写真:土庄 雄平
地図を見る山形県北部の山中で100年以上にわたり、温泉街の景観を残している「銀山温泉」。まるで大正時代から時間が止まったような、ノスタルジックな趣が特徴的で、非日常の癒しを求め毎年多くのお客さんがこの地を訪れます。特に冬季は絶景と名高く、一年で一番賑わいます。
写真:土庄 雄平
地図を見るそんな銀山温泉、通常の楽しみ方といえば、旅館ステイと町並み鑑賞ですが、ひそかにお勧めしたいのが「延沢銀山遺跡」までのスノーハイキング!実は、この場所こそ銀山温泉の名前の由来となった場所。温泉街の裏手にある白金公園をスタートし、15分程歩くと雪に包まれたミステリアスな洞窟へ辿り着けます。
写真:土庄 雄平
地図を見る銀山温泉を訪れる場合、山形空港から車で約50分。宿泊の方は宿からハイキングのスタートです。まずは、銀山温泉のキービジュアルである「白銀(しろがね)橋」を通過していきましょう!
雪に覆われたしっとりとした風景に、日の光の輝きと、温泉の湯気が加わると、なぜかほっこりする趣を醸し出してくれます。
写真:土庄 雄平
地図を見るそして150mほど温泉街の中を歩いていきます。町並みからは、この先にハイキングコースがあるとは想像できないですが、5分も歩くと景色は一変!建物はなくなり、秘境らしい自然が展開します。
そして目の前には、今回紹介するコースの目印となる「白銀の滝」。朝の静けさの中に轟く水しぶきが印象的です。
写真:土庄 雄平
地図を見るなお積雪具合によりけりですが、滝が全く凍らず流れていたり、周囲が氷瀑のように凍っていたりと、その表情は様々。「銀山温泉」の近くは、圧倒的な自然が広がっているのだと、気づかせてくれるスポットです。
さてこれから紹介するスノーハイキングですが、雪上を進むので防水・防寒靴は必須!長靴でも大丈夫です。挑戦する場合は、必ず持参しましょう!
写真:土庄 雄平
地図を見る白銀の滝の上まで階段を進めば、その先には銀山川上流へ沿って遊歩道が続いていきます。ここまで来れば、観光客の姿はまばらになり、目の前に現れる雪景色と渓流がコラボする景色に、非日常感がきっと増すことでしょう!
木々の葉は落ち、物寂しいシーズンですが、水が潤沢に流れる様子は、なぜか元気がもらえますね。
写真:土庄 雄平
地図を見る進むにつれて雪が深くなってくる点も、冒険感を高めてくれる雪山ならではの演出。トレース(=雪上を歩いた足跡)があるので道に迷うことはなく、ふわふわの雪を一歩一歩進んでいく感覚は、病みつきになる楽しさです。
なお遊歩道は少し細い箇所もあります。踏み抜く危険もあるので、できるだけ川沿いを歩かないように注意してください。
写真:土庄 雄平
地図を見る白銀の滝(白銀公園)から徒歩10〜15分ほど、一度川沿いの道から左折し、広い空間へと出たら目的地の「延沢銀山遺跡」へ到着です。
実は、少し前でも触れたように、この場所が「銀山温泉」の名前のルーツとなった場所。室町時代に発見され、最盛期には島根の石見、兵庫の生野とともに三大銀山と呼ばれ、2万5千人の人々が働いていたと言われています。
一面を雪に囲まれれば、城郭のような佇まいが際立ち、どこかロマンを感じる風景。さぁ洞窟探検へ出発です!
写真:土庄 雄平
地図を見る銀山坑の中は、歩道が整備され、それに従っていけば迷うことはありません。しかし、灯りはなく真っ暗なので、必ずライトを持参してください。
銀山の中は、至る所が刳り貫かれ、岩に刻みついた工具の加工痕が、かつての営みを想起させてくれます。今はコウモリが暮らしているひっそりとした場所。かつての賑わいはありません。
しかしながら、この銀山というスタートがあったからこそ、温泉が発見され、閉山後に温泉街へ転身できた経緯があります。この場所は今でも「銀山温泉」のアイデンティティなのです。
写真:土庄 雄平
地図を見るそんなこの地の歴史に思いを馳せながら、好奇心の赴くまま進んでいきましょう!銀山の出入り口は、洞窟と雪の世界の境界線。細心の注意を払わなければなりませんが、天然のアスレチックをこなすのは面白いですよ。
そして帰路へと就きます。きっと銀山から戻る頃には、雪道を進むのにも慣れているはず!行程は約1時間ほど、温泉街から距離が離れているわけではありませんが、サクッと秘境の自然と歴史を満喫するハイキングの完了です。
写真:土庄 雄平
地図を見る下山後は、銀山温泉で冷えた身体を温めて帰りましょう!日帰り温泉は幾つかありますが、お勧めは「瀧見館」。一番奥にあるので観光目的の方は少し行きづらいですが、ハイキングの後ならついでに立ち寄ることができます。
雪景色を俯瞰する高台の露天風呂は最高のパノラマビュー!肌がスベスベになる美肌の湯も極上です。
写真:土庄 雄平
地図を見る銀山温泉といえば、温泉街でレトロな景観や、秘境の温泉宿を満喫するのが鉄板ですが、マニアな楽しみ方としてお勧めしたいのが「延沢銀山スノーハイキング」。しっとりとした雪の秘境の情緒の中に、ロマン溢れる近世の歴史が根付いています。
防水・防寒の靴と、ライトだけ持参すれば誰でも挑戦できるので、ぜひ時間に余裕のある方は歩いてみてくださいね。
住所:山形県尾花沢市銀山新畑
アクセス:銀山温泉の駐車場から徒歩片道40分
2020年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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この記事を書いたナビゲーター
土庄 雄平
1993年生まれ、愛知県豊田市出身、同志社大学文学部卒。第二新卒を経験後、メーカー営業職とトラベルライターを両立。現在は、IT企業に勤務しながら、自然や暮らしに一歩踏み込む、情報発信に精を出す。山岳雑…
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