ネロも見た!?フランダースの犬と巡る「アントワープ」市内観光

ネロも見た!?フランダースの犬と巡る「アントワープ」市内観光

更新日:2020/11/27 17:29

藤 華酉のプロフィール写真 藤 華酉
世界名作劇場のヒットで日本にお馴染み、「フランダースの犬」。トラウマ級の悲しい最後を迎える物語の舞台はベルギー、アントワープにあります。現代アントワープで豊かな町並みを眺め、華やかなクリスマスを見学したら……幼少期に心に負った傷も癒えるに違いありません。ネロが一目見たがっていたルーベンスの絵やクライマックスを迎えた大聖堂も実在する、アントワープの街を観光してみませんか。

アントワープってどんな街?

アントワープってどんな街?

写真:藤 華酉

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アントワープは、ベルギーの首都ブリュッセルから新幹線で一時間弱の距離にあります。港町として栄えており、中世から現代にいたるまで、ベルギーの海運業を一手に担う都市です。アントワープを含むこの一帯はフランダル地方と呼ばれており、フランダースの犬の名の由来になりました。

アントワープでますます商業が発展し、街が裕福になった17世紀には、フランドル派と呼ばれるバロック形式の絵画が大流行しました。ネロが見たがっていたルーベンスは、フランダル派において最も活躍した画家のひとりです。

また、アントワープの中央駅は、駅そのものが重要文化財に指定されている壮麗な建築物です。ガラスに覆われた大アーチは、駅に降り立った旅人の心を100年以上も浮足立たせてくれています。

ネロが渇望していた絵を知るなら「ルーベンスの家」

ネロが渇望していた絵を知るなら「ルーベンスの家」

写真:藤 華酉

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画家を目指していた少年ネロの憧れ、ルーベンス。彼の本業は優秀な外交官で、在命中から既に大画家として名を馳せていました。ダイナミックで華やかな画風、そしてその多作っぷりから、アントワープでは裕福な暮らしぶりを送っていました。

ネロが渇望していた絵を知るなら「ルーベンスの家」

写真:藤 華酉

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そんなルーベンスの17世紀の暮らしが見て取れるのが、アントワープにある「ルーベンスの家」。広々とした豪邸に、ルーベンスが生きていた17世紀の頃そのままの家具、そして多くの絵画が飾られています。

彫刻やシャンデリアが飾る建物そのものも美しく、更にはルーベンスの派手な絵画が各々の壁を飾ります。17世紀の裕福なアントワープの暮らしが垣間見える、素敵な美術館です。

<基本情報>
住所:Wapper 9-11, 2000 Antwerpen
電話番号:+32-3201-1555

まるで美術館!クライマックスはノートルダム大聖堂で

まるで美術館!クライマックスはノートルダム大聖堂で

写真:藤 華酉

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ネロとパトラッシュが最期を迎えた事になっているのが、アントワープの街中にあるノートルダム大聖堂です。
ところで、なぜネロ達が真夜中に大聖堂を訪れる事になったのかと言えば、当時からノートルダム大聖堂は入場料を要求していたためです。物語中では、その金額は銀貨一枚。現在は6ユーロで見学可能です。

まるで美術館!クライマックスはノートルダム大聖堂で

写真:藤 華酉

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ノートルダム大聖堂は、フランダースの犬の舞台となった17世紀から、まるで美術館のような教会でした。随所にルーベンスの巨大な絵画が掲げられ、今も昔も、絵画を目当てに訪れる者が絶えません。

貧しいネロには銀貨一枚を払う事は出来ませんでしたが、夜中に奇跡的に教会の扉が開いていた為、教会内に入る事が出来たのです。

まるで美術館!クライマックスはノートルダム大聖堂で

写真:藤 華酉

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貧しい人の為に開かれているもの……という理想から、入場料を要求する教会が少なかった事を考えると、ノートルダム大聖堂はやはり特殊。美術館的な側面が強かったと言えます。
現代の私たちは、たった6ーロで、豪勢な教会の建築と、素晴らしい絵画の数々を満喫できると言う訳です。

<基本情報>
住所:Groenplaats 21, 2000 Antwerpen
電話番号:+32-3213-9951
営業時間:
月〜金 10:00〜17:00
土 10:00〜15:00
日 13:00〜16:00

クリスマスも雰囲気たっぷり、美味しいベルギーを満喫!

クリスマスも雰囲気たっぷり、美味しいベルギーを満喫!

写真:藤 華酉

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フランダースの犬のクライマックスシーンは静謐な雰囲気に包まれていましたが、現代アントワープのクリスマスは賑やかで、しかも美味しいものに満ちています。

日本でもおなじみのシチューは、実はベルギー発祥。温かくてクリーミーは、ほっと身体を温めてくれます。ムール貝とフリッツ(フライドポテト)の組み合わせも見逃せません。

クリスマスも雰囲気たっぷり、美味しいベルギーを満喫!

写真:藤 華酉

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ヨーロッパのクリスマスマーケットにはおなじみの、観覧車やメリーゴーランドと言った乗り物も、お洒落な雰囲気に満ちています。

ノートルダム大聖堂や市庁舎、城と言った観光名所もライトアップされ、クリスマスのアントワープは明るく彩られるのです。

アントワープとフランダースの犬の関わりは……

アントワープとフランダースの犬の関わりは……

提供元:Wekipedia

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:A_Dog_of_F…

実は「フランダースの犬」はベルギーでは執筆されていません。イギリスで書かれています。そして現代のベルギーは世界でも有数の福祉国家。貧しい子供が…そして犬が…誰からの助けもなく凍死する話は、ベルギー人にとっては「ベルギー人はそんなに冷たくないが!?」と反論でいっぱいの、ありがたくもない話なのです。ベルギー人が執筆した訳でもないですからね。

しかし、ベルギー人のあまり興味のない所で、アントワープは「フランダースの犬」で有名になりました。そのため、一応、アントワープの街中にはフランダースの犬の彫像が置かれています。
他にフランダースの犬関係のお土産は、ノートルダム大聖堂のショップに置かれている、フランダースの犬の絵本(日本語版)しかないようなのですが……。

アントワープの街とフランダースの犬

「フランダースの犬」は悲しい結末を迎えますが、アントワープを訪れれば、現代はネロのような死に方をする子供は居なさそうだ……と心から安心する事でしょう。幼少期に世界名作劇場で心に傷を負った方は、ルーベンスの絵を眺め、美味しいベルギー名物を食べて、傷を癒して下さいね。

2020年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/12/25−2015/12/26 訪問

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