佐賀「チームラボ 廃墟と遺跡:淋汗茶の湯」はアートとサウナのコラボ

佐賀「チームラボ 廃墟と遺跡:淋汗茶の湯」はアートとサウナのコラボ

更新日:2020/12/18 16:37

権丈 俊宏のプロフィール写真 権丈 俊宏 一級建築士
「チームラボ 廃墟と遺跡:淋汗茶の湯」(佐賀県武雄市)は、2020年11月10日から開催中の常設アート展。その最大の特色は、御船山楽園ホテル「らかんの湯」と共同し、デジタルアート作品とサウナ・温泉入浴を組み合わせた点。今や世界中で活躍するチームラボでも、常設展としてサウナ・温泉入浴施設とのコラボレーションは初の試みです。
今回は、らかんの湯とチームラボ作品の全貌をご紹介します。

「チームラボ 廃墟と遺跡:淋汗茶の湯」サウナと茶の関係とは

「チームラボ 廃墟と遺跡:淋汗茶の湯」サウナと茶の関係とは

写真:権丈 俊宏

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「チームラボ 廃墟と遺跡:淋汗茶の湯」(読み方:りんかんちゃのゆ)。チームラボはデジタルアートとサウナ・温泉入浴のコラボレーションを2019年から取り組み、常設展としては本展で初めて実現しました。

受付は、御船山楽園ホテルのエントランスロビー。ホテルに足を踏み入れた途端、色鮮やかなランプの群衆に驚かされます! 作品名は「森の中の、呼応するランプの森とスパイラル - ワンストローク」。

「チームラボ 廃墟と遺跡:淋汗茶の湯」サウナと茶の関係とは

写真:権丈 俊宏

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天井からぶら下げられた多数のランプは、一筆書きで1本のつながった線として配置。物理的に一番近いランプに光が反応するため、まるで生き物のように光が連続して変化します。

また壁に配置された鏡の反射でランプの光が増殖し、スペクタルな空間を創造。ホテルのロビーとは思えないようなアートな雰囲気に包まれています。
※ランプ作品の色彩は、季節によって変わります。

「チームラボ 廃墟と遺跡:淋汗茶の湯」サウナと茶の関係とは

写真:権丈 俊宏

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またロビーの一角にある「EN TEA HOUSE 応灯楼」(喫茶店)。御船山楽園がある佐賀県南西部は、全国有数のお茶の産地として知られる地。ここでも緑茶を使用したオリジナルドリンクやスイーツを、アート作品を鑑賞しながら頂けます。

もともと「淋汗茶の湯」とは、風呂上がりの客に茶を勧めるといった意味。室町時代に文化的な遊びとして楽しまれていました。次に紹介するサウナ・温泉と茶は密接な関係があり、本展の根底を担っています。

2年連続日本一のサウナを体験しよう!

2年連続日本一のサウナを体験しよう!

写真:権丈 俊宏

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御船山楽園ホテル「らかんの湯」のサウナは、サウナシュランで2年連続日本一(2019〜2020)を獲得。是非ともチェックしてみましょう。
※サウナシュランとは、様々な業界のプロサウナ―が審査委員となり、毎年全国から11施設を選出・表彰するもの

上写真は女性大浴場のサウナ。まるでかまくらの中にいる様な純白の空間です。内部は中央にある石を熱して、その熱で室内を暖めるだけのシンプルな構造。そのため室内はサウナ特有の息苦しさがなく、快適にサウナ入浴を楽しめます。

また女性サウナでは、5種類のキューゲル(香りを愉しむアロマボール)を用意。それを熱された石に乗せて溶かすことで香しいアロマを発し、心身を癒す効果があります。

2年連続日本一のサウナを体験しよう!

写真:権丈 俊宏

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サウナ出入り口横には、水風呂が設置。しかし水道水ではなく、武雄温泉の源泉を17度まで冷却した水が使用されています。武雄温泉といえば、約1300年の歴史がある古湯。肌触り柔らかな美人湯として知られ、その名湯をサウナで楽しめます!

また、サウナと水風呂を交互に入浴(温冷交代浴)することにより、デトックス効果を促進し、心身ともにリフレッシュできます。
※デトックスとは、体内に溜まった有害な毒物を排出させること。

2年連続日本一のサウナを体験しよう!

写真:権丈 俊宏

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一方で男性大浴場のサウナは、黒を基調としたシックな造り。ここではキューゲルの代わりに、佐賀嬉野産ほうじ茶を熱石に振りかけます。すると少し焦げたような香ばしい茶の香りが広がり、より一層癒し効果を高めてくれます。

趣向を凝らした温泉でリフレッシュ!

趣向を凝らした温泉でリフレッシュ!

写真:権丈 俊宏

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「らかんの湯」の魅力は、サウナだけではありません。男女大浴場ともに趣向を凝らした温泉入浴を楽しめます。

女性大浴場は、サウナとは一転してシックで落ち着いた造り。露天風呂(上写真)では御船山の緑に囲まれ、森林浴のような清々しい気分で湯浴みを満喫できます。

趣向を凝らした温泉でリフレッシュ!

写真:権丈 俊宏

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さらに女性大浴場では、露天風呂奥に喫茶スペースを設置。脱衣のまま、薪のストーブで冷えた体を温められます。またドリンクやスイーツも注文可能。ちょっとしたセレブ気分を満喫できますよ!
※喫茶スペースは女性大浴場のみの設置です。

趣向を凝らした温泉でリフレッシュ!

写真:権丈 俊宏

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男性大浴場は、開放感たっぷりのダイナミックな造り。大空と御船山の緑に囲まれ、爽快な湯浴みを楽しめます。また温泉水を利用した水風呂は、男性大浴場では露天風呂に設置されています。

なお「らかんの湯」日帰り入浴は、一日最大で男女各20名限定の予約制。チームラボ作品鑑賞のみのチケットもあります。詳しくは本記事最後にある「基本情報」をご覧ください。

廃墟の湯屋にある2つの作品

廃墟の湯屋にある2つの作品

写真:権丈 俊宏

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御船山楽園ホテルでは、使われなくなった浴室跡を利用した2つのチームラボ作品があります。その一つは、作品名「廃墟の湯屋にあるメガリス」。

メガリスとは太古に創造され、現代も形を残す巨石遺跡の意味。この作品では、樹齢3000年の木が存在する御船山の森で生まれた花や滝が来場者に反応して永遠に変化し続け、様々な時空が交差する空間を生んでいます。

廃墟の湯屋にある2つの作品

写真:権丈 俊宏

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完全に日が落ちると、昼間とは違った静寂な雰囲気に包まれます。昼夜両方の情景を楽しみたい方は、日没前の夕方の訪問がおすすめ。日があるうちにこの作品を鑑賞し、他の作品やサウナなどを楽しんだ後、夜の作品を再度鑑賞すると良いでしょう。

廃墟の湯屋にある2つの作品

提供元:チームラボ

https://www.teamlab.art/jp/e/mifuneyamarakuen-saun…地図を見る

もう一つの作品は、2020年12月7日から展示を開始した新しい作品「廃墟の湯屋のフラワーズボミング」。夏〜秋にかけて開催された展覧会「チームラボかみさまがすまう森」で来場者が描いた花々が、廃墟となった湯屋の空間に咲き渡ります。

漆黒の地下道の奥にある小宇宙

漆黒の地下道の奥にある小宇宙

写真:権丈 俊宏

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御船山楽園には、長く使われることが無かった地下道とその奥にある廃墟が存在します。チームラボは、それらに新たな生命の息吹を与えました。

作品名は「地下道の奥の廃墟に舞う群蝶、超越する空間」。地下道が通る森は、樹齢3000年以上の木が存在する森。忘れ去られていた地下道は、まるで時間が止まったかのような時空が存在します。

漆黒の地下道の奥にある小宇宙

提供元:チームラボ

https://www.teamlab.art/jp/e/mifuneyamarakuen-saun…地図を見る

地下道突き当りの墟に広がる小宇宙の群蝶は、廃墟が持つ時間と空間の境界を超越して舞い続けます。

なお「チームラボ 廃墟と遺跡:淋汗茶の湯」では、めぐる順番を特に指定していません。しかし、サウナ(温冷交代浴)を繰り返すことにより心身が開放された状態で、廃墟のアート群の中へ身をゆだねてみましょう。きっと御船山の歴史や自然が、また一味違った形で見えてくるに違いありません。

チームラボ 廃墟と遺跡:淋汗茶の湯の基本情報

住所:佐賀県武雄市武雄町大字武雄4100
電話番号:0954-23-3131(御船山楽園ホテル)
アクセス:
【電車】JR武雄温泉駅からタクシーで約5分(約3km)
【車】長崎自動車道 武雄北方ICから約10分(約6km)
営業時間:
【アート展】11時〜22時。無休
【らかんの湯】第1部:15時〜17時30分。第2部:17時30分〜20時
※らかんの湯日帰り入浴は第1部・第2部とも予約制/定員制(男女各10名)
料金:
【アート展のみ】中学生以上600円。小学生400円。未就学児は無料
【らかんの湯+アート展】大人3850円(中学生以下利用不可)
※チケット購入は、電話もしくはチームラボ公式チケットサイトから予約してください。本記事最後にある「この情報の関連MEMO」内に公式チケットサイトをリンクしています。なおアート展のみのチケットは、現地支払い可です。

2020年12月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2020/11/29 訪問

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