トキ、再び空を舞う!佐渡だけの野生のトキ・ウォッチング

トキ、再び空を舞う!佐渡だけの野生のトキ・ウォッチング

更新日:2020/11/16 13:47

Mayumi Kawaiのプロフィール写真 Mayumi Kawai 絶景ハンター、トラベルライター、自称ミステリーハンター
学名ニッポニア・ニッポン。その名のとおり、しばしば日本を象徴する鳥として語られるトキ。環境破壊や乱獲等による個体数の激減後、日本では佐渡を最後に絶滅。以後、中国から譲り受けたトキでの人工繁殖に成功し、数が増えてからは2008年より野生に戻す放鳥が開始されています。

野生下で生きるトキを屋外で鑑賞できるのは佐渡だけ!朱鷺色の翼で大空を舞う美しいトキの姿、ぜひその目で観察しに出かけてみませんか?

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、一部都府県に緊急事態宣言が発出され、不要不急の外出の自粛が求められています。加えて自治体独自での緊急事態宣言発出や、往来の自粛要請をしている場合があります。また施設によっては休業していることがあります。Go To トラベルキャンペーンについても全国で一時停止となっています。各種報道機関の発表、施設や各自治体のホームページなどで最新情報をご確認ください。外出の際はしっかりと感染予防対策をして行動しましょう。(トラベルjp)

一度は絶滅したトキ、佐渡で復活を果たす

一度は絶滅したトキ、佐渡で復活を果たす

写真:Mayumi Kawai

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学名ニッポニア・ニッポン。その名のとおり、しばしば日本を象徴する鳥として語られるトキ(ただし、日本の国鳥はキジ)。かつては日本全土をはじめ、中国、台湾、朝鮮半島、極東ロシアなど東アジア一帯に広く分布し、あるときは田畑を荒らす害鳥とみなされるほどありふれた鳥でした。

しかし、明治期以降の近代化に伴い、羽毛や食肉用への乱獲を開始、加えて農薬を使った水田開発や山間部の水田消失、森林伐採による環境破壊によってエサが減少、その他さまざまな要因が重なり数が激減します。そこで、1952年(昭和27年)には特別天然記念物、1960年(昭和35年)には国際保護鳥に指定して国を挙げて保護活動が展開されますが、それも虚しく、日本最後の野生の生き残り・キンが2003年(平成15年)、佐渡で死亡したことで事実上、国産トキは絶滅に至ります。

一度は絶滅したトキ、佐渡で復活を果たす

提供元:佐渡観光PHOTO

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しかし、キンが存命中の1999年(平成11年)、中国から贈られたつがいのトキの人工繁殖に成功、順調に数を増やし、野生復帰の放鳥を行えるまで至ります。現在では400羽以上の野生化したトキが再び佐渡の大空を舞い、自然繁殖による個体数の増加も実現しています。

野生のトキが見られるのは佐渡だけ!田んぼを散策しよう

野生のトキが見られるのは佐渡だけ!田んぼを散策しよう

写真:Mayumi Kawai

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鳥インフルエンザなどの感染症による絶滅再発防止の一環で、現在では佐渡のほか、東京の多摩動物園、石川県のいしかわ動物園、島根県出雲市、新潟県長岡市の各施設にて分散飼育が行われています。しかし通常、トキの一般公開はケージ越しかマジックミラー越しの見学が一般的。

トキのシンボルである朱鷺色の美しい翼を広げて大空を羽ばたくシーンを観察できるのは、ここ佐渡だけ!「トキと共生する里山」としてジアス(GIAHS:世界農業遺産)を取得し、トキとの共生ルールを徹底しているからこそ実現した、きわめて貴重なバード・ウォッチングが楽しめるのです。

野生のトキが見られるのは佐渡だけ!田んぼを散策しよう

提供元:佐渡観光PHOTO

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野生復帰に向け、飛翔や採餌など一定の訓練を受けたトキは定期的に野に放たれ、冬から初夏の繁殖期(2月〜6月)はペアを作って営巣、子作り・子育てを行います。そして、夏〜秋以降(8〜12月)はトキファミリーが集団行動を行うため、野生下のトキを目撃しやすく、観察に向いたシーズンになります。

現在、トキの生息域は佐渡全土にまたがっていますが、彼らの故郷である「佐渡トキ保護センター」周辺の新穂(にいぼ)地区は目撃情報が多く、狙い目です。エサ場となる水田や沢、さらにその周囲にねぐらにしやすい高い木がそびえる森林があるのが一つの目安。また、稲刈り前の夏場は田んぼの「畦(あぜ)」でエサ取りしていることが多く、そこも要チェックです。

野生のトキが見られるのは佐渡だけ!田んぼを散策しよう

写真:Mayumi Kawai

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野生のトキを観察しやすい時間帯は、ねぐらから飛び立つ明け方の早朝、あるいはねぐらへ戻る夕方頃です。その際、意外にもけたたましいトキの鳴き声も聞くことができます。

観察には、「トキとの共生ルール」に基づいた「トキのみかた」を守って観察する必要があり、主に下記のような注意点があります。

・トキに近づかず、遠くから静かに見守ること
・地域に迷惑をかけず、農地に無断で入らないこと
・車から降りずに観察すること
・大きな音や光を出さないこと
・繁殖期(2月〜6月)は巣に近づかないこと

詳細は、ページ末尾「関連MEMO」にある「トキの森公園」公式サイトの「トキとの共生ルール」を参照し、ルールを正しく守って観察しましょう。

その距離わずか2センチ!間近で見るなら「トキの森公園」

その距離わずか2センチ!間近で見るなら「トキの森公園」

写真:Mayumi Kawai

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野生のトキになかなかお目にかかれない…そんな方には「佐渡トキ保護センター」に隣接した「トキの森公園」がおすすめ。

園内は、国産最後のトキ・キンの剥製や、トキの生態、保護増殖と野生復帰に向けたこれまでの活動資料等を展示した「トキ資料展示館」と、大型ケージ内に自然界を再現し、トキの生態を生で観察できる「トキふれあいプラザ」の2つで構成されています。

<トキの森公園の基本情報>
住所:新潟県佐渡市新穂長畝383-2
電話:0259-22-4123
営業時間:8:30〜17:00(最終入場16:30)
定休日:月曜日(ただし、3月〜11月は無休、月曜日が祝日の場合は翌日休み)、年末年始休

その距離わずか2センチ!間近で見るなら「トキの森公園」

写真:Mayumi Kawai

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同公園最大の見どころは、「トキまで、2センチ?!」のキャッチフレーズの如く、トキふれあいプラザ1階の観察窓にて、至近距離でトキを観察できること。窓ガラスはマジックミラーになっていて、人間の気配に気づかず、トキの捕食シーンなどを見ることができます。まさにその距離2センチ!一度は絶滅し、特別天然記念物に指定されたトキが、窓ガラス越しとはいえ、手が届きそうな場所でヒョコヒョコ動き回る姿はちょっと感動モノです。

その距離わずか2センチ!間近で見るなら「トキの森公園」

写真:Mayumi Kawai

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ちなみに、トキ資料展示館に隣接した飼育ケージでは、海外からの珍しいトキが飼育されています。画像は、主に南米北部に生息するショウジョウトキ。フラミンゴのように鮮やかな朱色の体毛が特徴です。このほか、中国、インド、東南アジアを中心に生息するクロトキや主にオーストラリアに生息するムギワラトキ、アフリカ中南部に生息するハダダトキも飼育されています。

さすがトキ愛にあふれた佐渡!奇抜なトキアイテムが勢揃い

さすがトキ愛にあふれた佐渡!奇抜なトキアイテムが勢揃い

写真:Mayumi Kawai

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トキと共に生き、トキに尽くす佐渡。そんな佐渡だからこそ、当然、郵便ポストもトキ仕様。なかなかシュールな仕上がりです。

これは2018年、トキ野生復帰10周年記念に作られた「トキゆうびんポスト」で、もちろん投函可能。トキの森公園入口に立っているので、ぜひ佐渡訪問記念に大切な方へ便りを出してみてくださいね。

さすがトキ愛にあふれた佐渡!奇抜なトキアイテムが勢揃い

写真:Mayumi Kawai

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もちろん、立入禁止のアニマルガードもこのとおり。ちょっと別の生き物に見えてしまうのはご愛嬌。

さすがトキ愛にあふれた佐渡!奇抜なトキアイテムが勢揃い

写真:Mayumi Kawai

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足元に目を移すと、トキの森公園散策路の縁石には、佐渡の住民らが心を込めて描きあげたトキ顔の丸石が敷き詰められています。トキ愛にあふれていますね。

「朱鷺と暮らす郷」ブランド米でトキの未来をつなごう

トキ愛にあふれた佐渡では、トキにとって安全に暮らせる環境づくりを目指し、独自農法による米作りを推奨、「朱鷺と暮らす郷づくり認証制度」を独自に立ち上げ、その基準を満たした佐渡産コシヒカリをブランド米「朱鷺と暮らす郷」として生産しています。

島内ではホテルの売店やフェリー乗り場の土産物店など、さらに全国の提携するお米屋さんでも購入可能です。その売上金の一部は「佐渡市トキ環境整備基金」へ寄付され、トキ生息に係る環境整備に役立てられています。

ぜひ「朱鷺と暮らす郷」を食べて、トキの未来をつなぐお手伝いができたらステキですね。

2020年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2020/09/16−2020/09/17 訪問

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