写真:手塚 大貴
地図を見る岩手県の遠野は、「永遠の日本のふるさと」とも言われるのどかな町。かつて柳田國男が『遠野物語』を編み、天狗や座敷童子、そしてカッパと、多くの昔話が今に語り継がれています。
そんなカッパを探す旅の始まりは、JR遠野駅から。元は岩手軽便鉄道の駅として開業した、100年を超える歴史ある駅。コンクリートブロック造りで瓦葺きの駅舎は、風情に溢れた佇まいです。
写真:手塚 大貴
地図を見る遠野駅の駅舎をよく見ると、さっそくカッパが!遠野市の公式キャラクター「カリンちゃん」。手に持っているのは、市の花であるヤマユリです。
遠野を巡る前に立ち寄りたいのは、駅前にある「旅の蔵遠野」。観光案内所があるほか、レンタサイクル(4月〜11月)も利用可能。遠野の名所は駅から離れた場所が多いので、ここで自転車を借りて出発するのがオススメです。
写真:手塚 大貴
地図を見るカッパを探す遠野の旅を象徴するスポットは、なんといってもカッパ淵。かつてカッパが住んでいたとされるそのカッパ淵へ、まずは向かいましょう。
遠野駅からカッパ淵へ至るのは、国道340号土淵バイパス、通称「遠野かっぱロード」。道の脇には、可愛らしいカッパの顔をした柱が立っています。
写真:手塚 大貴
地図を見る遠野かっぱロードを進むと見えてくるのは、「カッパに注意」の看板。本当にカッパが出没するのかはわかりませんが、くれぐれも注意して、先へ進みましょう。
写真:手塚 大貴
地図を見る車や自転車は、カッパ淵と伝承園の共同駐車場に停めるのが最適。その駐車場の看板を見ると、ここにもカッパが!トイレマークがカッパになっていて、なんとも微笑ましい光景。町のあちこちでこんなカッパのイラストに出会えるのも、遠野の魅力のひとつです。
写真:手塚 大貴
地図を見る土淵町の常堅寺裏を流れる小川が、カッパ伝説の伝わるカッパ淵。かつてカッパが住んでいたとされ、いたずらで人々を驚かしたと言われています。
木々に囲まれた小川は、いかにもカッパが出てきそうな雰囲気。常堅寺の火事のときには、頭の皿から水を吹き出して消したと言われ、境内にはカッパ狛犬もあります。
写真:手塚 大貴
地図を見るやがて、母と子の守り神となったカッパ。岸辺には乳神を祀った祠があり、子持ちの女性が母乳が出るように願うと叶うと言われています。お供え物には、カッパの大好物のキュウリも!
写真:手塚 大貴
地図を見るカッパ淵でカッパ釣りをしたい人は、カッパ捕獲許可証が必要。伝承園のほか、遠野駅前の「旅の蔵遠野」でも入手可能。旅のお土産にもぴったりです。
<カッパ淵の基本情報>
住所:岩手県遠野市土淵町土淵
電話番号:0198-62-1333
アクセス:遠野駅からレンタサイクルで30分
写真:手塚 大貴
地図を見るカッパ淵と一緒にぜひ立ち寄りたいのが、すぐ近くにある伝承園。遠野の農家の生活様式を再現し、国の重要文化財に指定されている曲り家「菊池家住宅」、『遠野物語』の話者である「佐々木喜善記念館」などがあります。
なかでも必見なのは、1000体のオシラサマを展示する御蚕神堂。娘と馬の悲恋物語で知られ、農業と養蚕、馬の神様として信仰されるオシラサマ。桑の棒の先に馬や女性の顔を刻み、穴を開けた布を重ねた着物をまとっています。
写真:手塚 大貴
地図を見る伝承園では、カッパの顔の形をした絵馬を奉納することもできます。カッパの顔を描いてもいいですし、願い事を書いてもいいでしょう。
<伝承園の基本情報>
住所:岩手県遠野市土淵町土淵6地割5−1
電話番号:0198-62-8655
アクセス:遠野駅からレンタサイクルで30分
開園時間:9:00〜16:00
写真:手塚 大貴
地図を見る伝承園の前に置かれているのは、木彫りカッパの安全太郎。威厳に満ちた姿で、今日も交通安全を見守ってくれています。
写真:手塚 大貴
地図を見る実は遠野には、もうひとつの「カッパ淵」があることを知っていますか?そのカッパ淵があるのは、遠野の奥地にある山口集落。前述のカッパ淵から、レンタサイクルでそのまま行けます。
国の重要文化的景観に選定された山口集落は、佐々木喜善の生家があり、『遠野物語』の原点となった地。のどかな里山風景の中には、地域共同の水車小屋である「山口の水車」もあります。
写真:手塚 大貴
地図を見るその水車のほど近くを流れる山口川が、もうひとつのカッパ淵。ここもまた、かつてカッパが出没したという伝説が残る地なのです。
鬱蒼と生い茂る木々の中を流れるカッパ淵は、まさにどこかにカッパが潜んでいそうな独特な雰囲気。流れの向こうに目を凝らせば、本物のカッパを見つけることができるかもしれませんよ。
遠野へのアクセスは、JR東北新幹線の新花巻駅から釜石線で約1時間。カッパ探しはもちろん、古き良き日本の風景が残るその懐かしさも遠野の魅力。名物のジンギスカンを味わうこともお忘れなく。
ぜひ遠野を訪れて、カッパを探す旅を楽しんでみてください!どこかで本物のカッパに出会えることを願って……。
2020年12月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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この記事を書いたナビゲーター
手塚 大貴
沢木耕太郎氏の『深夜特急』に出会い、バックパッカーに。いまは「旅」の素晴らしさを伝えたくて、旅行ライターをしています。これまでに、アジアやヨーロッパ、南米などの22か国へ渡航。スポーツ観戦旅行が好きで…
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