トルコで訪れたいバヤズィト2世の時代の美しいモスク4選

トルコで訪れたいバヤズィト2世の時代の美しいモスク4選

更新日:2020/12/04 14:12

山口 琴美のプロフィール写真 山口 琴美 モスクマニア
オスマン帝国第8代皇帝(スルタン)バヤズィト2世は、帝位に就いている間にイスタンブールとエディルネにモスク(イスラム寺院)を造りました。また彼の治世中、彼の元で仕えた大宰相や財務長官も帝都にモスクを造りました。敬虔なムスリムであったバヤズィト2世の時代の特徴が表れている、トルコに今なお残る15世紀の美しいモスクをご紹介しましょう。

バヤズィト・モスク

バヤズィト・モスク

写真:山口 琴美

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コンスタンティノープルを陥落させ東ローマ帝国を滅ぼしたメフメト2世の後を継ぎ、1447年にオスマン帝国第8代皇帝となったバヤズィト2世は、まず帝都イスタンブールに「バヤズィト・モスク」の建設を命じます。

建設に携わったのは、当時宮廷に仕えていたハイレッディンという建築家です。

当時、イスタンブールでスルタンによって建てられた最古のモスクは先代のメフメト2世が建てた「ファーティフ・モスク」でした。しかし、「ファーティフ・モスク」は1700年代の地震により崩壊し、新しく建て直されたため、「バヤズィト・モスク」はイスタンブールに現存するオスマン帝国のスルタンによる最古のモスクとして知られるようになりました。

<基本情報>
住所:Beyazit,Yeniceriler Cd,34126 Fatih/Istanbul
アクセス:トラムT1線「ベヤズット駅」から徒歩約3分

バヤズィト2世の複合施設

バヤズィト2世の複合施設

写真:山口 琴美

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バヤズィト2世は「聖者」といわれるほど敬虔なムスリムだったことで歴史に名を残すスルタンです。彼は帝国の領土拡大よりも、イスラム学者を保護しイスラム法を帝国内で権威化することに力を注ぎました。

そんな彼は、帝都イスタンブールのみならず、アドリアノープル(エディルネ)にもモスクと神学校を含む複合施設を建設しました。

バヤズィト2世の複合施設

写真:山口 琴美

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モスク内は、バヤズィト2世の信心深さが表現されているかのような静謐な空間となっており、直径が22メートルもある大ドームに施された繊細な装飾には息を呑まずにはいられません。

このモスクの設計も、宮廷建築家ハイレッディンが手掛けました。

<基本情報>
住所:Yeniimaret,22000 Edirne Merkez/Edirne
アクセス:セリミエ・モスクやエスキ・モスクから徒歩約40分、もしくはタクシーで約10分

フィルズ・アー・モスク

フィルズ・アー・モスク

写真:山口 琴美

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メフメト2世の時代からバヤズィト2世の時代にかけて、フィルズ・アーは財務長官として活躍しました。彼によって建てられたモスクが、世界遺産に登録されているイスタンブール歴史地区の目抜き通りであるディヴァン通りにある「フィルズ・アー・モスク」です。

アヤソフィアやスルタンアフメト・モスクのすぐ近くにあるので、歴史地区を歩けば必ず目にするモスクのひとつです。

フィルズ・アー・モスク

写真:山口 琴美

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正方形の土台にドームを載せる建築様式は、オスマン朝最初の首都が置かれたブルサのモスクでみられるものと類似しています。しかしこの建築様式は、15世紀以降はあまり採用されなくなります。

近くにあるアヤソフィアやスルタンアフメト・モスクに比べてかなり小規模なモスクであるにも関わらず、礼拝の時間には朝晩問わずに多くの人が訪れ、神聖な空間の中で祈りを捧げています。

<基本情報>
住所:Binbirdirek 34122 Fatih/Istanbul
アクセス:トラムT1線「スルタンアフメト駅」から徒歩約30秒

ガズィ・アティク・アリ・パシャ・モスク

ガズィ・アティク・アリ・パシャ・モスク

写真:山口 琴美

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敬虔なイスラム教の信者であったバヤズィト2世は、オスマン帝国のイスラム化に尽力したものの、その宗教政策はすべての民衆に受け入れられたわけではなく、ときに反乱も招きました。

1511年にアナトリアでシーア派を広めようとしたサファヴィー朝とのシャークルの反乱には、バヤズィト2世が推進するスンニ派に反対するオスマン帝国の民衆も加わり大混乱となったのです。

この反乱を抑制すべく立ち上がったのが、当時バヤズィト2世の元で大宰相の役職に就いていたアティク・アリ・パシャです。

ガズィ・アティク・アリ・パシャ・モスク

写真:山口 琴美

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アティク・アリ・パシャは、反乱軍の大部分をサファヴィー朝へと追いやることには成功したものの、反乱を完全には鎮圧することなく戦死してしまいました。

死ぬまでスルタンに仕えて帝国を守ろうとしたアティク・アリ・パシャは「ガズィ(戦士)」という称号を与えられ、後世にまでその功績が語り継がれています。

彼が建てた「ガズィ・アティク・アリ・パシャ・モスク」は、凛とした涼しげな装飾と大きなシャンデリアが一際印象的なモスクです。勇敢で動じない彼の人柄を表現しているかのようでもあり、イスラム色の濃いバヤズィト2世の治世を表しているようでもあります。

<基本情報>
住所:Mollafenari,Atik Ali Pasa Sk.No:8,34120 Fatih/Istanbul
アクセス:トラムT1線「チェンベルリタシュ駅」から徒歩約30秒

バヤズィト2世の時代の美しい建築物に触れよう!

帝都だけでなく、トルコ西端の都市エディルネにも宗教施設を残したバヤズィト2世。彼の時代のモスクを訪れれば、オスマン帝国がイスラム化されていく当時の風潮を肌で感じ取ることができるでしょう。トルコを訪れたら、時代背景にも注目してモスク巡りをしてみてはいかがでしょうか。

2020年12月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2019/04/08−2019/04/10 訪問

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