写真:小野 雅子
地図を見るかつてはバルセロナに次ぐスペイン第2の工業都市として栄えたビルバオに、転機が訪れたのは20世紀末のこと。鉄鋼業や造船業が斜陽となったこの街に新しい息吹を与えた立役者が、ニューヨークに拠点を置くグッゲンハイム美術館です。
それに伴い工場排水に汚染された河川環境の改善をはじめ、現代にふさわしい都市整備が急速に進みました。そして約20年たった今のビルバオは、芸術とグルメ満載の観光都市として大人気!
写真:小野 雅子
地図を見るビルバオの街を歩くと随所に見られるのが、美しい流線型フォルムの地下鉄入口。どことなく日本の新幹線の先頭車両を思わせるデザインはイギリス人建築家ノーマン・フォスターによるもので、地下鉄ロゴの標識だけがある駅とは違い遠くからでも「あそこに地下鉄駅がある」とすぐ分かる実用性が秀逸ですね。
またビルバオ新市街ではモダンで斬新な建築物も多く、なかでもバスク保健衛生局のオフィスビルは一見の価値があります。
<バスク保健衛生局の基本情報>
住所:Alameda de recalde 39, 48008 Bilbao
アクセス:モユア駅下車から徒歩数分
写真:小野 雅子
地図を見るいっぽう歴史を感じさせる旧市街では荘厳なサンチャゴ大聖堂や聖ニコラス教会、またアリアガ劇場など昔ながらの建築群が見もの。1902年に建てられたサンタンデール駅のアールデコ様式ファサードも、しばらく見惚れてしまう美しさです。
<サンタンデール駅の基本情報>
住所:Estacion de la Concordia, Bailen Kalea, 2, 48003 Bilbo, Bizkaia
写真:小野 雅子
地図を見るニューヨークに拠点を置くソロモン・R・グッゲンハイム財団は、本拠地だけでなく現在のところヴェネツィアとビルバオにも現代アートの美術館を運営しています。
3つの中で最も新しいビルバオのグッゲンハイム美術館は、その外観だけでも充分アートそのもの。パリのルイ・ヴィトン財団美術館も手掛けたフランク・ゲーリーによるデザインは、曲面や直面を不定形に重ね合わせたようなフォルムが圧巻です。
写真:小野 雅子
地図を見る展示内容はグッゲンハイム財団の所有コレクションから選ばれた作品のほか、この美術館のためリチャード・セラに制作依頼した長さ102メートルもある「蛇」のように大規模な作品やインスタレーション、地元バスク出身芸術家の作品なども数多いのが特徴。
また美術館の外にはルイーズ・ブルジョワの巨大なクモ「ママン」、ジェフ・クーンズによるトピアリー彫刻「パピー」などが野外展示されています。特にウェストハイランド・テリアを模した「パピー」は高さ12メートル以上もあり、この美術館のシンボルと言える存在です。
写真:小野 雅子
地図を見る<グッゲンハイム美術館ビルバオの基本情報>
住所:Guggenheim Museum Bilbao, Abandoibarra Etorb., 2, 48009 Bilbo, Bizkaia
電話:+34-944-35-9080
写真:小野 雅子
地図を見るビルバオ市内の数ある有名建築のなかでも、新旧の個性が見事にミックスされたのがアスクナ・セントロアという複合レジャー施設。
もとは1909年にワイン貯蔵庫として造られたのですが、時代のニーズにより新しいワイン貯蔵庫が別の場所に完成したため、一時は解体の危機にありました。しかしビルバオ市民に愛されるスポーツ&文化の複合コンプレックスとして、画期的な改造を施し再生したのが2010年。設計は浅草のアサヒビール・スーパードライホールで日本でも有名なフィリップ・スタルクと、ティボ・マテューの共作です。
写真:小野 雅子
地図を見る外側から見ると、昔ワイン貯蔵庫だった頃の姿とさほど変わらないように見えるのですが・・・中に一歩入ると、その斬新で大胆な造りにきっと驚きますよ!
まず天井を見上げると、ガラス製の長い天窓かと思ったところがプール。直線レーンを泳いでいる人々のシルエットが見えて、まるで金魚鉢の底から見上げているよう。また1階にいると、合計43本もの柱が2階から4階を支えている高床式構造がよく分かります。その柱ひとつひとつのデザインが凝っているのも、芸術的なこだわりを感じますね。
写真:小野 雅子
地図を見る<アスクナ・セントロアの基本情報>
住所:Azkuna Zentroa, Arriquibar Plaza, 4, 48010 Bilbo, Bizkaia
電話:+34-944-01-4014
アクセス:地下鉄モジュア駅から徒歩数分
写真:小野 雅子
地図を見る美味しいもの盛りだくさんのスペインですが、ここバスク地方はことさら美食で有名。カフェやレストランも数多く、なかでもバルと呼ばれるカジュアルな居酒屋でのピンチョスは外せません。
今や日本でもタパスと同じくらい有名になったピンチョスは、ひと口大の食材をセンスよく組み合わせ楊枝などで刺したおつまみ風軽食の総称。バスク州にある村サンセバスチャンが発祥なので、まさにご当地グルメと言えます。
写真:小野 雅子
地図を見る新市街、旧市街ともに沢山のバルが競い合い、大抵のお店が美味しく当たり外れが少ないのがビルバオの嬉しいところ。でも時間に余裕があれば、豊かなグルメ食材を扱うメルカード(マーケット)にも行ってみませんか?
そこでお勧めしたいのは、リベラ市場という屋内メルカード。旧市街にあり前出のサンチャゴ大聖堂や聖ニコラス教会も至近距離なので、それらの観光とともに楽しめます。
ハモンと呼ばれる生ハム類やチョリソーに代表されるソーセージ類、またチーズにオリーブなどは少量を量り売りしてもらえば滞在中の軽食として味わえます。またメルカード内にある大きなフードコートでは、新鮮な食材を惜しみなく使ったピンチョスのカウンターが盛況。ランチにもぴったりです。
写真:小野 雅子
地図を見る<リベラ市場の基本情報>
住所:Mercado de la Ribera, Erribera Kalea, s/n, 48005 Bilbo, Bizkaia
写真:小野 雅子
地図を見る現代アートと美食の街として生まれ変わる前は、鉄鋼や造船を中心とする工業都市だったビルバオ。昔日の面影を今に伝えるのが、世界遺産にも登録されているビスカヤ橋です。
運搬橋という形式で、完成したのは1893年。吊り下げられたゴンドラで人や車を対岸へ運ぶため水上交通を妨げず、また長い傾斜路をもつ巨大な橋を造らずにすむという、当時としては画期的なアイディアでした。19世紀末から20世紀初頭にかけヨーロッパなどで20基ほど建設された運搬橋のうち、世界最古がこのビスカヤ橋なのです。
写真:小野 雅子
地図を見るゴンドラに乗って水平移動をすることも出来ますし、高い所からの眺望を楽しみたいならばトップデッキの上を歩くことも可能です。しかもイギリスのウェールズにあるニューポート運搬橋などは300段近い鉄骨階段を上るのが大変ですが、ビスカヤ橋はエレベーターで上へ行けるからラクラク。ネルビオン川河口からビスケー湾への眺めを、ゆっくり味わいましょう。
写真:小野 雅子
地図を見る<ビスカヤ運搬橋の基本情報>
住所:Puente de Vizcaya Zubia, Getxo, Bizkaia
電話:+34-944-80-1012
お洒落で洗練されたアートな都市として、すっかり有名になったビルバオ。でも街角を歩けば、昔ながらの素朴な生活も色濃く残ります。人生を愛し、自然の恵みを神に感謝し、美食を味わいながら家族や友人とワインを酌み交わす、そんなバスクの人びとが暮らす素敵な街へ・・・いつか、あなたも行ってみませんか?!
2020年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2025/2/11更新)
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