美食と美酒のおもてなし!山形・赤湯温泉「御殿守」で贅沢グルメ旅

美食と美酒のおもてなし!山形・赤湯温泉「御殿守」で贅沢グルメ旅

更新日:2021/01/12 10:29

Chanos Mayaのプロフィール写真 Chanos Maya トラベルコンサルタント、ワイナリーツアーアドバイザー
山形県南陽市にある赤湯温泉は平安時代に開湯し、その後上杉家が藩主となった時代には米沢藩公認の興遊場として栄え、900年以上の歴史がある温泉地です。赤湯温泉が位置する米沢盆地は日本有数の米どころであるとともに、上質な果樹栽培の地域としても有名。そんなロケーションを生かしたワイン造りも盛んです。おいしいものづくしの赤湯温泉の美味と長き伝統をじっくり楽しめる旅館「上杉の御湯・御殿守」をご紹介します。

お着き酒に始まる上杉家伝統のおもてなし

お着き酒に始まる上杉家伝統のおもてなし

写真:Chanos Maya

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山形新幹線、JR山形線が停車する赤湯駅から東に2キロ、車で10分ほどのところにある「上杉の御湯・御殿守(以下御殿守)」。

御殿守の歴史は1600年代までさかのぼります。赤湯の源泉があった「赤湯御殿」は上杉家の歴代藩主が疲れた体をいやした場所。上杉鷹山公からこの御殿の守番を賜った御殿守が、明治時代に上杉家から赤湯御殿を譲り受けたことから始まりました。

赤湯御殿はその後御殿守と名前を変え、以来赤湯の歴史と上杉家の伝統を今に伝える老舗の温泉宿として、明治天皇をはじめ、文人や財界人を迎えてきました。

お着き酒に始まる上杉家伝統のおもてなし

写真:Chanos Maya

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御殿守の玄関を上がるとまずは上杉家伝統の「お着き酒」のおもてなし。上杉家では賓客が到着するとお酒で迎えたといわれています。

お酒は菩提酛(ぼだいもと)、清んだ日本酒造りに使用される酵母の一種で、今では珍しい醸造法で作られた地元の復古酒。室町時代あたりに奈良の菩提山正暦寺で作られていた酒酵母が日本中に広まり、日本酒醸造の起源にもなった菩提酛。そんな酵母で作られたお酒はすっきりと清んだ味わいが特徴です。

300年以上も前から続く伝統のお出迎えとともにチェックインを。上杉の時代に思いを馳せることのできる、御殿守のおもてなしのひとつです。

山形特産のお茶菓子をいただきながら。くつろぎの純和風客室

山形特産のお茶菓子をいただきながら。くつろぎの純和風客室

写真:Chanos Maya

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広々とした「純和風客室」は一番ベーシックなカテゴリのお部屋ですが、全室温水洗浄機能つきトイレ完備で快適。内風呂つきと内風呂なしの2つのタイプがあります。特別室にはベッドが用意された洋室、体の不自由な方にも優しいバリアフリーのお部屋も。旅の目的に応じてお部屋を選択しましょう。

お部屋のお茶菓子は赤湯温泉がある南陽市の菓子処「六味庵」特製の焼きまんじゅうです。特産のぶどうを餡に練りこみ、うす甘の皮で包んだ優しい味わいの「ぶどう焼きまんじゅう」は秋冬の季節限定。山形名産のだだちゃ豆の餡が包まれた「だだちゃ焼きまんじゅう」は夏の味覚。移りゆく赤湯の季節を感じる地元の美味です。

緑茶やほうじ茶はもちろんのこと、いつでも本格淹れたてコーヒーの味を楽しめる、アメリカ発のコーヒーマシンKeurig(キューリグ)もすべての客室に用意されており、湯上りの一服をお茶菓子と一緒にいただけます。

ワインテイスティングをはじめとする御殿守のおもてなし

ワインテイスティングをはじめとする御殿守のおもてなし

写真:Chanos Maya

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御殿守ではどんなゲストも思い思いの時間を過ごせるようにと用意された、こだわりのサービスが多数あります。御殿守自慢の地元産ワインのテイスティングサービスはその一つ。

一日の気温差の大きい盆地特有の気候と、太陽の光をたっぷり浴びる南向きの斜面に囲まれる赤湯温泉は、おいしいぶどうが育つ条件が揃っています。そんな上質なぶどうを使ったワイン造りが盛んな赤湯温泉には、現在4つのワイナリーがあります。

赤湯の温泉街を歩けば、忙しく働く醸造家さんや、ぶどうや樽の匂いがしてくるワイナリーを見かけるはずです。温泉とワインの距離感が近いという、他の温泉地にはあまりないユニークな組み合わせです。

御殿守ではそんなローカルワインを毎日日替わりで約4種類テイスティングすることができます。素朴な温泉街で個性豊かな国産ワインを楽しむという、ユニークな体験となるはずです。

ワインテイスティングをはじめとする御殿守のおもてなし

写真:Chanos Maya

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御殿守のもう一つのこだわりのおもてなしが、真空管アンプの置かれたオーディオルームでのコーヒーサービス(時間限定)。あたたかみのある滑らかな音を奏でる真空管からの音楽を聴きながら、コーヒーとともにリラックスしたひと時を過ごしましょう。

このオーディオルームではお夕食後に、地元のお菓子屋さんから取り寄せるケーキのサービスも。なんとケーキは食べ放題!どんなゲストにとってもうれしい、おいしいサービスです。

その他、施設内には足湯スポットや龍穴洞があったり、インドア派もアウトドア派も大満足のおもてなしがたくさん用意されています。1泊だけではすべて楽しみきれないほどです。

「かてもの」の伝統に洋の技法を取り入れた御殿守のお食事

「かてもの」の伝統に洋の技法を取り入れた御殿守のお食事

写真:Chanos Maya

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山形が生んだ「つや姫」、米沢牛などの上質なお肉、豊かな川で採れる野趣あふれる魚、気候風土に育まれた里芋や菊といった伝統野菜・・・そんな四季折々の美味。御殿守では山形の食材を料理長自らが厳選し「煮る、焼く、蒸す」の和食の基本を大切に、新しい感性も吹き込んだ見た目も美しい五感で楽しめるお料理が提供されています。

そして御殿守が大切にしている「かてもの」の伝統。大飢饉を受けて鷹山公が命じて江戸時代に刊行された「かてもの」はいわゆる領民のための飢饉を乗り越えるための手引書で、飢饉をしのぐための救荒食品(食用可能な草木果実)とその調理法や貯蔵法が記載されています。

この本は赤湯御殿(現在の御殿守)で書き上げられたといわれており、御殿守のお夕食にはごぼうなど、「かてもの」に掲載された食材を使った一品が必ず添えられています。質素な材料でも丁寧に調理し、おいしくいただくという飽食の今でこそ大切にしたいこと。領民の健康を案じ、常に配慮を欠かさなかった上杉鷹山公の思いが、御殿守のお食事にも込められています。

「かてもの」の伝統に洋の技法を取り入れた御殿守のお食事

写真:Chanos Maya

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御殿守では朝食にも一切の妥協はありません。地元の新鮮卵を使っただし巻き卵、各自で温める湯豆腐、山形産の果物の100%ジュースなど山形の美味が集まったヘルシーな和朝食。つやつやのごはんはおひつに入ってたっぷり。山形産の野菜を使ったふるさとのお漬物や佃煮と一緒にいくらでもご飯が食べられそうです。

朝食はできるだけ素材本来の味を楽しめるように、シンプルに調理されています。フレッシュで優しい味わいのおかずは体が目覚めるお料理です。

夕食も朝食も、旬の食材を、和食の基本に忠実に様々な調理法で三様に変身させ、味覚でも視覚でも楽しめるお食事。御殿守は山形の四季折々の美味をとことん味わえる美食の宿です。

12種類の至福の温泉

12種類の至福の温泉

写真:Chanos Maya

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平安時代に発見された赤湯温泉。源義経ら戦いで傷ついた兵士がお湯に入ったところ、傷はたちまち治り、お湯が真っ赤に染まったことが赤湯温泉の名前の由来となったといわれています。上杉鷹山公もこよなく愛し、美肌の湯として知られていた赤湯温泉。御殿守は赤湯の源泉を今日まで380年余りの間、守ってきました。

御殿守には東湯と西湯、それぞれに露天風呂を含む6種類のお風呂が用意されています。毎朝男湯と女湯は入れ替わるので1泊だけでも、12種類のお風呂を体験できます。お湯は毎日入れ替え、衛生の管理も完璧!新鮮で清潔な温泉を存分に楽しみましょう。

注目のお風呂は東湯の重さ100トン余り、縦5メートル、横4メートル、高さ5メートルもの原石をくりぬいた大石風呂「竜神の湯」。日本一大きな石風呂です。また西湯には樹齢450年の青森ひばを使った丸太風呂や、消化器系によいとされる赤湯の飲泉を楽しめるお風呂などが用意されています。

歴史と伝統に育まれた美味の宿、上杉の御湯・御殿守

御殿守の館内には戦国武将たちが身に着けた甲冑(かっちゅう:鎧やかぶと)のレプリカや、上杉家代々の公書があちこちに展示されています。また東北御巡幸で明治天皇が滞在された際の資料などもあり、まるで博物館のようです。

長い歴史に彩られる御殿守の380年の伝統を実感しつつ、山形の山海の幸を味わい、地酒、地ワインを傾ける。そしてたっぷり湧いた温泉に浸かって日々の疲れをいやす。日本の里山の原風景、美味、文化伝統がここ、御殿守にあります。そんな日本の贅沢をとことん楽しめる旅館、上杉の御湯・御殿守に滞在しませんか?

2021年1月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2020/10/19−2020/10/20 訪問

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