写真:モノホシ ダン
地図を見る天空の城として知られる高取城跡に向かって真っ直ぐに伸びる「土佐街道」。その名前の由来は、6世紀、大和朝廷の都造営の労役で、土佐国(高知県)からここに召し出された人々が、任務が終わっても帰郷することができず、この地に住み着いたことによります。
写真は、薬の町・高取町で3代にわたって営業している漢方薬のお店「壺阪漢方堂薬局」。連子格子と、つし二階に設けられた虫籠窓がとても印象的です。
ちなみに「つし二階」とは、軒高が低い町家の通りに面した屋根裏空間で、天井が低く、使用人の部屋や物置などとしても利用されました。
<壺阪漢方堂薬局の基本情報>
住所:奈良県高市郡高取町観覚寺1467
電話番号:0744-52-2168
アクセス:近鉄壷阪山駅から徒歩約5分
車利用の場合は、高取町観光駐車場利用
写真:モノホシ ダン
地図を見る土佐街道を訪れたら、最初に立ち寄りたいのが高取町の観光案内所「夢創館」。大正時代の呉服屋「旧山崎邸」の建物を改修し、ギャラリーや資料の展示、地場産品の販売など行っています。
<夢創館の本情報>
住所:奈良県高市郡高取町大字上土佐20-2
電話番号:0744-52-1150
開館時間:9:30〜16:30
休館日:毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日)年末年始
アクセス:近鉄壺阪山駅より徒歩約15分
車利用の場合は、高取町観光駐車場利用
写真:モノホシ ダン
地図を見る夢創館の裏手にあり、蔵の一部を改造したのが「くすりの資料館」。資料館では、道具や資料などから薬の歴史が学ぶことができます。
高取町と薬との関わりは古く、『日本書紀』には同町で、古代の宮廷行事である薬猟(くすりがり)を行ったとの記録があります。その後、薬種の豊富な町で作られる家伝薬を、修験者たちが広めていったのが「大和の薬売り」の始まり。
江戸時代には、高取藩主植村氏が、江戸参勤交代の際に他の藩主に薬を贈ったほか、置き薬の行商人が各地を巡り、全国に「薬の町・高取」を知らしめました。
写真:モノホシ ダン
地図を見る代官所の建物のような「石川医院」は、江戸時代中期の享保年間に、高取藩の御殿医を務めた名門医院。立派な門は、高取城の下屋敷の表門を移築したもの。医院名の看板の文字が圧巻です。現在は皮膚科医院として営業しています。
<石川医院の基本情報>
住所:奈良県高市郡高取町331
電話番号:0744-52-2008
アクセス:近鉄壷阪山駅より徒歩約5分
写真:モノホシ ダン
地図を見る明治時代に取り壊されてしまった高取城の門を移築したのが高野山真言宗の寺院「子嶋寺(こじまでら)」。山門は、高取城の二の門を移築したもので、これが唯一現存する高取城の遺構です。
奈良時代の752年(天平勝宝4年)の建立で、町内では壺阪寺に次ぐ古刹です。現在は、お堂が2つあるだけの小さなお寺ですが、下子嶋を中心に、一時は21坊もの伽藍を誇りました。歴史的にも貴重な遺構ですので、ぜひじっくりと見てください。
<子嶋寺の基本情報>
住所:奈良県高市郡高取町観覚寺544
電話番号:0744-52-2074
拝観料:境内自由
アクセス:近鉄壺阪山駅より徒歩約5分
車利用の場合は、専用駐車場利用
高取町にある西国三十三所第6番札所として有名な「壺阪寺」は、眼病封じのお寺としても知られています。その元になったのは、明治時代に作られた浄瑠璃の演目で、夫婦愛をテーマにした『壺阪霊験記』。
土佐街道の「信楽寺(しんぎょうじ)」には、その物語の主人公である沢市・お里の夫婦の墓所があります。一般的には、壺阪寺に祀られていると思われがちですので、土佐街道沿いに墓所があるとは、ちょっとした驚きですね。
<信楽寺の基本情報>
住所:奈良県高市郡高取町下子島366
アクセス:近鉄壺阪山駅から徒歩約20分
車利用の場合は、高取町観光駐車場利用
写真:モノホシ ダン
地図を見る土佐街道を高取城跡の方面に向かってさらに歩いてゆくと、壺阪道との分岐点、札の辻に出ます。ここに建っているのが、「高取城松ノ門」。
明治時代の廃藩置県により、高取城が廃城になった際に、小学校の校門として移築されていましたが、のちに火災により一部消失し、解体されたままとなっていました。
現在の門は、その後、残存する部材を用いて柱・梁・門扉を復元したものです。松ノ門は、完全な形で再現されているわけではありませんが、往時の繁栄を偲ぶ遺構として、土佐街道観光の名所となっています。
<松ノ門の基本情報>
住所:奈良県高市郡高取町上土佐
アクセス:近鉄壺阪山駅から徒歩約25分
車利用の場合は、高取町観光駐車場利用
写真:モノホシ ダン
地図を見る松ノ門を過ぎ、さらに緩やかな坂道を上がってゆくと、長屋門をそのまま残す「武家屋敷(田塩家)」が。築約300年といわれ、長屋門には格子が横向きの「与力窓」が2つ付いています。
さらに、門を入ったところには、玄関脇に格子をはめた「監視窓」付きの塀があり表口を警戒するという、非常に珍しい構えとなっています。
<武家屋敷(田塩家)の基本情報>
住所:奈良県高市郡高取町下小島
アクセス:近鉄壺阪山駅から徒歩約25分
車利用の場合は、高取町観光駐車場利用
武家屋敷(田塩家)の並びに、さらにもう1軒、長屋門があります。旧高取藩の家老屋敷だった「植村家長屋門」で、県の重要文化財に指定されています。
江戸時代末期の、1826年(文政9年)の建立で、一重入母屋瓦葺き造りで、腰板張りの部分は、白漆喰を盛り上げた、なまこ壁となっています。格子模様のなまこ壁のデザインは、サイコロの4の目を思わせます。現在は、旧藩主植村氏の子孫の方が住んでおられます。
<植村家長屋門の基本情報>
住所:奈良県高市郡高取町下小島3
アクセス:近鉄壺阪山駅から徒歩約30分
車利用の場合は、高取町観光駐車場利用
写真:モノホシ ダン
地図を見る「町屋カフェnoconoco」は、土佐街道沿いにある、戦前の米蔵を改装したレトロなカフェ。
隣接する「街の駅 城跡(きせき)」は、元JAの建物を改装して作られた観光施設。土佐街道で、「町家の雛めぐり」や「町家の案山子めぐり」などのイベントが開催される際には、メイン会場にもなる施設です。
写真:モノホシ ダン
地図を見る店内は、落ち着きのあるシックな色合いで、高い天井を渡る梁が、非常に趣があります。
写真:モノホシ ダン
地図を見るカフェのランチでおすすめなのが、写真の1日限定10食の「のこのこランチ」(1200円)。のこのこランチは、月替わりで、メイン料理は魚か肉で、旬の野菜を中心に使っています。
ほかにも、「とんかつランチ」(1200円)や、明日香村の古代米を使った「のこのこ古代米カレー」(800円)などがあります。
また、地元の洋菓子店から仕入れているケーキや手作りのシフォンケーキ、ドリンクなどのカフェメニューも揃っています。土佐街道の散策の途中にぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
<町屋カフェnoconocoの基本情報>
住所:奈良県高市郡高取町上土佐57
電話番号:0744-52-4771
営業時間:9:00〜16:30(12月〜2月は16:00まで)
定休日:木曜日 年末年始(年によって異なる)
アクセス:近鉄壺阪山駅より徒歩約20分
車利用の場合は、専用駐車場利用
いかがでしたか。土佐街道がある高取町では、ほかに何と言っても難攻不落の日本一の山城跡と呼ばれる「高取城跡」が名高いです。
近鉄・壺阪山駅から土佐街道を通って高取城跡までは、片道約1時間40分の行程です。
この機会に、日本100名城にも選ばれた、日本三大山城の一つ、高取城跡を訪れてみてはいかがでしょうか。
2020年12月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/4/17更新)
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