は、ドルマバフチェ宮殿をはじめとする宮殿や邸宅、教会のほか、ムスリムの礼拝の場であるモスク(ジャーミィ)の設計にも携わりました。トルコ最大の都市イスタンブールに現存する、バルヤン一族が手掛けた美しいモスクをご紹介しましょう。

ヌスレテェイエ・モスク

ヌスレテェイエ・モスク

写真:山口 琴美

地図を見る

ボスポラス海峡に面するトプハーネ地区を象徴するモスクが、1826年に完成した「ヌスレテェイエ・モスク」です。

当時、国の西洋化を試みていたオスマン帝国第30代目皇帝のマフムト2世は、反西洋化改革勢力であったイエニチェリ(オスマン帝国常備軍歩兵)の廃止に成功しました。この出来事を「勝利(ヌスレテェイエ)」とし、モスクにもこの出来事に因んだ名がつけられました。

ヌスレテェイエ・モスク

写真:山口 琴美

地図を見る

モスクの設計はクリコル・バルヤンに任されました。クリコルは、イスタンブールのアジア側を代表する宮殿、ベイレルベイ・サラユなどの設計も手掛けた実力者で、その腕前はこのモスクの細部にも発揮されています。西洋の宮殿のようなバロック様式の美しいデザインに注目してみてください。

<基本情報>
住所:Kilicali Pasa,Meclisi Mebusan Cd.,34425 Beyoglu/Istanbul
アクセス:トラムT1線「トプハネ」駅から徒歩約5分

オルタキョイ・ビュユク・メジディエ・モスク

オルタキョイ・ビュユク・メジディエ・モスク

写真:山口 琴美

地図を見る

イスタンブール随一の景勝地ともいわれる、オルタキョイ。ボスポラス海峡沿いに建つモスクと、ヨーロッパとアジアを結ぶボスポラス大橋の美しいコラボレーションを観ることができるオルタキョイには、屋台やカフェ、おしゃれな飲食店が多く、いつも大勢の人で賑わっています。

そんなオルタキョイを代表するモスクが「オルタキョイ・ビュユク・メジディエ・モスク」です。このモスクはオスマン帝国第31代皇帝のアブデュルメジトの命により1853年に建設が開始されました。

モスクの設計を手掛けたのはガラベット・アミラ・バルヤンと彼の息子ニゴアヨス・バルヤンでした。従来のオスマン建築様式に、当時流行っていたネオ・バロック様式を織り交ぜた、西洋風のモスクを造り上げました。

オルタキョイ・ビュユク・メジディエ・モスク

写真:山口 琴美

地図を見る

モスク内部は、ボスポラス海峡の青とのコントラストが美しいピンク色が印象的な空間になっています。天井から吊るされた豪華絢爛のシャンデリア、そして細部に施された繊細な装飾にも注目して見学してみてください。

<基本情報>
住所:Mecidiye,Mecidiye Koprusu Sk.No:1 D:1,34347 Besiktas/Istanbul
アクセス:カバタシュやタクシムから22、25E、40、40T、42T系統のバスに乗車、バス停「カバタシュ・リセスィ」で下車し徒歩約3分

ドルマバフチェ・モスク

ドルマバフチェ・モスク

写真:山口 琴美

地図を見る

アブデュルメジトの母、ベズミ・アレム・ヴァリデ・スルタンの命により建設されたのは「ドルマバフチェ・モスク」です。1853年に建設が開始されましたが、彼女はモスクの完成を見届けることなく亡くなってしまいました。モスクの建設は、息子のアブデュルメジトに見届けられて続行され、1855年に完成しました。

ドルマバフチェ・モスク

写真:山口 琴美

地図を見る

設計を手掛けたのは、オルタキョイ・モスクのほか、ドルマバフチェ宮殿の設計も手掛けたガラベット・アミラ・バルヤンです。

メッカのカアバ神殿の方角を示すミフラーブはちょうどボスポラス海峡側の壁に設置されており、神々しい光が差し込む堂内は静謐な空気に満ちています。ドルマバフチェ宮殿を思わせるような重厚感溢れる装飾は、従来のオスマン様式のモスクではなかなか見ることができません。

<基本情報>
住所:Omer Avni,Meclis-i Mebusan Cd.No:34,34427 Beyoglu/Istanbul
アクセス:トラムT1線「カバタシュ」駅から徒歩約10分

オスマン様式とバロック様式の折衷を堪能しよう!

バルヤン一族が残した多くの建築物は、18〜19世紀のイスタンブールの西洋化、近代化を象徴しているものが多く、モスクを訪れるだけで当時の風潮や建築様式の変化を実際に感じることができます。イスタンブールを訪れたら、従来のオスマン様式の中に西洋の建築様式が織り込まれたバルヤン一族によるモスクに足を運んでみてはいかがでしょうか。

2020年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2020/03/10 訪問

旅行プランをさがそう!

このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!

条件を指定して検索

- PR -

新幹線特集
この記事に関するお問い合わせ

- 広告 -