独仏国境を歩いて越えよう「ミムラムの歩道橋」はヨーロッパ平和の象徴

独仏国境を歩いて越えよう「ミムラムの歩道橋」はヨーロッパ平和の象徴

更新日:2020/11/30 15:54

フランスとドイツの国境を流れるライン川。フランス東部アルザス地方の中心ストラスブールの近くに、優美な橋「ミムラムの歩道橋」がかかっています。名前の通り、この橋を渡れるのは歩行者と自転車だけ。広いライン川の上を歩いて、国境を越えてみませんか?

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「ミムラムの歩道橋」は“二つの岸を繋ぐ橋”

「ミムラムの歩道橋」は“二つの岸を繋ぐ橋”

提供元:Guilhem Vellut

https://www.flickr.com/photos/o_0/44651539205/

「ミムラムの歩道橋」の正式名称は、フランス語で「Passerelle des Deux Rives」。直訳すると「二つの岸を繋ぐ橋」で、この岸とはもちろんフランスとドイツの国境を繋ぐこと。2004年に、フランス側のストラスブールと、ドイツ側の町ケールの協力で作られました。日本語では、橋を設計したパリの建築家マルク・ミムラムの名前から「ミムラムの歩道橋」と呼ばれています。

「ミムラムの歩道橋」は“二つの岸を繋ぐ橋”
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近くには、車でも渡れるヨーロッパ橋や、トラムで国境を渡れる橋として2017年に開通したBeatus Rhenanus橋があります。そちらでも歩いて国境を渡ることができますが、この橋は写真の標識にも見える通り、自転車と歩行者だけが通れるようになっています。

因みに、1960年に開通したヨーロッパ橋は、ミムラムの歩道橋ができる前までは、ライン川で独仏国境を越えられる唯一の橋でした。

ライン川の上を歩こう!

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「歩道橋」とは言うものの、近くで見るととても大きな橋です。車やトラムに気を付ける必要もなく、家族や友人などと落ち着いて景色を楽しみながら渡るのにもぴったりです。

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こちらは橋の上から、対岸を見た様子です。この記事では、ドイツ側からフランスに向かって歩いていたので、フランス側の景色になります。
ライン川は川幅が広く、流れがゆったりしているので、日本の川に比べるとまるで湖のようにも見えます。

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橋の近くの両岸は「デュー・リヴ庭園(Jardin des Deux Rives)」という広い公園になっており、散歩をする人などもいて、市民の憩いの場になっているようです。

「ミムラムの歩道橋」はヨーロッパ平和の象徴

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フランスとドイツは、今でこそEUの主要国として協力し合う関係にありますが、仲が悪かった時代が長く、近代でも19世紀後半に起きた普仏戦争に始まり、第一次世界大戦、第二次世界大戦と、100年足らずの間に3度も戦火を交えた宿敵同士でした。ライン川にかかる橋が近年まで1つしかなかったのも、両国の歴史的な関係を反映しています。

そんな元・敵国同士を繋ぐ「ミムラムの歩道橋」は、ヨーロッパの平和と国際協力の象徴。「二つの岸を繋ぐ橋」という名前も、この二つの国を繋ぐという意味が込められているのでしょう。橋のたもとのデュー・リヴ庭園の入り口には、写真のように、フランス、ドイツ、EUの旗が掲げられています。2009年のNATOサミットでは、アメリカのオバマ大統領(当時)や、ドイツのメルケル首相も平和の象徴としてのこの橋を訪れたそうです。

「ミムラムの歩道橋」はヨーロッパ平和の象徴

提供元:JMRW67

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:La_passere…

また、ストラスブールを中心としたアルザス地方は、現在はフランス領ですが、現地固有語のアルザス語はドイツ語の方言の一つ。17世紀にフランス領になりましたが、独仏両国の国境地帯のため、フランスのロレーヌ地方と共に、普仏戦争でドイツ所属になり、第一次大戦後にフランス領、第二次大戦でまたナチスドイツに占領され、戦後またフランス領に戻るという、複雑な歴史をたどっています。戦場になることも多く、所属国が変わるたびに公用語、教育、法律などが変わるなど、2つの大国の政治の犠牲となってきた地域です。

現在、独仏間はパスポートのチェックなしで行き来することができますが、橋を渡る際にはそんな歴史に思いを馳せてみたらいかがでしょうか?

ライン河畔のドイツの小さな町「ケール」を訪れよう

ライン河畔のドイツの小さな町「ケール」を訪れよう
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最後に、ドイツ側の「ミムラムの歩道橋」に一番近い町、ケール(Khel)についてご紹介しましょう。フランス側の最寄りの町ストラスブールはフランス有数の大都市で、町の中心から最寄りの停留所までは、トラムで15分ほどかかります。一方、ドイツ側のケールは橋から歩いてもすぐ町の中心に着く小さな町です。

フランスからドイツ側へ橋を越えたら、ぜひケールの町まで行ってみてください。

ライン河畔のドイツの小さな町「ケール」を訪れよう
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小さな町なので観光客も少なく、フランス旅行ついでにドイツ人の普通の生活を垣間見るにもぴったり。国境を超えるのは簡単ですが、言語違えば雰囲気もフランスとは違う。写真のように、美しい公園「ローゼンガルテン・シュタットパルク」もあるので、ぜひ散策してみてください。

「ミムラムの歩道橋」の基本情報

名称:Passerelle de Deux Rives(ミムラムの歩道橋)
住所:ストラスブール(フランス)、ケール(ドイツ)
ストラスブールからのアクセス:
トラム停留所Langstross/Grand RueからKehl Rathaus行きのトラムに乗り、Port du Rhinで下車

2020年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2012/08/14 訪問

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