写真:万葉 りえ
地図を見る美しい宇治川が町の中心を流れ、景観に惹かれた平安時代の貴族が別荘地を持っていたという宇治。京都と大和を結ぶ地点にあり、昔から人々の往来が多かったことも想像できるでしょう。
京都市内から遠いのでは…と思われている方がいるかもしれませんが、京都駅からJRで20分もかからずについてしまう宇治。それでいて、平等院鳳凰堂など二つの世界遺産が歩いて周れる場所にあり、シーズン中でも京都市内に比べて混雑が少ないという魅力も持っています。
写真:万葉 りえ
地図を見る日本に現存する神社建築の中で最古のものと言われている「宇治上神社」があるのは、宇治川の北がわ。宇治にある世界遺産の一つで、もちろん本殿は国宝です。そして宇治上神社の対岸にあるのが、宇治のもう一つの世界遺産「平等院鳳凰堂」です。こちらは栄華を極めた藤原道長の別荘で、それを息子である頼道が譲り受け西暦1052年に寺に改めたのです。
この記事でご紹介する「通園」が茶屋として創業したのはそれから50年ほど後のこと。そんなことからも店の歴史の長さが感じられますよね。
写真:万葉 りえ
地図を見る通園があるのは京阪宇治駅の向かい側。宇治橋の東詰に建っています。
この宇治橋の東詰に庵を結んだのが、源頼政の家臣だった先祖。その後子孫代々、宇治橋の橋守として往来する人々に茶を提供してきたのです。もともと薬として日本に入ってきたお茶。24代目へと時代は変わっても、変わらず人々の無病息災を願って店は守られてきました。
写真:万葉 りえ
地図を見るここで茶を所望し、旅の疲れを癒していたのは一般の民衆だけではありません。記録によれば、足利義政や徳川家康などもここで一服したと伝わっています。
この写真では木々で見えませんが、川の向こう岸に建つのは平等院鳳凰堂。そんな歴史に名を遺した人々も、現在とそれほど変わらぬ景色を眺めてひと時を過ごしたのでしょう。
写真:万葉 りえ
地図を見る宇治川を眺められる喫茶席へとついてメニューを開けば、宇治茶が使われた様々な写真が並びます。ここは宇治茶の老舗。抹茶たっぷりのパフェも人気ですが、まずお勧めしたいのは、やはり薄茶です。菓子がつくセットを注文した際に出てくるのが、お土産としても販売されているこちらの茶団子。しかもご覧のように三串も!あっさりしながらも後から茶のうまみが立ち上ってきて、薄茶とよく合います。
写真:万葉 りえ
地図を見るそして、こちらは有機栽培の抹茶を使用した茶蕎麦。普通の茶蕎麦と比べると「茶の風味が強い」と評判です。
もちろん通園では、喫茶で利用するだけでなく、自宅用から贈答用の高級茶まで様々な茶葉も購入できます。京都には抹茶を使った土産品が色々ありますが、通園は店舗を広げていないというのもお勧めしたいポイント。手に入りにくいものをお探しの方には茶の老舗ならではお土産もお勧めです。
写真:万葉 りえ
地図を見る平等院と宇治上神社と二つの世界遺産をつなぐようにかかる宇治橋。そして、そのたもとで、守るべきものと時代に合わせる柔軟さを持って続いてきた通園茶屋。ご覧いただいた店先の写真に出ているかき氷やソフトクリームだって昔はなかったメニューですよね。きっと冷たいメニューも宇治抹茶の豊かな風味を楽しんでいただけることでしょう。また、穏やかな気候の頃なら、店先で昔ながらの茶店の気分を味わうのもお勧めです。
宇治上神社側には平安時代の王朝文化と源氏物語について紹介している「源氏物語ミュージアム」もあり、宇治川の中州では鵜飼いのための鵜たちが暮らす小屋も見学できます。
宇治散策の際は、歴史をつなぐ宇治のお茶をここでゆっくりと味わってみませんか。
住所:京都府宇治市宇治東内1
電話番号:0774-21-2243
アクセス:京阪宇治駅前。JR宇治駅徒歩7分
2020年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/3/19更新)
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