写真:山口 琴美
地図を見るボスポラス海峡に面するトプハーネ地区を象徴するモスクが、1826年に完成した「ヌスレテェイエ・モスク」です。
当時、国の西洋化を試みていたオスマン帝国第30代目皇帝のマフムト2世は、反西洋化改革勢力であったイエニチェリ(オスマン帝国常備軍歩兵)の廃止に成功しました。この出来事を「勝利(ヌスレテェイエ)」とし、モスクにもこの出来事に因んだ名がつけられました。
写真:山口 琴美
地図を見るモスクの設計はクリコル・バルヤンに任されました。クリコルは、イスタンブールのアジア側を代表する宮殿、ベイレルベイ・サラユなどの設計も手掛けた実力者で、その腕前はこのモスクの細部にも発揮されています。西洋の宮殿のようなバロック様式の美しいデザインに注目してみてください。
<基本情報>
住所:Kilicali Pasa,Meclisi Mebusan Cd.,34425 Beyoglu/Istanbul
アクセス:トラムT1線「トプハネ」駅から徒歩約5分
写真:山口 琴美
地図を見るイスタンブール随一の景勝地ともいわれる、オルタキョイ。ボスポラス海峡沿いに建つモスクと、ヨーロッパとアジアを結ぶボスポラス大橋の美しいコラボレーションを観ることができるオルタキョイには、屋台やカフェ、おしゃれな飲食店が多く、いつも大勢の人で賑わっています。
そんなオルタキョイを代表するモスクが「オルタキョイ・ビュユク・メジディエ・モスク」です。このモスクはオスマン帝国第31代皇帝のアブデュルメジトの命により1853年に建設が開始されました。
モスクの設計を手掛けたのはガラベット・アミラ・バルヤンと彼の息子ニゴアヨス・バルヤンでした。従来のオスマン建築様式に、当時流行っていたネオ・バロック様式を織り交ぜた、西洋風のモスクを造り上げました。
写真:山口 琴美
地図を見るモスク内部は、ボスポラス海峡の青とのコントラストが美しいピンク色が印象的な空間になっています。天井から吊るされた豪華絢爛のシャンデリア、そして細部に施された繊細な装飾にも注目して見学してみてください。
<基本情報>
住所:Mecidiye,Mecidiye Koprusu Sk.No:1 D:1,34347 Besiktas/Istanbul
アクセス:カバタシュやタクシムから22、25E、40、40T、42T系統のバスに乗車、バス停「カバタシュ・リセスィ」で下車し徒歩約3分
写真:山口 琴美
地図を見るアブデュルメジトの母、ベズミ・アレム・ヴァリデ・スルタンの命により建設されたのは「ドルマバフチェ・モスク」です。1853年に建設が開始されましたが、彼女はモスクの完成を見届けることなく亡くなってしまいました。モスクの建設は、息子のアブデュルメジトに見届けられて続行され、1855年に完成しました。
写真:山口 琴美
地図を見る設計を手掛けたのは、オルタキョイ・モスクのほか、ドルマバフチェ宮殿の設計も手掛けたガラベット・アミラ・バルヤンです。
メッカのカアバ神殿の方角を示すミフラーブはちょうどボスポラス海峡側の壁に設置されており、神々しい光が差し込む堂内は静謐な空気に満ちています。ドルマバフチェ宮殿を思わせるような重厚感溢れる装飾は、従来のオスマン様式のモスクではなかなか見ることができません。
<基本情報>
住所:Omer Avni,Meclis-i Mebusan Cd.No:34,34427 Beyoglu/Istanbul
アクセス:トラムT1線「カバタシュ」駅から徒歩約10分
バルヤン一族が残した多くの建築物は、18〜19世紀のイスタンブールの西洋化、近代化を象徴しているものが多く、モスクを訪れるだけで当時の風潮や建築様式の変化を実際に感じることができます。イスタンブールを訪れたら、従来のオスマン様式の中に西洋の建築様式が織り込まれたバルヤン一族によるモスクに足を運んでみてはいかがでしょうか。
2020年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
この記事を書いたナビゲーター
山口 琴美
大学時代はロシア(モスクワ・サンクトペテルブルク)に留学し、その後はアメリカやヨーロッパなど18ヵ国に訪問しました。その中でもトルコは私にとって特別な場所であり、この国の魅力をもっと伝えたい!と思うよ…
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