空海に高野山を授けた女神を祀る!和歌山「丹生都比売神社」

空海に高野山を授けた女神を祀る!和歌山「丹生都比売神社」

更新日:2020/11/25 14:07

モノホシ ダンのプロフィール写真 モノホシ ダン 総合旅行業務取扱管理者、総合旅程管理主任者
和歌山県かつらぎ町にある「丹生都比売神社(にうつひめじんじゃ)」は、約1700前に創建された紀伊國一之宮。主祭神は、天照大御神の妹神で、弘法大師空海に高野山を授けた丹生都比売大神。境内には、国内最大級といわれる一間社春日造の本殿に、楼門と輪橋などがあります。世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産のひとつにも登録された古社を訪ねて、高野山開創に関わった深い歴史とロマンを感じてみませんか?

淀君寄進の丹生都比売神社の「輪橋」

淀君寄進の丹生都比売神社の「輪橋」

写真:モノホシ ダン

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丹生都比売神社は、かつらぎ町の南部、標高約450mの高野山麓に位置し、「にほんの里100選」にも選ばれている“天野の里”に鎮座しています。写真は、朱色が鮮やかな、両部鳥居の様式の「外鳥居」。

両部鳥居とは、本体の鳥居の柱を支える形で稚児柱(稚児鳥居)があり、その笠木の上に屋根がある鳥居。厳島神社の大鳥居がその好例です。

さらに、名称にある両部とは、密教の金剛・胎蔵に由来する命名で、神仏習合が盛んだった神社によく見られます。

淀君寄進の丹生都比売神社の「輪橋」

写真:モノホシ ダン

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外鳥居をくぐった先にある太鼓橋は、「輪橋」と呼ばれています。神様が渡るための神橋ですが、参拝者も渡ることができます。橋の傾斜は、坂を思わせるほど急です。

淀君寄進の丹生都比売神社の「輪橋」

写真:モノホシ ダン

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輪橋が架かる「鏡池」は、風の無い穏やかな時には、橋の弧を映す水面が美しい。その静かな佇まいは、神のみが鎮まる場所とされている“天野の里”にふさわしい眺めです。

参拝者の心を和ませる四季折々の風情

参拝者の心を和ませる四季折々の風情

写真:モノホシ ダン

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丹生都比売神社は、春は桜、初夏は新緑、秋は紅葉と、四季折々の美しい風情が参拝者の心を和ませます。秋の輪橋からは、鏡池に浮かぶレッドカーペットのような“散り紅葉”が美しい。

参拝者の心を和ませる四季折々の風情

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さらに、橋の上からは、中鳥居と楼門の眺望が素晴らしく、飽きることなく眺めていたい絶景といえるでしょう。

参拝者の心を和ませる四季折々の風情

写真:モノホシ ダン

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鏡池にならぶおすすめのフォトスポットが。中鳥居ごしに見る楼門。ちなみに「中鳥居」も、外鳥居と同様に両部鳥居となっています。

重要文化財の「楼門」と「本殿」は必見

重要文化財の「楼門」と「本殿」は必見

写真:モノホシ ダン

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丹生都比売神社のシンボルともいえる「楼門」は、室町時代の1499年の造営。三間一戸の入母屋造で、本殿同様、国の重要文化財に指定されています。

重要文化財の「楼門」と「本殿」は必見

写真:モノホシ ダン

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楼門前の石段の左右には「花立」があって、バラの花が浮かべられています。これは、丹生都比売神社に伝わる「舞楽曼荼羅供(ぶがくまんだらく)」の衣装に、バラの花が刺繍されていることによります。

重要文化財の「楼門」と「本殿」は必見

写真:モノホシ ダン

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丹生都比売神社の「本殿」は、国内最大級の一間社春日造で、国の重要文化財。第一殿から第四殿の4棟からなり、第四殿のさらに左手には若宮が鎮座します。これら各棟には御祭神が1柱ずつ祀られています。

写真は、右から第一殿「丹生都比売大神(にうつひめのおおかみ)、第二殿「高野御子大神(たかのみこのおおかみ)」、第三殿「食都比売大神(おおげつひめのおおかみ)」、第四殿「市杵島比売大神(いちきしまひめのおおかみ)」、そして若宮「行勝上人(ぎょうしょうしょうにん)」。若宮の行勝上人は、鎌倉時代に同社の発展に尽力した真言宗の僧侶です。

バラエティに富んだ「おみくじ」が楽しい

バラエティに富んだ「おみくじ」が楽しい

写真:モノホシ ダン

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丹生都比売神社のおみくじは、いろいろな種類があってとても楽しい。普通の棒おみくじ(100円)から、かわいいとんぼ玉根付が入ったとんぼ玉みくじ(200円)、おみくじと共に「水引の花」が一輪入っている華の筒みくじ(200円)。

さらに、日本の神話おみくじ(100円)は、「大吉」など吉凶の表示がなく、心のあり方や行動のヒントが書かれたもの。天照大御神様を始めとして、古事記に登場する神様(全20柱)からの占い分が記されています。

バラエティに富んだ「おみくじ」が楽しい

写真:モノホシ ダン

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ほかに丹生都比売神社で、もっとも有名なおみくじといえるのが、みちびき犬みくじ(500円)。

当神社の御祭神である高野御子大神のお使いの犬が、じつは白犬と黒犬。この二頭が、弘法大師を高野山に導いたとされ、おみくじはこの故事にちなんだものです。

おみくじを取り出したあとは、お部屋に置いておくと、この「導き犬」が、仕事・勉学・恋愛などよい方向に導いてくれます。

バラエティに富んだ「おみくじ」が楽しい

写真:モノホシ ダン

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丹生都比売神社の御朱印は、通常御朱印と、御神犬記念御朱印(ともに500円)の2種類があります。後者は、弘法大師を高野山へと導いたとされる二頭の犬の伝説のように、白と黒の紀州犬が、当神社のご神犬となった記念の御朱印です。

なお、御神犬記念御朱印は、書き置きの紙で渡されますので、帰ったら御朱印帳に貼るようにしましょう。

毎月16日に斎行される月次祭の後には「ご神犬」にも会える

毎月16日に斎行される月次祭の後には「ご神犬」にも会える

写真:モノホシ ダン

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丹生都比売神社では、『高野山開創縁起』に、1200年前、弘法大師を高野山に導いたのが、当神社の神さまのお使いである白黒2頭の犬であると伝わることから、2018年12月に、崇敬者より紀州犬「すずひめ号」が、ご神犬として奉献されました。

そして、毎月16日に斎行される月次祭の後には「すずひめ号」(写真左)がご神前に参拝し、一定時間公開されてきました。さらに、2020年2月16日より、すずひめ号の次男「大輝号」(写真右)が、すずひめ号と共に神社にて公開されています。

<ご神犬 すずひめ号・大輝号の基本情報>
公開日:毎月16日
公開時間:10:00〜11:30、13:00〜14:30の1日2回

毎月16日に斎行される月次祭の後には「ご神犬」にも会える

写真:モノホシ ダン

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紀州犬は、知的で好奇心旺盛、引き締まった容姿とすぐれた運動能力をもっていて、秋田犬や甲斐犬に次いで天然記念物に指定されています。

丹生都比売神社にお参りの際には、多くの参拝者に愛されているご神犬「すずひめ号」と「大輝号」に、ぜひ会いに行ってみてはいかがでしょうか。

紀伊國一之宮 丹生都比売神社の基本情報

住所:和歌山県伊都郡かつらぎ町上天野230
電話番号:0736-26-0102
アクセス:JR和歌山線「笠田駅」からコミュニティバスで「丹生都比売神社前」バス停下車(約30分)
車利用の場合は、京奈和道「紀北かつらぎIC」より約20分。無料駐車場利用

2020年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2020/10/05−2020/11/16 訪問

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