温泉は、泉質によって効能や肌触りが違います。主な泉質は、単純泉、塩化物泉、硫酸塩泉などがあります。また、PH値(水素イオン濃度)も重要で、PH値が大きいほどアルカリ性、小さいほど酸性となります。日本の温泉は、中性から弱アルカリ性の温泉が最も多く、酸性の温泉は非常に珍しい温泉。岳温泉は、秋田県の玉川温泉や、山形県の蔵王温泉、群馬県の草津温泉などと共に、希少な酸性泉が味わえます。
岳温泉の湯元は、安達太良連邦の1つ鉄山の南麓。標高1450メートルから自然湧出している源泉を、温泉街までの約8キロ落差950メートルを引き湯しているため、自然に湯もみされ、肌触りが柔らかい温泉が楽しめます。
道の中央に湧水が流れる温泉街の北西の端に、岳温泉神社があります。863年(貞観5年)に小結泉神、897年(寛平9年)に、小陽日神として、朝廷より贈位された、県内最古の官社された神社。陽日温泉神、安達太良明神、熊野神の山神に、薬師如来が祀られている神社は、岳温泉の歴史を伝える神社です。
岳温泉の東南の端には、鏡ヶ池公園があります。青白の水面に、安達太良山が鏡のように映るため鏡ヶ池と名付けられました。池の周辺は散策路があり、1周30分程度で、四季折々の岳温泉の風景が楽しめます。また、散策のご褒美は、鏡ヶ池から温泉街へ続く桜坂の足湯。足湯も源泉かけ流しです。
旅籠ふじ乃は、温泉街のほぼ中央にあります。水車が回る敷地から、おみやげ処のある建物に入り、太鼓橋の先に、下がり藤の幕が下がった玄関があります。奥まっているので、隠れ家のよう。
チェックインは、庭園が見えるフロントロビーでコーヒーを飲みながらの手続き。ロビーフロアには、アンティークな和箪笥が置かれ、至る所に盆栽が飾られています。落ち着いた雰囲気で、自分時間が楽しめる宿です。
フロントロビーには、ラウンジバーがあります。バーと聞くと、敷居が高いように感じますが、浴衣姿で気軽に利用できます。
室内庭園があるラウンジ。テーブルにも盆栽が置かれている癒しの空間です。布製のチェアは快適な座り心地。
岳温泉は、泉温65度、PH値は、レモンと同程度の、2.48の単純酸性泉(低張性・酸性・高温泉)。温泉は無色無臭ですが、湯元の気象状況や、湯の花の量で、乳白色や、青、緑がかった透明に変化する不思議な温泉。酸性の温泉は、殺菌効果が高く切り傷や、慢性皮膚病に効果があるとされています。
岳温泉は、天然の保水成分で、肌の新陳代謝を促進するメタケイ酸も多く含まれているため、湯上り後は肌がしっとりとします。大浴場は、男女とも内湯と露天があり、チェックインから翌日の午前9時まで、源泉かけ流しの温泉が楽しめます。
男湯の露天より、一回り広い女湯の露天風呂。酸性泉は酸性成分が肌の角質を溶かすことから、美肌効果が期待できます。また、酸性泉は刺激が強く湯あたりしやすいため、入浴前後の水分補給と、適度の休憩が大切です。
有料の貸切風呂は、チェックイン時に先着順の予約。通常、貸切風呂と聞けば家族風呂のサイズを想像しますが、ふじ乃の貸切風呂は大浴場のよう。1回40分の利用ですが、優雅な気分が味わえます。
ふじ乃は、全18室、6イプの和モダンの客室。12畳の和室(洗面所、トイレ付)をスタンダードに、源泉かけ流しの客室風呂付の、5つのスイートルームが選べます。信楽焼の客室風呂に、和室、広縁、ツインベットの特別室の「プレミアムスイート」に、箱庭が見える檜風呂に、和室の「ラグジュアリースイート」、檜風呂に、和室、ツインベットの「ジュニアスイート」、檜風呂に、和室、応接室、ツインベットの「ジャパニーズスイート」などの準特別室があります。
ジュニアスイートの客室は、廊下の先に広縁、左側に、檜風呂、洗面所、トイレ、和室、右側に、畳敷きのベットルームがあり、自宅のようにくつろげます。また、客室のお風呂も、源泉かけ流しのため、チェックアウトまで檜のお風呂が楽しめます。
ベットはセミダブル。アメニティーは、浴衣やタオル、バスタオルなどと共に、女性には嬉しい、ミキモトコスメティクスの、エッセンシャルマスクと、タイのナチュラルスキンケアブランド、THANN(タン)のボディーローションと、固形石鹸が添えられています。
客室の檜風呂も源泉かけ流し。湯口から温泉が流れる音が室内にも聞こえます。青白色の温泉が、入浴後、沈殿した湯の花が舞い、乳白色の温泉に変ります。また、客室風呂のシャンプー類もTHANNブランド。特別感があります。
夕食は、地元食材の会席料理。四季折々の福島の食材が味わえます。リンゴの食前酒に、ヒラメの昆布締め、寄せ湯葉の先付に、イクラ、サンマのわた焼きなどの前菜。酢の物は、サーモン、ホタテ、菊花などを重ねた博多に、マグロ、タイ、カンパチのお造りなど。手の込んだ料理が、色とりどりの器に盛られ、目にも口にも美味しい料理が味わえます。
強肴は、福島牛のしゃぶしゃぶ。綺麗なサシが入ったお肉を、胡麻ポン酢で頂きます。だし汁に2〜3度くぐらせ、肉が薄桃色ぐらいになれば食べごろ。この後、揚物、煮物と続き、食事は、むかご釜飯と合鴨の葛打ちのおすまし。葛打ちの鴨肉は滑らかな食感。
料理は季節によって変わります。福島県の旬の食材をお楽しみください。
朝食は予約時に、和食か洋食が選べます。和食は、料理箱に盛られた、サラダ、ちりめん山椒、温泉卵生姜添え、焼き鮭、笹かまぼこなどの料理と、ベーコンとウインナーの陶板焼き。ふっくらと炊かれたご飯は甘味があります。
洋食は、1皿に盛られた、オムレツ、ポテトサラダ、ベーコン、ウインナーと、生ハムサラダ。柔らかく焼かれたオムレツは家庭では味わえない味。香ばしく焼かれたクロワッサンは、イチゴジャム又はバターで頂きます。ゆっくりと味わう朝食は、旅の楽しみの1つです。
岳温泉の13軒の指定旅館の中から、3軒のお風呂が利用できる「湯めぐり手形」があり、絶景露天風呂の宿や、うたたね湯のある宿などの日帰り温泉が楽しめます。
また、福島県は、新潟、長野、兵庫に次ぐ、有数の酒どころ。岳温泉のある二本松市にも、福島を代表する酒造の奥の松酒造や、吟醸のみ製造する人気酒造など、4軒の酒造があります。地元酒造のお酒は、温泉街の酒店で販売されています。
旅籠ふじ乃は、落ち着いた雰囲気の大人の隠れ家。天然温泉をかけ流しで、大浴場や客室風呂で楽しめ、四季折々の福島食材を味わえる宿です。
2021年1月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/10/8更新)
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