地中海に浮かぶマルタ・ヴァレッタで見る騎士団長の宮殿

地中海に浮かぶマルタ・ヴァレッタで見る騎士団長の宮殿

更新日:2021/02/04 14:20

Hiroko Ojiのプロフィール写真 Hiroko Oji ヨーロッパ一人旅愛好家
イタリアとアフリカ大陸の間に浮かぶマルタ共和国。「地中海のへそ」や「地中海文明のゆりかご」とも呼ばれ、先史時代の巨石神殿が点在する太陽の光に溢れた島国です。

好立地が故に多民族からの侵略を受けてきたマルタの歴史の中で、避けては通れないのが「聖ヨハネ騎士団」の存在です。首都のヴァレッタは聖ヨハネの騎士団の栄光を紡ぐ町として知られ、騎士団長の宮殿が中心地に残されており、博物館として公開されています。

新型コロナウイルスの発生と感染拡大に伴い、海外渡航が難しい状況です。各種報道機関の発表や外務省、各航空会社のホームページなどで最新情報をご確認ください。(LINEトラベルjp)

パレス広場に面した騎士団長の宮殿

パレス広場に面した騎士団長の宮殿

写真:Hiroko Oji

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マルタ共和国の首都は市街が世界遺産となっているヴァレッタ。イタリアのシチリア島の南に位置し、五つの島からなるマルタの中で一番大きな島であるマルタ島の東部に位置しています。

バスターミナルに面する町の入り口であるシティーゲートをくぐるとヴァレッタの市街をまっすぐに貫くリパブリックストリート。両側にアイアン製の手摺で装飾された「ガラリア」という張り出しバルコニーとマルタストーンで造られた蜂蜜色の歴史を感じさせる建物が建ち並びます。その通りを進むとフリーダム広場・聖ヨハネ広場・グレートシージ広場・リパブリック広場と続き、写真のパレス広場に辿り着きます。

パレス広場に面した騎士団長の宮殿

写真:Hiroko Oji

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パレス広場に面して建つのが「聖ヨハネ騎士団長の宮殿」。聖ヨハネ騎士団は通称マルタ騎士団と呼ばれるカトリックの騎士修道会です。第1回十字軍後の1100年頃、巡礼保護を目的としてエルサレムで設立され、1522年のオスマン帝国によるロドス島陥落後本拠地をマルタ島に移して、マルタ騎士団と呼ばれるようになりました。その後も軍事集団としてマルタ包囲戦や異教徒との戦いにおいて歴史的に重要な役割を果たした歴史を持っています。創設900年以上たつ現在、110カ国と外交関係を持ち医療などの国際慈善団体として活動しています。

その歴代の騎士団長の公邸だった建物として、聖ヨハネ教会の設計者ジェラーロモ・カッサールの意匠によって1547年に完成した宮殿がここなのです。現在は大統領府とともに国会議事堂など政府機関としての存在です。

パレス広場に面した騎士団長の宮殿

写真:Hiroko Oji

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マルタストーンで造られた縦96メートル、横81メートルの大きな建物へは、この簡素な入り口から入場です。

ネプチューンの中庭

ネプチューンの中庭

写真:Hiroko Oji

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建物はマルタストーンという黄色っぽい石灰岩でできており、敷地内にはふたつの中庭があります。入り口から入ってすぐのところにあるのが写真のネプチューンの中庭です。建物の右側下をくぐるとアルフレッド王子の中庭に続きます。

ネプチューンの中庭

写真:Hiroko Oji

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熱帯らしい植物が茂る中庭の周りを取り囲む建物は、かつては1階が主に兵舎、2階が会議室や執務室として使われていました。

ネプチューンの中庭

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二つの中庭のうち、写真のネプチューンの像が建つのが「ネプチューンの中庭」。100年ほど前までは騎士団中の水飲み場として使われていました。当時の騎士団長アロフ・ドゥ・ワイグナーコートの命によって、ジャンボローニャの16世紀の海神ネプチューンのブロンズ像が置かれたことによってこう呼ばれています。

豪壮な部屋

豪壮な部屋

写真:Hiroko Oji

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宮殿内で、見学に開放されているのは5室のみ。騎士見習いの控室や大使の執務室、かつての食堂などを見ることができます。

そのうちの1室は最高評議会が置かれていたホール。壁面の上半分に12に分割されて描かれている絵は1565年、オスマン帝国によるマルタ大包囲戦を描いたものです。また黄色の間とも呼ばれる給仕の間は、かつて12歳〜16歳の少年16人が詰めて騎士の雑用を引き受けていた部屋で、輝くような黄色いタペストリーが飾られています。

豪壮な部屋

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ペレロス騎士団長が私費を投じてアフリカやアメリカ、インドの風物を織り込ませたという18世紀のタペストリーやグレートシージ(大包囲戦)の名場面を描いた壁のタペストリーなども見逃せません。

豪壮な部屋

写真:Hiroko Oji

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こちらは大使の執務室。別名「赤の間」と呼ばれたようにダマスコ織の赤いタペストリーが飾られています。マルタ製の豪華な家具やシャンデリアなどにも視線が引き寄せられます。

大理石の床や天井画が美しい兵器庫通路

大理石の床や天井画が美しい兵器庫通路

写真:Hiroko Oji

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二つの中庭に挟まれているのが兵器庫通路です。色大理石が床を飾り、通路両側には今にも動き出しそうな本物の甲冑が立ち並びます。

大理石の床や天井画が美しい兵器庫通路

写真:Hiroko Oji

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通路の天井一面と壁を覆うフレスコ画や騎士団長の肖像画も見事なもの。じっくり見ていると首が痛くなってしまうほどです。

大理石の床や天井画が美しい兵器庫通路

写真:Hiroko Oji

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色大理石の床のモザイク画は聖ヨハネ騎士団やマルタの紋章、竪琴やライオン・鳥などが描かれたもの。赤字に白十字は聖ヨハネ騎士団のものです。この通路を歩くだけでも中世にタイムスリップしたような感覚に陥ってしまいます。

甲冑や武器がズラリ!兵器庫

甲冑や武器がズラリ!兵器庫

写真:Hiroko Oji

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美しい装飾の兵器庫通路の奥、左右それぞれのお部屋が兵器庫になっています。

兵器庫の中には刀剣や甲冑、大砲などの本物が並べられており、1601年〜1622年の間団長を務めたアロフ・ドゥ・ワイグナーコートの金メッキの甲冑はイタリアのミラノ製の高価なものでひときわ目を惹きます。兜の表情も一つひとつ異なっていて、じっくり見るのも面白い!

甲冑や武器がズラリ!兵器庫

写真:Hiroko Oji

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立派な大砲もズラリと並ぶ眺めは壮観なもの。ヴァレッタでは毎日のようにアッパー・バラッカ・ガーデンで大砲の発射シーンを見ることができますので、足を延ばしてみてくださいね。

甲冑や武器がズラリ!兵器庫

写真:Hiroko Oji

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また実際に使用されていた銃や刀剣・槍の数々に加え、18世紀の団長の馬車など6000点にもおよぶ展示が見られます。

ヴァレッタは、騎士団栄光時代そのままのまっすぐに延びる通りと300にもおよぶマルタストーンの建物が残る昔ながらの景観で世界遺産に登録され、見どころがギュッと詰まった「宮殿の町」。近郊の町と結ぶバス便も便利ですので、ゆとりのある日程を組んで滞在を楽しんでくださいね。

騎士団長の宮殿の基本情報

住所:Palace Sq.,Valletta
電話番号:+356-2124-9349
開館時間:木曜日〜日曜日 9:00〜17:00(兵器庫は10:00〜16:30)
休館日:月・火・水曜日

2021年2月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2010/01/02 訪問

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