「ドゥッガ」ローマ帝国の繁栄を今に伝えるチュニジアの世界遺産

「ドゥッガ」ローマ帝国の繁栄を今に伝えるチュニジアの世界遺産

更新日:2020/12/09 09:15

大竹 進のプロフィール写真 大竹 進 元旅行会社勤務、元旅行専門学校講師
チュニジア最大規模のローマ遺跡であるドゥッガ。紀元前2000年にはヌミディア人が住み始め、ヌミディア王国の重要な都市として栄え、その後カルタゴやローマの支配を受け、2〜4世紀に最盛期を迎えました。
ビザンチン帝国時代には要塞化され、その後、他の民族がここに町を築かなかったため極めて保存状態が良く、かつての繁栄の様子を垣間見る事が出来ます。眺めの良い丘の上に広がるドゥッガ遺跡をご紹介します。


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今も現役!観衆を熱狂させた劇場

今も現役!観衆を熱狂させた劇場

写真:大竹 進

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古代都市遺跡ドゥッガは首都チュニスの南西約100km、標高600mの地にあり、19世紀末に考古学者たちが発掘を始めた頃は、アラブの村人たちが細々と暮らしていただけでした。65ヘクタールにも及ぶ広大な遺跡ですが、発掘されたのはまだ3分の2ほどに過ぎません。

遺跡に入って最初に見える建造物がこの劇場です。2世紀に建設され、正面にはコリント式の柱が並び、荘厳な空気を感じさせます。

今も現役!観衆を熱狂させた劇場

写真:大竹 進

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劇場の収容人数は3500人。観覧席は丘の斜面を利用して造られています。夏期にはここでクラシックコンサートなどのフェスティバルも開催されますが、雰囲気は最高ですね。

今も現役!観衆を熱狂させた劇場

写真:大竹 進

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観覧席の最後部まで上って行くと、そこからは緑豊かな田園地帯や地平線近くに横たわる山並など、抜群の眺めが望めます。古代ローマの人々はこの様な壮大な景色を眺めながら、音楽や劇を楽しんでいたと思うと、何とも羨ましい思いがしますね。

二人の皇帝に捧げられ三神を祀る神殿キャピトル

二人の皇帝に捧げられ三神を祀る神殿キャピトル

写真:大竹 進

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劇場の西に見える神殿は町の中心にあるキャピトルで、大きくうねる丘を背景に、存在感を持って佇んでいます。

二人の皇帝に捧げられ三神を祀る神殿キャピトル

写真:大竹 進

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キャピトルはジュピター、ジュノー、ミネルバの3神を祀る神殿です。手前の広場は風の広場と呼ばれていますが、これは敷石に12種類の風の名前が彫られている事に由来しています。

二人の皇帝に捧げられ三神を祀る神殿キャピトル

写真:大竹 進

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この神殿はマルクス・アウレリウスと、ルキウス・ヴェルスの二人の皇帝に捧げられました。コリント式の柱に支えられた上部には鷲の彫刻が見られますが、これは力の象徴、神格化された皇帝の化身ともされています。

神殿内部の中央にある壁龕(へきがん)には、当時6mに及ぶ巨大なジュピター像がありました。まさに町の中心に相応しい堂々たる建物です。

ドゥッガ随一のフォトスポットと浴場・ユリシーズの家

ドゥッガ随一のフォトスポットと浴場・ユリシーズの家

写真:大竹 進

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ドゥッガ遺跡で一番の撮影スポットになっている、ダール・エル・アチェブの入り口の門からキャピトルを望むアングル。門が額縁の様になり、確かに絵になります。ここで記念写真を撮るのも良いですね。

ここは薬草商の家であったと言われていますが、奴隷マーケットだったかも知れないとも言われています。

ドゥッガ随一のフォトスポットと浴場・ユリシーズの家

写真:大竹 進

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ローマの都市遺跡には何処でも劇場と並んで浴場がありますが、ドゥッガにも幾つかの浴場があり、これはその一つであるリキニアの浴場で、冬の浴場とも呼ばれています。

ドゥッガ随一のフォトスポットと浴場・ユリシーズの家

写真:大竹 進

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この立派な石垣で囲まれているのはディオニソスとユリシーズの家です。家の名前はここで発見されたモザイクに由来していますが、発掘されたモザイク作品は現在チュニスにあるバルドー博物館に展示されています。

中でもホメロスの叙事詩「オデュッセイア」の一場面である「オデュッセウスとセイレーン」は有名。ローマ帝国時代の豪邸の床は何処も見事なモザイクで飾られていました。

凱旋門と神殿 ローマ時代以前の建築物

凱旋門と神殿 ローマ時代以前の建築物

写真:大竹 進

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ドゥッガの中心にあるキャピトルから少し西へ行った所にアレクサンデル・セヴェルスの凱旋門があります。これはセヴェルス朝最後の皇帝、アレクサンデルの在位の間(222〜235年)に建てられたもので、ここが町の西側の出入り口でした。

凱旋門と神殿 ローマ時代以前の建築物

写真:大竹 進

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アレクサンデル・セヴェルスの凱旋門から少し南に行った所にあるのがカエレスティス神殿です。222年に建てられた女神たちを祀ったとされる神殿で、5世紀のビザンチン帝国時代になるとキリスト教の教会に変えられました。

そんな長い歴史を持つ神殿も今ではオリーブに囲まれて静かに佇んでいます。

凱旋門と神殿 ローマ時代以前の建築物

写真:大竹 進

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ドゥッガ遺跡のある丘の下の方にリビコ・プュニック廟があります。チュニジアでは数少ないローマ時代以前の建築物で、紀元前3世紀のヌミディアの指導者アテバンの廟ですが、壁面に書かれていた碑文は1842年に英国領事によって持ち出されてしまい、現在は大英博物館にあります。

ローマ人の居住区と羊たち

ローマ人の居住区と羊たち

写真:大竹 進

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キャピトルの南側にはローマ人の居住区が広がっていて、ディオニソスとユリシーズの家もこのエリアにあります。これを見てもドゥッガ遺跡の広さが実感出来るかと思いますが、畑の向こうにも都市跡が残ると言われています。

ローマ人の居住区と羊たち

写真:大竹 進

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明るい陽光が降り注ぐこの場所は公衆トイレです。現代の様な個室タイプではなく、実におおらかなトイレですね。当時の人々はここで用を足しながら、世間話に花を咲かせていたのでしょうか。

ローマ人の居住区と羊たち

写真:大竹 進

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チュニジアでは各地で羊やヤギの群れを見掛けますが、ドゥッガ遺跡でも羊飼いに連れられて多くの羊たちがやって来る事があります。こんなカメラ目線の羊の親子に出会えたら楽しいですね。

ドゥッガはローマ帝国の都市遺跡として極めて保存状態が良く、世界遺産に登録されています。チュニジア観光では必見のドゥッガに訪れて、是非あなたも古代ローマ都市の面影を体感してみて下さい。

ドゥッガの基本情報

住所:Dougga, Teboursouk
営業時間:(5/1〜9/15)8:00〜19:00、(9/16〜4/30)8:30〜17:30
休業日:なし
入場料:8チュニジア・ディナール(約300円)

2020年12月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2020/03/05 訪問

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