写真:もんT
地図を見る散策の起点となるのは、JR福知山線の武田尾(たけだお)駅。大阪からは電車で50分弱です。宝塚駅の次、生瀬(なまぜ)駅を過ぎると、電車は深いトンネルの中へ…。西宮名塩(にしのみやなじお)駅をはさんで、山間部をトンネルで直線的に結んだのが、1986年8月に開通した現在の福知山線。旧線では30分以上要した宝塚と三田の間を、わずか15分ほどに縮めました。
写真:もんT
地図を見る写真は、武田尾駅到着直前の車窓。武庫川(むこがわ)の下流方向を撮ったものです。かつてはこの左岸を、武庫川の清流に沿って、福知山線の線路が敷かれていました。
写真:もんT
地図を見る武田尾駅の改札を出たら、左に進んでいきましょう。駅付近は道幅が少し広くなっていますが、これは旧線時代、ここが駅構内であった名残です。単線だった福知山線。武田尾駅は、列車の行き違いを行うための、広い構内を有していました。この先の市営駐車場のあたりが、昔の駅舎があった場所。車で訪れた場合は、そこに駐車しますが、駐車できる台数は非常に限られています。電車で来るのがおススメです。
写真:もんT
地図を見る武田尾駅から10分ほど歩いたあたりから、旧福知山の線路跡が見えてきます。廃線跡は武庫川に沿って、下流方向へ約4.7km続いています。途中、トイレや飲料の自動販売機などはありません。散策路入り口にて済ませておきましょう。また、廃線敷へは、車はもちろん、バイクや自転車の乗り入れもできません。ここから先は、歩きのみで楽しめる風景が展開します。
写真:もんT
地図を見る廃線跡は、レールこそ撤去されているものの、枕木はそのまま…、安全対策を考慮しながら、可能な限り、往時の雰囲気が残されています。途中、見晴らしのよい場所には、ベンチも設置。思い思いに散策を楽しめます。
写真:もんT
地図を見るトンネルも昔のまま。蒸気機関車時代の煤の跡もかすかに残ります。トンネル内に照明はありませんので、足元に気を付けて…。武田尾側から1つ目と2つ目のトンネルは、それほど長いトンネルではありませんが、3つ目の長尾山第1トンネルは、長さが306m。ここは懐中電灯が必要です。
写真:もんT
地図を見る長尾山第1トンネルを抜けると、すぐ目の前は鉄橋!武庫川の流れを橋の上からも眺められます。ここは安全に渡れるよう、トラス橋に木道がかけられています。武庫川の左岸は、宝塚市。鉄橋を渡って右岸に渡ると、西宮市に入ります。
写真:もんT
地図を見る鉄橋を渡るとすぐに、またトンネルがありますが、ここを抜けると、これまでとは違った荒々しい渓谷美が展開。巨岩や奇岩が続きます。険しい地形の中、長さ300mを超えるトンネルも2本あり。足元にも頭上にも気をつけて、進みましょう。
写真:もんT
地図を見る名塩川にかかる小さな鉄橋を渡ると、廃線跡の散策路は間もなく終点です。その先、生瀬駅までの線路跡は、すでに分からなくなっています。廃線敷終点からは、西宮名塩駅へも、生瀬駅へも、一般道を歩いて15分ほど。武田尾駅からは2時間半を見ておくと、全行程を踏破できるでしょう。
四季折々の自然と、鉄道の歴史を体感できる散策路…。もとは鉄道が走っていた道だけあって、勾配は緩やかで、歩きやすいです。もちろん、装備は一般的な軽登山と同じく、歩きやすい靴で。また、悪天候時やその直後は、落石や土砂崩れの危険もあるので、立ち入りは控えましょう。安全対策は自己責任で、しっかりと!武庫川渓谷の廃線敷歩き、ぜひ楽しんできてください。
【上流側入口】
住所:兵庫県宝塚市玉瀬
アクセス:JR福知山線武田尾駅徒歩8分
【下流側入口】
住所:兵庫県西宮市名塩木之元
アクセス:JR福知山線西宮名塩駅あるいは生瀬駅から、ともに徒歩15分
2020年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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この記事を書いたナビゲーター
もんT
鉄道に乗り、美しい風景を撮り、名所旧跡あるいはおいしいものを尋ね歩く旅をご案内します。特に鉄道+徒歩のスタイルにこだわって、だれもが楽しめる小旅行を提案してまいります。鉄道が好きな人、写真撮影が好きな…
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