料亭でかき氷!?史跡で味わう台湾スイーツ「春田氷亭」

料亭でかき氷!?史跡で味わう台湾スイーツ「春田氷亭」

更新日:2020/12/26 11:49

台湾旅行の楽しみの一つ、台湾スイーツ。中でも台湾フルーツを存分に味わえるかき氷は人気のスイーツの一つです。一年を通して暑い日の多い高雄にはかき氷屋さんが軒を連ねていますが、今回ご紹介する「春田氷亭」で食べられるのは、ちょっと違った趣向のかき氷。建物は史跡で、内装は料亭。そして、その中で高級料理のように美しく盛り付けられたかき氷をいただくという、特別な体験が楽しめるスポットです。

「貿易商大樓」と「春田氷亭」について

「貿易商大樓」と「春田氷亭」について
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高雄市地下鉄(MRT)オレンジライン「西子湾」駅2番出口またはLRT「哈瑪星」駅から徒歩2分ほどのところにある史跡が「貿易商大樓」です。ここは、日本時代に新濱町、「新濱駅前」と称されていた場所。隣の「舊三和銀行」だった史跡をリノベーションしたカフェの名前は「新濱・駅前」となっています。

「貿易商大樓」と「春田氷亭」について
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「貿易商大樓」は、1907年には「春田館」という旅館でした。当時2階建てだった建物を戦後、1951年に4階に増築。1963年には「貿易商大樓」となり、2014年まで使われていましたが、解体の危機に遭い、文化局などが積極的に保存を推し進めました。2018年に1年あまりの修復を経て、現在はリノベスポットとして生まれ変わっています。

「貿易商大樓」と「春田氷亭」について
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2020年12月にオープンした「春田氷亭」はこの建物「貿易商大樓」の4階にあります。1〜2階にはお土産にピッタリな食品やお茶、ステキな雑貨などがたくさんあります。2階は家で使うものが中心で、陶器や家具、植物などが販売されています。3階は台湾茶や軽食がいただけるカフェ「春田茶室」で、奥には昔の地図や資料が展示。旅行や食をテーマにした書籍も展示販売されています。

料亭で楽しむかき氷

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4階に上がってみると、日本の料亭のような入り口が目に入ってきます。高級そうでちょっと入りにくいかもしれませんが、ドアを開けると開放的な空間が広がっているので、ご安心ください。

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日本時代に氷を食べる文化が日本から入ってきたことと、旅館「春田館」の近くに
は料亭がたくさんあったことから、料理のようなかき氷を提供するお店として「春
田氷亭」がオープンしました。ミニマムチャージ(最低消費額)は一人100元で、
時間制限はありません。席数も少なくはありませんが、混雑時は席を譲りあってくださいね。

メニューを見て、オーダーするものを決めたら、奥にあるカウンターで先にお金を払います。オーダーが入ってから作る為、少し待つこともあります。

料亭で楽しむかき氷
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待っている間に店内に飾られている作品も見てみてください。写真右側にある壁の絵は、高雄の芸術家劉星祐氏の作品です。これは枕草子の一節で氷が高級品であったという部分と、台湾のパイナップルやバナナなどの農産物を描いて組み合わせたものです。

台湾のかき氷とおススメメニュー

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台湾で最初に氷が食べられ始めたのは、日本から製氷技術が伝わってからのこと。記録によれば、一番初めに台北にかき氷屋さんができたのは1897年で、最初のお客さんは外国人と日本人。台湾人からは体によくないと思われていましたが、暑い気候のため、受け入れられるように。高雄では1906年に2、3店のかき氷屋さんができました。

高雄では主に漁業水産業で鮮度を保つ為に、1935年日本が最初に製氷会社を設立。日本時代末期には、高雄は漁業の重鎮となり、当時の製氷量は全台湾の3分の1にも上りました。

「春田氷亭」では、このように日本から伝わったかき氷を高級料理のように美しい盛り付けで提供。おススメは「宮・九桝(200元)」。蓋のない重箱のような仕切りのある器にきれいに盛り付けられています。伝統的なたくさんの具が入っているかき氷「八寶冰」の具を別々に小皿に入れたものです。これを自分で盛り付けていただくスタイル。

かき氷の具はタロイモ、マッシュさつまいも、オーギョーチ、仙草、白玉のような手作り団子、パイナップルの蜜煮、小豆の蜜煮、ハトムギの8種類。真ん中に入っている菊の花は飾りですので食べられませんが、とてもきれいな盛り付けです。

台湾のかき氷とおススメメニュー
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また「満載(250元)」もぜひオーダーしてみてください。お刺身の盛り付けをイメージしていて、美しくカットされたスイカがまるでまぐろのお刺身ように見えます。台湾のかき氷と言えば、フルーツのかき氷ですが、この「満載」も季節のフルーツがたっぷり味わえます。その時によってフルーツの種類が変わるので、それも楽しみの一つ。毎日数量限定なので、お店の方にあるかどうか確認してくださいね。

台湾のかき氷とおススメメニュー
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お店のおススメは「菫(160元)」。マッシュさつまいもに特製の紫芋ソースとホイップクリームがかかったかき氷です。特製のホイップクリームはちょっとしょっぱくて特別な味。上に載っているお花は食用なので食べられます。見た目の色にインパクトがあって、味もしっかりある、ボリューム満点のかき氷です。

メニューはかき氷以外にも一人分の鍋(120元〜)や枝豆や漬け物などのおつまみ、瓶ビール(70元〜)やサワーなどもあります。

窓からの眺め

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日本時代には2階建てだった「貿易商大樓」。現在は、昔と違って高いビルなどが建ち並んでいるので、4階に上がってやっと周辺が見渡せますが、日本時代、当時は高い建物が少なかったため、2階から港の景色が眺められたと言います。

4階の窓からは、LRT「哈瑪星」駅が眺められて、路面電車が走っているところも見られます。史跡の窓から現代的なライトレールを眺めながら、料亭のかき氷を食べるという特別な体験ができるのはここだけです!

窓からの眺め
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写真は「貿易商大樓」の夜の写真です。夜もまた違った雰囲気があって、とても美しいので、ぜひ昼と夜2回訪れてみてくださいね!

春田氷亭の基本情報

住所:高雄市鼓山區臨海三路5號4樓
電話番号:+886-7-531-2770
営業時間:12:00〜21:00
アクセス:高雄市地下鉄(高雄捷運MRT)オレンジライン「西子湾」駅2番出口または、LRT「哈瑪星」駅から徒歩約2分

2020年12月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2020/12/13 訪問

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