世界遺産だけじゃない!長崎県五島市の魅力を探ろう

世界遺産だけじゃない!長崎県五島市の魅力を探ろう

更新日:2021/02/16 14:48

菊池 模糊のプロフィール写真 菊池 模糊 旅ライター、旅ブロガー、写真家
五島市は、潜伏キリシタンの教会が世界遺産に登録され注目を集めています。かつては日本の西の果てとして遣唐使の時代から重要な役割を果してきており、今は教会のある風景が大きな観光資源となりました。さらに雄大な断崖や美しい海があり西海国立公園の一部を構成。歴史と自然の織りなす魅力的な場所です。また海の幸に恵まれ食べ物がとても美味しく、人情味ある人が多いので、ぜひ訪問され、下五島の魅力を満喫してください。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、一部都府県に緊急事態宣言が発出されました。またそれ以外の地域でも、各自治体ごとに往来の自粛を要請している場合や、施設によっては休業していることがあります。Go To トラベルキャンペーンについても全国で一時停止となっています。各種報道機関の発表、施設や各自治体のホームページなどで最新情報をご確認ください。また、外出の際はしっかりと感染予防対策をして行動しましょう。(LINEトラベルjp)

石田城と武家屋敷通り

石田城と武家屋敷通り

写真:菊池 模糊

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五島列島南部は、福江市を中心とした市町村が平成の大合併で五島市となり、いわゆる下五島は一つにまとまりました。この五島市は世界遺産のみならず、見どころが非常に豊富なので紹介します。

まずは城マニア必見の石田城(福江城)です。ここは文久三年(1863年)すなわち明治維新直前に完成した日本最後の城として大変貴重なもの。当時、城壁の三方が海に面しているわが国唯一の海城でした。異国船の来訪が続く幕末期の切迫した海上防衛のため、福江藩に特別に造営が許可された城です。

城の裏門だった蹴出門(けだしもん)は、現存しており福江港から徒歩10分で行くことができます。

石田城と武家屋敷通り

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石田城の本丸跡は、現在は高等学校になっており、入り口付近は見学できます。城門をくぐって通学する学生の姿も見え、なかなか雰囲気が良いものです。

二の丸の位置には五島氏庭園があり、庭石と築山は鬼岳の溶岩を用いた個性的なもので、国の名勝に指定されています。

一帯は、学校・幼稚園・資料館・文化会館・図書館などがあり、五島市の文化ゾーンとなっています。

石田城と武家屋敷通り

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石田城から二筋南に武家屋敷通りがあります。江戸時代のたたずまいを残した石垣塀が続き見事なもので下級武士の住まいがあったそうです。この石垣塀上段は「こぼれ石」と称される丸い小石を積み重ねており、一説には丸石は武器になるので非常時に備えたとされます。

福江の街並みなど

福江の街並みなど

写真:菊池 模糊

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五島市の玄関口福江港には、常灯鼻(じょうとうばな)と呼ばれる美しい史跡があります。これは、福江藩第30代藩主五島盛成が石田城を築く際に波を防ぐよう造営したもので、常夜灯すなわち灯台としての役目も有していました。江戸末期の建造だけあって、160年以上経った今でも健在で、市指定文化財になっています。

福江の街並みなど

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福江港から徒歩で10分ほど歩くと福江商店街アーケードがあります。ここは福江島の商業の中心で、いろいろなお店があり、五島列島や壱岐で使える電子通貨の商品券「しまとく通貨」も使えます。

福江の街並みは、昭和37年の大火で町が灰燼と帰した後に、碁盤の目のように再開発されたもので、道も広く整然としています。ここは大河ドラマで注目される女優川口春奈さんの出身地でもあります。

福江の街並みなど

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福江島は遣唐使の日本最後の寄港地であったことから関連史跡があります。中でも空海は遣唐使の一員として渡海するとともに、帰国時も福江島に滞在したことから、ゆかりの地や伝説が多く残ります。

現在でも福江島では五島八十八ヵ所霊場巡りが盛んで、空海の軌跡をたどる方も多いのです。写真はそのひとつの第3番札所の来光坊。福江港から徒歩20分で行くことができます。

福江島の自然景観

福江島の自然景観

写真:菊池 模糊

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福江島の自然も素晴らしいもので、一番のおすすめは大瀬崎断崖。迫力満点の絶壁断崖の先に大瀬崎灯台が立つ最高のフォトスポットで、これぞ日本の果て感を満喫できます。徒歩30分弱で灯台まで行けますので、余裕のある方はチャレンジしてください。なお、ここは妻夫木聡さん主演の映画『悪人』のクライマックスに登場するロケ地でもあります。

このあたりは、空海が遣唐使の一員として決死の渡海に乗り出した際に、最後に見た日本の景色と思われます。柏港先の高台には辞本涯(日本の果てを去る意)という空海の碑と像がありますので、空海ファンの方は訪問しましょう。

福江島の自然景観

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福江島は海岸も美しく、その代表が高浜。夏は海水浴場となる名所で、日本の渚百選・快水浴場百選・新日本観光百選に選ばれています。

福江島の自然景観

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山としては福江島のシンボル鬼岳が有名。標高315mで全面が芝生に覆われた美しい火山です。写真のように海から見ると市街地の奥に横たわっており印象的。尾根伝いのトレッキング道もありますので、ぜひ鬼岳に登って展望抜群の景観を楽しんでください。

福江島の教会

福江島の教会

写真:菊池 模糊

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福江島には世界遺産の教会はありませんが、印象的な名教会が沢山あり風景に彩りを添えて旅人の目を楽しませてくれます。

福江カトリック教会は、福江市街の中心にあり、下五島地区で信徒数が最も多い教会です。昭和37年の福江大火では、奇跡的にこの教会だけは焼けませんでした。その時の写真が教会敷地入り口横に展示されていますので是非ご覧ください。

福江島の教会

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水ノ浦教会は、海辺に面した高台に立つ白亜の美しい教会。ロマネスク・ゴシック・和風建築が見事に融合しています。1938年、名工鉄川与助が改築したもので、木造教会堂としては五島最大の規模を誇ります。

福江島の教会

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井持浦教会は大瀬崎断崖に近い辺ぴな場所にある教会で、日本最初のルルドがあることで有名。ここはかつて大村藩から移住してきたキリシタンが潜伏した場所。古い教会堂があったのですが台風で倒壊したため、1988年にコンクリート造で再建され、やがてルルドが作られました。ここの霊水を飲むと病が治ると言われ、日本全国の信者が巡礼に訪れます。

ルルドはフランス・ピレネーの聖母マリア出現と聖水の泉を顕現した村の名で現在は大巡礼地。それにあやかり世界各地にマリア像と聖水のある場所がつくられルルドと称されます。

五島市の世界遺産教会

五島市の世界遺産教会

写真:菊池 模糊

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五島市を構成する久賀島(ひさかじま)と奈留島(なるしま)には世界遺産の教会があります。

久賀島は「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」を構成する「久賀島の集落」が世界遺産に登録され、五島藩の政策に従う形で島の未開拓地に移住し共同体を維持した例とされています。

旧五輪教会堂は1881年建造の旧浜脇教会を移築したもので、現存する五島最古の教会として国の重要文化財でもあります。

現在は二軒四名しか住んでいない五輪集落の海辺に立つ教会堂の姿は、素朴そのもので胸を打たれます。山越えするか海から船をチャーターするしかない不便な立地も魅力的。なお、この集落は歌手五輪真弓さんの父親の出身地で、漁師で生計を立てながら教会でオルガンを弾いておられたそうです。

五島市の世界遺産教会

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旧五輪教会堂は五島列島にある教会群の中で唯一、内部の撮影が可能な場所です。これは隣接地に新しい五輪教会が建設されたことにより旧五輪教会堂は現役教会ではなくなり、市に寄贈され公開されているからです。とはいえ、個人では勝手に内部見学できず、あらかじめ予約し、当日は教会守の方に説明を受ける形になります。

外観が単なる木造家屋なのに、内部は立派な教会で、窓が引き戸なのがユニーク。何より見事なリブ・ヴォールト天井が見られることに驚かされます。この木製の湾曲した梁構造を明治初期に離島の大工がよく作ったものです。

五島市の世界遺産教会

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奈留島にも世界遺産を構成する素敵な教会があります。それが江上天主堂で、海に近い未開の谷間に入植した潜伏キリシタン集落の村はずれにあります。鉄川与助施工の傑作のひとつでとても可愛い雰囲気。防風効果のあるタブノキ林の中に見え隠れする天主堂の姿は印象的なもので、ハート型に曲がった木の枝を配して写真を撮ってみましょう。

なお、奈留島は歌手松任谷由実さんと交流があり、歌碑「瞳を閉じて」がありますのでファンの方は行ってみてください。

五島市の基本情報

アクセス:
五島市福江港までは、長崎よりジェットフォイル高速船で85分、フェリーで約3時間10分
福江空港へは、福岡空港から飛行機利用で約40分
福江島内の観光は、スポットが多く点在するので、レンタカー利用がおすすめ
久賀島と奈留島の世界遺産の教会へは、福江港より海上タクシーと呼ばれる小型船舶をチャーターするのが最も効率的で、特に福江港発着のガイド付き日帰りツアーがおすすめ

なお、旧五輪教会堂と江上天主堂を個人で訪問する際は、マナーを守るとともに、事前に連絡が必要です。詳しくは下記関連MEMO欄の「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産インフォメーションセンター」の公式サイトをご覧ください。

2020年12月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2020/11/06−2020/11/13 訪問

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