冬の高山名物が幻想的!秋神温泉の人工氷瀑「氷点下の森」

冬の高山名物が幻想的!秋神温泉の人工氷瀑「氷点下の森」

更新日:2020/11/21 14:13

土庄 雄平のプロフィール写真 土庄 雄平 山岳自転車旅ライター・フォトグラファー
寒さ厳しい日本の冬ですが、だからこそ見られる冬ならではの美しい風景があります。滝が凍り付いて形成される氷瀑や氷柱もその代表例と言えるでしょう!今回紹介する飛騨高山「氷点下の森」は、秘湯・秋神温泉の周囲につくられる人工氷瀑。一番気温が下がる1月〜2月頃、冷気漂う極寒の森へ水が放射され続けることで、一面氷の造形作品が出来上がります。夜になると幻想的なライトアップも行われ、冬の高山の隠れた風物詩です。

高山南部・御嶽山麓に抱かれる「氷点下の森」

高山南部・御嶽山麓に抱かれる「氷点下の森」

写真:土庄 雄平

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今回紹介する「氷点下の森」が位置するのは、高山市街から30kmほど南下した、日本で数少ない3000m峰・木曽の御嶽山の北山麓。そこには「秋神温泉」という一軒の温泉旅館が点在しているのみで、まさに秘境と言える場所です。

実は「氷点下の森」とは、かつてこの温泉旅館の先代が、そんなこの秘境に足を運んでもらおうと人工氷瀑(人工的に凍らせて作った滝)や人工氷柱(人工的に凍らせて作ったつらら)を製作したことから始まります。

高山南部・御嶽山麓に抱かれる「氷点下の森」

写真:土庄 雄平

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森が氷点下の気温になる1月〜2月の間、周囲張り巡らした柵や木々に水を吹き付け、それを自然に凍らせることで、氷瀑や氷柱を作り上げます。1日では完成せず、何日もかけて少しずつ大きく育てていきます。

そして氷点下の気温の中で数日間がたてば、森を一面囲むような立派な冬の芸術作品が完成するのです。

日没1時間前から冬の芸術作品を鑑賞しよう!

日没1時間前から冬の芸術作品を鑑賞しよう!

写真:土庄 雄平

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それでは「氷点下の森」の楽しみ方について紹介しましょう。まず訪れる時間帯ですが、日没の1時間前くらいがベスト!日が沈まないうちに、美しい水色を放つ氷瀑・氷柱の輝きを味わってください。

また、「どうやったら、こんな形になるのか?」見るたびに、そう思わざるを得ない独特な造形美。自然の神秘を、視覚的に私たちへ伝えてくれます。

日没1時間前から冬の芸術作品を鑑賞しよう!

写真:土庄 雄平

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そして日没間際になると、空が次第にオレンジから薄紫色へ変わっていきます。冬の秘境で、氷瀑を眺めながら、夕暮れを味わう。中々他の場所では体験できない非日常さが堪りません!

物寂しい枯れ木の山中が、どこかドラマチックな雰囲気へと変わっていきます。

併設されている喫茶店で一息!「氷点下の森」の夜を待つ

併設されている喫茶店で一息!「氷点下の森」の夜を待つ

写真:土庄 雄平

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そして日没を迎えたら、「氷点下の森」に併設されている喫茶店へ入りましょう!実は、この喫茶店も、「氷点下の森」を訪れるお客さんをおもてなしするために、秋人温泉旅館が営んでいます。

標高1000mを超えるこの場所の寒さは尋常ではなく、ダウンを着ていても寒いです。だからこそ、この喫茶店のありがたさが身に沁みます。ホットコーヒーで一息ついたら至福のひと時です。

併設されている喫茶店で一息!「氷点下の森」の夜を待つ

写真:土庄 雄平

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店内からは、もちろん「氷点下の森」の人工氷瀑を眺めることが可能。まるでコタツに入りながら、アイスでも食べているような嬉しさです!(笑)

そして日没からおよそ30分ほど経過すると、周囲は真っ暗に。しかしながら、目の前には「氷点下の森」の別の姿が浮かび上がってきます。

ライトアップされた「氷点下の森」ただ美しく幻想的

ライトアップされた「氷点下の森」ただ美しく幻想的

写真:土庄 雄平

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何とそこには色とりどりライトアップされた森の姿が!物寂しさから一転、幻想的な風景へと変わります。大きく縁取られた窓からは、その全貌が見え、室内の照明も適度な明るさ。まさにこの喫茶店は、「氷点下の森」のライトアップを見るために、併設されたお店だったのです。

ライトアップされた「氷点下の森」ただ美しく幻想的

写真:土庄 雄平

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もちろん室内でコーヒーでも飲みながらライトアップを眺めるのも素晴らしいですが、近寄って鑑賞するのも一興!照度の違いによって、濃淡があり、一つ一つの氷の結晶がキラキラと輝きます。

このライトアップがなければ、四方八方、夜闇が広がる場所ですが、厳冬期になると、ただひたすらに美しいの一言です。

ライトアップされた「氷点下の森」ただ美しく幻想的

写真:土庄 雄平

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自然に任せて製作していると言っても、その基となっているのは、秋神温泉旅館のご主人の努力の賜物!まさに「氷点下の森ライトアップ」は、人と自然の共生の形なのです。

そして、それが40年以上も続き、地域活性化に繋がっているのも素晴らしいところ。

高山・冬の風物詩「氷点下の森」に出会いに行こう!

高山・冬の風物詩「氷点下の森」に出会いに行こう!

写真:土庄 雄平

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一度は憧れる雪景色の飛騨高山ですが、実はその南部には、地元の人ぞ知る冬の風物詩「氷点下の森」があります。秘境と言える場所にありますが、アクセスしやすく、そして訪れれば非日常の絶景体験ができます。ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか?

なお例年、氷点下の森ライトアップは1月初旬〜2月下旬まで。

氷点下の森の基本情報

住所:岐阜県高山市朝日町胡桃島355
電話番号:0577-56-1021
入場料:無料
アクセス:高山市街から車で約40〜50分

2020年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2020/02/15 訪問

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