写真:土庄 雄平
地図を見る飛騨から富山へ抜ける国道156号線沿いにある「菅沼合掌造り集落」。山あいを流れる庄川のわずかな河岸段丘に、現在9戸の合掌造り家屋が現存しています。合掌造り集落の中で、最も規模が小さく、どこか落ち着く田舎の風情を今に伝えているのが魅力です。
写真:土庄 雄平
地図を見るそんな合掌造り集落は、12月以降の急激に冷えた日には雪が降り積もり、その情緒が一層高まります。どっしりとした家屋の屋根には雪が積もり始め、周囲は一面白銀の世界へと変わります。
合掌造りの建物の形状は、言わずもがな豪雪地帯に耐えるために編み出された暮らしの知恵。上は初冬の写真ですが、しっかり屋根の下部に雪が落ちているのが分かるでしょう!また重層構造の家は、保温性にも優れています。
写真:土庄 雄平
地図を見る菅沼展望台から俯瞰すれば、周囲の厳しい自然と、その中で一つ一つ逞しい家屋が並び立つ、冬の合掌造り集落ならではの絶景が眺められます。まさに自然と人が共生したことで成立した一つの形。
普通、高山でなければ見られない霧氷(=空気中の水分が過冷却で枯れ木に付着する現象)が集落を包み込んでいることも、その過酷な自然環境を物語っています。
<菅沼合掌造り集落の基本情報>
住所:富山県南砺市菅沼
アクセス:五箇山ICから車で5分
写真:土庄 雄平
地図を見る相倉合掌造り集落が位置しているのは、菅沼合掌造り集落より少し北側の丘陵地。菅沼と大きく違うところは、川沿いを離れ、山手に位置しているところ。この点が秘境らしさを高めてくれます。
なお現在、この相倉集落には24戸もの合掌造り家屋が現存しており、茅葺の吹き替えや普請については、今でも集落の人々が共同で行っています。この合掌造り景観は、これまで集落の人々が、厳しい自然環境の中で、互いに助け合い、乗り越えてきた賜物と言えるでしょう。
写真:土庄 雄平
地図を見るそんな相倉合掌造り集落の見所は、集落を支えている付属物(塀・石垣・水路)です。山の斜面に立つ立地のほか、一軒一軒の区画がしっかり分けられた家屋は、とても絵になる風景です。
例えば集落の一番北側に位置する家屋は、三段にもわたる石垣の上に立ち、杉に囲まれた佇まい。隣接する白壁の倉庫や、柿の木が良いアクセントになっています。
写真:土庄 雄平
地図を見る一方で、一番南側へと目を向ければ、雪山を背景に佇む合掌造りの家が!家の密度が高くないため、まるでポツンと一軒家のような印象を与えます。
そして特筆すべきは、背景の霧氷です。さながら繊細な水墨画のように、幾重にも白い線が重なっています。見惚れてしまうほど美しい絵画的な風景に、思わず立ち尽くしてしまうはず。
<相倉合掌造り集落の基本情報>
住所:富山県南砺市相倉
アクセス:五箇山ICから車で20分
写真:土庄 雄平
地図を見る以上、冬の合掌造り集落の美しさをご紹介しましたが、その一番の醍醐味は、一期一会の風景でしょう!年によって気象条件も異なり、積雪のタイミングや量も変化します。だからこそ、いつ訪れても違った表情を見せてくれ、飽きることがありません。
写真:土庄 雄平
地図を見る例えば11月下旬から12月上旬に、気温が急激に冷え込むと、霧氷と紅葉のコラボレーションを見られることがあります。
五箇山は豪雪地帯ではありますが、その一方で標高は300m〜400mほど。この標高で、11月下旬に雪が降り始めるところは全国でも稀なのです。季節の境界線を眺められたら、きっと一段と印象深い思い出になるはず!
写真:土庄 雄平
地図を見るまた秋から春先にかけては、霧が発生することもしばしば。特に高台にある相倉合掌造り集落から、集落景観、霧氷の山と一緒に眺めれば、より神秘的な光景を見ることができます。早朝でなければ見るのが難しいため、宿に一泊して見るのがベターでしょう!
合掌造りの景観として、冬は岐阜県側の「白川郷」へ注目が集まることが多いですが、より秘境らしさと一期一会の絶景を求めるなら、富山県側の「五箇山」がオススメ!雪山や霧氷に抱かれて佇む日本家屋は美しく、そこには厳しい自然環境と向き合ってきた軌跡を読み解くことができます。
ぜひ一度、世界遺産・五箇山の冬を眺めに訪れてみてはいかがでしょうか?
2020年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
この記事の関連MEMO
- PR -
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索
(2024/3/19更新)
- 広告 -