写真:野水 綾乃
地図を見るグッドデザイン賞ベスト100やクールジャパンアワード2019など数々の賞を受賞したことでも話題のアートビオトープ那須の「水庭」。建築家・石上純也氏が手がけたもので、緻密な計算によって配置された318本の木々と大小160のビオトープ(池)が織り成す唯一無二の空間です。
この水庭に植えられている樹木たち、実はもともと今回誕生したアートビオトープ那須の新しい宿泊棟「スイートヴィラ」が建つ隣の敷地にあったものを1本1本移植したのです。
写真:野水 綾乃
地図を見るそして誕生したのが「スイートヴィラ」のエリアです。水庭に隣接する森を切り開いた場所にあります。
左手にある大きな建物が、敷地内の野菜やハーブなどを使った滋味あふれる料理を楽しめる「レストランμ」。そして右手から敷地の奥にかけてヴィラが14棟15室点在しています。設計を担当したのは、「建築界のノーベル賞」と言われるプリツカー建築賞を受賞した経歴を持つ坂茂氏。宿泊施設では山形の「スイデンテラス」のデザインでも知られています。
写真:野水 綾乃
地図を見るスイートヴィラは写真のように1棟ずつ完全に独立しています。ゆるやかな傾斜を持つ土地を整地することなく活かし、ありのままの自然に寄り添った造りになっています。それではヴィラの中を見ていきましょう。
写真:野水 綾乃
地図を見るスイートヴィラはそれぞれ約80平方メートルの広さの贅沢なツインルームです。壁にも床にも、屋根に渡した1本12メートルの登り梁にも、国産木材が多く使用されていて、扉を開けた瞬間に優しい木の香りに包まれます。
傾斜した地形をそのまま活かして建てられているので、ベッドルームとリビングルームがスキップフロアのような形で短い階段で結ばれています。リビングの先には奥行き3メートルのテラスが続き、窓を全面開口すれば外までリビングが広がったような抜群の開放感が得られます。テラスの向こうには敷地内を流れる小川がさらさらと音を立てています。
写真:野水 綾乃
地図を見る上段のベッドルームもナチュラルな雰囲気。京都の寝具メーカー、イワタのマットが心地よい眠りへと誘ってくれます。格子状の窓から差し込む光は時間帯によって異なり、室内に柔らかな表情を生み出します。
写真:野水 綾乃
地図を見るこちらはミストサウナと暖炉が付いたコネクティングルームのテラス。この棟の2室だけ小川に面しておらず、そのかわりに那須連山の主峰・茶臼岳を一望できます。
テラスと中庭を囲む擁壁は敷地内より出土した石で造られています。那須は那須連山の火山活動の影響で、土の中にごろごろとした石を多く含んでいます。そんな土地の記憶を空間に宿しています。
写真:野水 綾乃
地図を見るスイートヴィラのバスルームはそれぞれテラスの横に配されています。通常は前面にガラス窓、テラス側は網代戸で仕切られているのですが、そのすべてを写真のように開け放てばテラスと一体に。湯は温泉ではありませんが、すぐそばを流れる渓流の音や木々の葉音に耳を澄ませながらの湯浴みは至福のひととき。
写真:野水 綾乃
地図を見るディナーは敷地内に新しくできた「レストランμ」へ。こちらも木材をふんだんに使った造りで、ガラス張りの窓から眺める木々の隙間に水庭の気配を感じることができます。
提供元:アートビオトープ那須
https://www.artbiotop.jp/「レストランμ」は「シード(種子)からテーブルまで」がテーマ。料理長の千葉拓海シェフをはじめとする20代の若手シェフチームがみずみずしい感性で皿に仕上げます。
内容はランチ・ディナーともシェフのおすすめコースになり、内容はその日の食材で決まります。敷地内の畑で育てる野菜やハーブをはじめ、フレンチのテクニックをベースにしたコースで旬の食材の美味しさを楽しませてくれます。
提供元:アートビオトープ那須
https://www.artbiotop.jp/朝食はフルーツとパンを中心にした軽めのモーニングバスケットをヴィラのテラスで楽しめます。コーヒーも部屋に備え付けのミルで挽きたてをゆっくり楽しみましょう。
写真:野水 綾乃
地図を見る誰もいない時間の「ボタニカルガーデン 水庭」を散策する。いつでも好きな時間帯に見学できる宿泊者の特権がここにあります。朝日の差し込む早朝、月の明るい夜など、時間帯によって変わる水庭の表情を何度でもゆっくり楽しんでみてください。
平日は14:00、土・日・祝日は11:00と14:00の2回開催されている水庭のガイドツアーにもスイートヴィラの宿泊者は無料で参加できます。ガイドツアーの詳細はmemoの別記事で紹介しています。
写真:野水 綾乃
地図を見る滞在しながらアートを身近に感じられるのもスイートヴィラの楽しみです。たとえばレセプション棟のエントランスに設置されている写真の陶壁は、陶芸家・近藤高弘さんの作品。彫刻家イサム・ノグチが晩年作品に愛用したという伊達冠石。それが風化して鮮やかな赤い土となった大蔵寂土を使用した世界初の陶芸作品です。
ヴィラの客室内にも部屋ごとに異なる現代工芸が展示されたミニギャラリーが設置され、気に入れば購入することもできます。
写真:野水 綾乃
地図を見る自分でもクリエイティブな体験をしてみたくなったら別棟のスタジオへ。本格的なガラススタジオや陶芸工房があり、さまざまなワークショップが用意されています。写真のようなかわいい七宝焼のアクセサリー作りも手軽に体験できますので旅の思い出にいかがですか。
アートビオトープ那須に誕生した坂茂氏デザインのスイートヴィラはいかがでしたでしょうか。那須の自然と調和したヴィラと水庭は四季に魅力があります。memoの別記事では四季に変化のある水庭の美しい風景もご紹介していますのでぜひご覧ください。
2020年12月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/12/4更新)
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