香川と徳島の美味しいとこどり!観光列車「四国まんなか千年ものがたり」

香川と徳島の美味しいとこどり!観光列車「四国まんなか千年ものがたり」

更新日:2021/03/12 10:54

東郷 カオルのプロフィール写真 東郷 カオル 癒されたい系女子旅ライター、ラグジュアリーホテルライター
香川県多度津駅と徳島県大歩危駅を結ぶJR四国の観光列車「四国まんなか千年ものがたり」。弘法大師ゆかりの地や平家落人伝説など千年を超える歴史を感じるこの地で、移動そのものを楽しむゆったりとした旅を楽しんでみませんか?
スイッチバックや地元の名店の味、変化に富んだ吉野川の表情など、沿線の見どころやお楽しみが沢山!あっという間の2時間半を、多度津駅出発の下りパターンでご紹介します。

下りと上り、2つの「四国まんなか千年ものがたり」

下りと上り、2つの「四国まんなか千年ものがたり」

写真:東郷 カオル

「四国まんなか千年ものがたり」は下りと上りで2つの名前を持ちます。下りが香川県の多度津駅から出発する「そらの郷紀行」で、上りが徳島県の大歩危駅から出発する「しあわせの郷紀行」です。

下りと上り、どちらに乗車するか迷ったら旅程に合わせて選ぶといいでしょう。というのも「四国まんなか千年ものがたり」は週末中心の運行で、平日は運行されていないことが多いのです。また、人気の観光列車のため、希望のスケジュールで予約ができないことも。予約受付の開始は乗車日の1ヶ月前から。できるだけこの日を狙って予約すれば、希望の日程、車両・座席を確保できる確率がUPしますよ。

下りと上り、2つの「四国まんなか千年ものがたり」

写真:東郷 カオル

列車は異なるデザインの3つの車両で構成されていて、写真は1号車「春萌(はるあかり)の章」。若葉の芽吹きをイメージした内装です。

1号車と3号車は内装デザインは異なりますが、4名席、2名席、カウンター席と、同じような席の配置になっています。観光列車の座席を予約する際は進行方向に向かって右の座席か左の座席か悩むところですが、「四国まんなか千年ものがたり」は左右どちらの景色も甲乙つけがたく楽しめますので、そこまで気にする必要はないでしょう。

下りと上り、2つの「四国まんなか千年ものがたり」

写真:東郷 カオル

こちらは2号車、「夏清(なつすがし)の章」「冬清(ふゆすがし)の章」。窓に向けて7m、11席のベンチソファー席が特徴です。この車両には1号車や3号車のようなBOX席はありません。他の車両よりも定員人数が少ないので、ある程度人数が揃うなら貸切もおすすめですよ。

「四国まんなか千年ものがたり」のおもてなしを楽しむ

「四国まんなか千年ものがたり」のおもてなしを楽しむ

写真:東郷 カオル

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琴平駅には「四国まんなか千年ものがたり」の乗客専用待合室があります。多度津駅から大歩危駅へ向かう下り「そらの郷紀行」で事前予約制の食事券を持っている方には、ここでウェルカムサービスが用意されています。列車の停車時間に是非立ち寄りましょう。琴平駅に到着するまでの車内で案内がありますので見過ごすことはないでしょう。

内部には、より一層「四国まんなか千年ものがたり」が楽しめる展示もされています。

※大歩危駅から多度津駅への上り「しあわせの郷紀行」ではフェアウェルサービスとなります

「四国まんなか千年ものがたり」のおもてなしを楽しむ

写真:東郷 カオル

写真はJR四国公式イメージキャラクターの「れっちゃくん」。「すまいるえきちゃん」とともに駅のホームでお見送りすることも。また、駅からだけではなく沿線の田んぼや畑、河川敷などからも、多くの地元の方が観光列車に手を振って歓迎してくれます。ちょっとした地元の人との触れ合いですが、旅の想い出として記憶に残ることでしょう。

実は法被(はっぴ)を着ている写真の男性は、「四国まんなか千年ものがたり」のデザインに携わった方。毎回お見送りに来ている訳ではありませんが、運良く遭遇すれば、列車のデザインに関するお話が直接聞けるかも?

「四国まんなか千年ものがたり」のおもてなしを楽しむ

写真:東郷 カオル

「四国まんなか千年ものがたり」の特徴的なデザインを、色づく山々、熟れた果実をイメージした3号車「秋彩(あきみのり)の章」で見てみましょう。

列車の車内なのにとても開放的に感じるのは、鏡面ステンレスの天井の効果。この天井は囲炉裏をモチーフにしたもの。木のぬくもりとあたたかなライトが作り出すほっこりとした居心地の良さは、里山に佇む古民家のような雰囲気。窓側は民家の軒下に見立てられていて、和のテイストたっぷりの空間が楽しめます。

香川・徳島の名店グルメが車内で味わえる

香川・徳島の名店グルメが車内で味わえる

写真:東郷 カオル

観光列車ではお食事も楽しみのひとつ。多度津駅から大歩危駅に向かう下り列車では、金刀比羅宮が運営するレストラン神椿の「さぬきこだわり素材の洋風料理」を、上り列車では味匠藤本の料理長監修の「おとなの遊山箱」が味わえます。

下り・上りとも地元の人気店が腕を振るっていますので、お目当てのお店・お料理で旅程を決めるのもいいかもしれませんね。もちろん下り・上りの両方の列車の予約ができれば言うことなしです。


※写真は2月28日までの「さぬきこだわり素材の洋風料理」のメニューです(下り「そらの郷紀行」)。お食事は事前予約制です。

香川・徳島の名店グルメが車内で味わえる

写真:東郷 カオル

列車の旅では開けた景色を眺めるのが楽しみですが、「四国まんなか千年ものがたり」では鬱蒼とした緑のトンネルを走る時も素敵なんです。光が遮られる薄暗い場所では、ほんのり灯るライトで車内がまるで夜のレストランのような雰囲気に。是非暗くなるタイミングにも注目してみてください。

明るい景色も、夜のレストランのような雰囲気も両方味わえるのはお得感ありますね。

秘境駅やカワイイ駅長も!沿線の駅でのお楽しみ

秘境駅やカワイイ駅長も!沿線の駅でのお楽しみ

写真:東郷 カオル

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移動そのものを楽しむ観光列車の旅では、普段は通り過ぎてしまう沿線の駅も楽しめるのが魅力。近くに民家や道路がなく、鉄道ファンの間で秘境駅として名高い坪尻駅。列車はこの駅で停車し、このアクセス困難な秘境駅に降り立って記念撮影をする時間も設けられています。

急勾配を登るために一旦加速線に後退して勢いをつけてから進む“スイッチバック”が見られるポイントでもあります。

秘境駅やカワイイ駅長も!沿線の駅でのお楽しみ

写真:東郷 カオル

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一方三縄駅ではカワイイ駅長さんがお出迎え。三縄駅長のマロ君の姿が見えると、列車が傾くのではないかと思われるほど乗客は一斉に窓に張り付いて「かわいい〜!!」の声。この駅では下車はできませんが、マロ君、いや正確には飼い主さん(笑)は、窓に近づいてマロ君の写真が撮れるようにしてくれるサービスも。

阿波池田駅では地元の物産がワゴンに並び、お買い物が楽しめます。

大歩危駅で必ず立ち寄るべきスポット

大歩危駅で必ず立ち寄るべきスポット

写真:東郷 カオル

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大歩危渓観光の最寄り駅大歩危駅には、是非立ち寄っていただきたい名物店があります。駅からすぐの「歩危マート」ではここでしか買えない名物「ぼけあげ」が人気で、リピーターが多いお店。大歩危・祖谷の特産品が揃います。

向かいの歩危マート2号店では臼(うす)を自分で回して、挽きたてのお茶を飲むというサービスも。フレッシュで濃厚なお茶をいただきながら、お店の人から集落の歴史を聞くことができるかもしれませんよ。

大歩危駅で必ず立ち寄るべきスポット

写真:東郷 カオル

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2号店では特産品を使ったお料理も味わえます。ぼけあげの上に大根おろしをたっぷり乗せて、地元の柚子酢、唐辛子、醤油などをお好みでかけた「雲海おろし」はシンプルながら素材の味が楽しめる逸品!写真はぼけあげを使った寒い冬におすすめの「雲海汁」。余計な味付けはなし。ぼけあげそのものの味を楽しみながら、カラダの芯まであったまるメニューです。

大歩危駅で必ず立ち寄るべきスポット

写真:東郷 カオル

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「四国まんなか千年ものがたり」の車窓から見えていた大歩危峡。この渓谷を船に乗って見学できる大歩危峡観光遊覧船も体験したいもののひとつ。大歩危峡は2億年の時を経て四国山地を横切る吉野川の激流によって創られた約8kmにわたる渓谷で、国指定の天然記念物、国指定の名勝になっています。

左右に迫る切り立ったダイナミックな岩々は美しい景観を作っているだけではなく、地球の歴史を物語る貴重な資料でもあるのです。

移動そのものが旅になる観光列車「四国まんなか千年ものがたり」で四国の真ん中へ!

目的地への移動そのものも旅の一部として楽しめる観光列車。「四国まんなか千年ものがたり」なら香川県と徳島県の景色やグルメを楽しみつつ、沿線の人々ともほっこりする心の交流を感じることができますよ。

ベビーカーの持ち込みや車いすでの乗車も可能ですので、小さな子連れ旅や、おじいちゃんやおばあちゃんを交えての3世代旅にもおすすめです。

2021年3月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

取材協力:JR四国、一般社団法人そらの郷

掲載内容は執筆時点のものです。 2020/12/19 訪問

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