熊本県南西部に位置し、北は有明海、東は八代海に挟まれた天草諸島。大小120余の島々で構成され、上天草市を中心とする天草上島(かみしま)と天草市を中心とする天草下島(しもしま)を主島とし、上天草エリアと下天草エリアに大きく分かれています。
碧く美しい海と島、風光明媚な景観が広がる天草地方は、長崎県の島原半島とともに雲仙天草国立公園に指定されています。また近年、世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産の1つに天草のア津集落が登録されたことで、ますます注目が集まるエリアとなっています。
天草といえばキリシタン文化や南蛮文化に関連した歴史スポットに注目されがちですが、実は「藍よりも青き海」と称されるほど美しい海を持った「宝島」。
穏やかな内湾に一年中温暖な気候、そして阿蘇や久住の山々から流れ込む豊富なミネラル分で、天草の海は多種多様なサンゴや海洋生物の棲む天然のアクアリウムとなっています。
エサに困ることなく外敵も少ない穏やかな天草の海はイルカの棲み処にうってつけ。そのため、いつしか一年中回遊しないイルカ=根付きイルカが数多く生息するようになったのです。
写真:Mayumi Kawai
地図を見る天草の海に棲むイルカは主に体長2〜3mになるミナミハンドウイルカ(ミナミバンドウイルカともいう)で、およそ300頭が生息しています。通常のバンドウイルカに比べて口先が細長く、成長すると腹部に斑点が現れるのが特徴です。
また、口先が短く頭が丸いイルカの仲間・スナメリも生息していますが、単独行動が多くすぐに潜ってしまうため、遭遇できたらかなりラッキーといえます。
写真:Mayumi Kawai
地図を見る次にイルカの生息域ですが、長崎の島原半島と天草下島の間に横たわる早崎海峡、この海峡を中心とした海域がもっともイルカの出現率が高く、9割超の遭遇率となっています。季節や天候にも左右されず一年中ほぼ毎日安定的に見かけることができる場所なんて、世界でもそうそうありません。
とはいえ、遭遇できるイルカの群れや数は運次第。数頭だけの場合もあれば、運が良ければ、一度に100頭ものイルカに出会えるチャンスも夢ではないんです。
写真:Mayumi Kawai
地図を見る天草イルカウォッチングを取り扱う会社は上天草・下天草エリア各地に存在します。イルカウォッチングとセットにした宿泊プランを提供する宿泊施設もあるため、観光拠点となる滞在先に合わせて探してみるとよいでしょう。
イルカウォッチング用の観光船は主に全天候型のクルーズ船タイプと地元漁師さんが操縦する漁船タイプがあります。クルーズ船は雨でも船内から鑑賞でき空調も完備、また船の揺れも少なく、天候や船酔いに不安がある方にはオススメです。またトイレが完備されているところも安心ですね。
クルーズ船および漁船のツアー所要時間はおおむね1〜2時間となっています。
写真:Mayumi Kawai
地図を見るはじめはチラホラ見え隠れしていたイルカたちも次第に数が増え、早崎海峡に達する頃にはイルカの大群が群れを為して姿を現します(繰り返しですが、イルカに遭遇できる数は運次第。日や時間帯、場所によって異なります)。
日本には小笠原や伊豆諸島の御蔵島、石川の能登半島など野生のイルカの生息地がいくつかありますが、ここまでの大群に遭遇できるチャンスはめったにありません。世界的に見ても貴重で、まさにイルカパラダイス!興奮と癒やしの連続が待っています。
写真:Mayumi Kawai
地図を見る天草のイルカは人懐っこくサービス精神旺盛。船を追いかけてきたり一緒に並走したり、右に左に現れたと思ったら急に船体の下に潜り込んだりととにかくアクティブ。水族館のパフォーマンスでは拝めない野生のイルカならではのダイナミックな動きと距離感です。実に贅沢な時間です。
調子が良いと張り切ってジャンプもしてくれます。決定的瞬間をカメラに収めてくださいね。
写真:Mayumi Kawai
地図を見る前述のとおり、天草ではイルカウォッチングを取り扱う会社はいくつもありますが、中でも熊本市内からアクセス至便でイルカウォッチングとの日帰りも可能な上天草エリアがおすすめです。
たとえば、天草五橋の4号橋と5号橋の間、上天草の前島に2019年10月に誕生した観光複合施設「ミオ・カミーノ・アマクサ mio camino AMAKUSA」は、イルカウォッチング(シークルーズ社主催)をはじめ五橋クルーズやシーカヤック、SUPなどのマリンアクティビティの受付窓口が併設されていて遊びの拠点として大変便利です。
<ミオ・カミーノ・アマクサの基本情報>
住所:熊本県上天草市松島町合津6215番17
電話番号:0969-33-9500
営業時間:9:00〜17:30
写真:Mayumi Kawai
地図を見る館内には地元食材を使用したご当地メニューを提供するフードコートやカフェ、屋外にはBBQエリアや牡蠣小屋などもあって食のイベントも充実。イルカウォッチングを満喫した後は、ぜひ天草グルメもご堪能ください。
写真:Mayumi Kawai
地図を見る館内のマーケットプレイスには天草に伝わる伝統を生かした陶磁器や服飾雑貨、地場の特産を生かした加工食品などさまざまな天草土産が所狭しと並んでいます。もちろん、イルカにちなんだグッズも勢揃い。たとえば、イルカの形をしたティーバッグはおしゃれでキュートでクオリティも高く、お土産にしたらきっと喜ばれるアイテムです。
キリシタン文化だけでない天草。ぜひ今度九州熊本を訪れたら天草イルカウォッチングで癒やされるとともにミオ・カミーノで「宝島」天草を満喫してはいかがですか?
住所:熊本県上天草市松島町合津6215番17 ミオ・カミーノ・アマクサ内
電話番号:0969-56-2458(イルカウォッチング主催のシークルーズ直通)
アクセス:車の場合、熊本市内から国道57号経由で約1時間〜1時間半。バスの場合、熊本市内から快速あまくさ号で天草(本渡)行に乗り、「リゾラテラス天草」下車、所要約1時間半。船の場合、JR熊本駅からJR三角線にて三角駅下車、徒歩で目の前にある三角港へ移動し、観光定期船「天草宝島ライン」に乗船、松島(前島)港直行で全体所要約1時間半
※上記は上天草のミオ・カミーノ・アマクサを利用した場合の情報です。
2020年12月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/12/12更新)
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