写真:旅人間
地図を見る奈良市街から北東へ車で約40分。長閑な里山の風景が広がる柳生は、江戸時代に将軍指南役として天下に権勢を振るった柳生藩一万石の地。現在は剣豪の里として知られ、石舟斎(柳生宗厳)が切ったと伝わる「一刀石」は最大の見所です。
人里離れた山中にある一刀石へは坂道を15分ほど歩きます。そして鳥居が見えだす頃、周囲の空気は一変し、古くからよそ者の侵入を防いできたような巨石群が現れます。
写真:旅人間
地図を見る厳かで張りつめた空気、それでいて清流の流れのような清らかさを感じる場所。道を閉ざすように生える根を越え、純真に立ち並ぶ杉の木々の間に「柳生一刀石」が目に入ります。
写真や映像で何度か目にしていても、実際に見るとイメージより迫力を感じる真っ二つに割れた巨石。伝え聞く話によると、石舟斎が修行中に天狗と試合を行い、一刀のもとに天狗を切り捨てたところ、そこにあったのは2つに割れた巨石だっとという。
写真:旅人間
地図を見るまるで、人気アニメ『鬼滅の刃』で主人公の竈門炭治郎が鬼狩り集団「鬼殺隊」への入隊を目指す修行中に登場するシーンのよう。これがファンの間で話題になり、聖地巡礼のスポットとなっています。
一刀石の前には玩具の剣もあり、自由に記念撮影ができるようになっています。
写真:旅人間
地図を見るあたかも剣を手に巨石を切り裂いたかのような場面が撮れるスポットとして人気の一刀石。ここに到着すると、誰しも思いのポーズをして写真を撮っていきます。
普段はこんな事をしなさそうな老夫婦でさえも「えいっ!」といって写真を撮り合っている姿も見られます。もちろん全ての人が『鬼滅の刃』ではなく、中には石舟斎になりきったり、宮本武蔵だったり、それぞれが思い描く剣豪があるようです。
写真:旅人間
地図を見る一刀石の手前には「天乃石立神社(あまのいわたてじんじゃ)」があります。この神社は「磐座(いわくら)」と呼ばれる4つの巨岩が“ご神体”で、いわゆる“本殿”の建物が設けられていません。かつては能舞台が存在しましたが、現在は柳生八坂神社に移築されています。
拝殿のすぐ横には「きんちゃく岩」があり、この巨岩は天照大姫命(あまてらすおおひめのみこと)のご神体(日向神社)とされています。
写真:旅人間
地図を見るそして、拝殿の後ろに見える横向きの岩は「前伏磐」と呼ばれ天磐戸別命(あまのいわとわけのみこと)のご神体(石立神社)とされ、その後ろに切り立つ巨岩が「前立磐」と「後立磐」になります。
写真:旅人間
地図を見る「前立磐」と「後立磐」は、一刀石のように真っ二つに切り裂かれたようにも見える見事な間合いを保ち切り立っています。
拝殿の案内によると、正面に向かって左側の大きい方が「前立磐」で豊磐門戸命(とよいわまどのみこと)のご神体(天石立神社)、その横が「後立磐」で櫛磐門戸命(くしいわまどのみこと)のご神体(天石吸神社)とされています。
ちなみに、前立磐の大きさは高さ6m、幅7.3m、厚さ1.2mあり、全体が扉の形をしています。伝説によると、神代の昔、高天原で手力雄命が天岩戸を引き開けた時、力余って飛来し、この地に落ちたとも言われています。
写真:旅人間
地図を見るこの一帯は、天岩戸が落ちて来たといった伝説が残されているように、古来から巨石・巨岩信仰があったと考えられています。
どうしても「一刀石」や「前立磐」「後立磐」といったインパクトのある巨石や巨岩に目を向けてしますが、周囲に広がる苔に覆われた巨石群の光景も原始的で神秘的です。
『鬼滅の刃』のシーンに浸り、そして柳生の里の歴史を想い、そして遥か昔から崇拝されてきたこの地への尊敬の念も大切に感じ取りたいですね。
住所:奈良県奈良市柳生町
電話番号:0742-94-0002(柳生観光協会)
2020年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
- PR -
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索
(2024/3/19更新)
- 広告 -